岡ノ谷一夫著『さえずり言語起源論ー新版 小鳥の歌からヒトの言葉へ』(2003→2010)

さえずり言語起源論 新版 小鳥の歌からヒトの言葉へ (岩波科学ライブラリー) 作者:岡ノ谷 一夫 岩波書店 Amazon ジュウシマツの歌には「文法」がある――これが転機をもたらす大発見だった.進化的な起源の異なる小鳥の歌が言語進化の謎に迫るカギとなるのはな…

ベルンハルト・シュリンク著,松永美穂訳『朗読者』(1995=2000→2003)

朗読者(新潮文庫) 作者:ベルンハルト・シュリンク 新潮社 Amazon 15歳のぼくは、母親といってもおかしくないほど年上の女性と恋に落ちた。「なにか朗読してよ、坊や!」──ハンナは、なぜかいつも本を朗読して聞かせて欲しいと求める。人知れず逢瀬を重ねる…

吉増剛造著『詩とは何か』(2021)

詩とは何か (講談社現代新書) 作者:吉増 剛造 講談社 Amazon 現代における「詩」の本質とは? 世界最高峰の詩人の1人、吉増剛造が60年の詩業の果てに辿り着いた境地を縦横無尽に語り尽くす。現代最高の詩人による究極の詩論、ついに登場! 世界大戦、原爆…

千葉雅也著『アメリカ紀行』(2019→2022)

アメリカ紀行 (文春文庫) 作者:千葉 雅也 文藝春秋 Amazon トランプ以後のアメリカの地で、哲学者・千葉雅也は何を考えたのか。『勉強の哲学』に続く、半年の思考の軌跡と新たな哲学の萌芽。

増田聡著『聴衆をつくる-音楽批評の解体文法』(2006)

聴衆をつくる―音楽批評の解体文法 作者:増田 聡 青土社 Amazon いま音楽を語るとき、何を前提とすべきなのか?テクノロジーの土台の変化によって、「音楽」そのものが動揺しつつある現状を思考すること、音楽に絡みつく「日本」の現在に介入すること、既存の…

藤津亮太著『アニメの輪郭ー主題・作家・手法をめぐって』(2021)

アニメの輪郭: 主題・作家・手法をめぐって 作者:藤津亮太 青土社 Amazon 『白雪姫』『サザエさん』『うる星やつら』『鋼の錬金術師』『輪るピングドラム』『パプリカ』『精霊の守り人』『シン・エヴァンゲリオン』…。フレームに浮かび上がるアニメのかたち…

ダニエル・J・ケヴルズ著,西俣総平訳『優生学の名のもとに-「人類改良」の悪夢の百年』(1985=1993)

優生学の名のもとに―「人類改良」の悪夢の百年 作者:ダニエル・J. ケヴルズ 朝日新聞 Amazon IQテストや家系調査によって「劣等者」「欠陥者」を決め、隔離や強制断種まで行った英米の苦い歴史…。遺伝子操作の時代に蘇ろうとする暗い影に警鐘を鳴らす。 優…

海野敏著『バレエの世界史-美を追求する舞踏の600年』(2023)

バレエの世界史 美を追求する舞踊の600年 (中公新書) 作者:海野敏 中央公論新社 Amazon バレエはルネサンス期イタリアで誕生し、今なお進化を続けるダンスの一種だ。当初、王侯貴族が自ら踊り楽しんだが、舞台芸術へと転換。観客も貴族からブルジョワジー、…

中畑正志著『アリストテレスの哲学』(2023)

アリストテレスの哲学 (岩波新書 新赤版 1966) 作者:中畑 正志 岩波書店 Amazon 思想界では近年一段と脚光を浴びる一方で、一般には時代遅れのイメージが付きまとうアリストテレス。本書はこの懸隔に架橋すべく、彼が創出した<探究と知の方法>を示したうえで…

土田知則「『読むことのアレゴリー」を読む」『千葉大学人文研究』 33 267-295, 2004

【リンク】 ハンデルマン『誰がモーセを殺したか―現代文学理論におけるラビ的解釈の出現』 誰がモーセを殺したか―現代文学理論におけるラビ的解釈の出現 (叢書・ウニベルシタス) 作者:スーザン A.ハンデルマン 法政大学出版局 Amazon

イェスパー・ユール著,松永伸司訳『ハーフリアル-虚実のあいだのビデオゲーム』(2005=2016)

ハーフリアル: 虚実のあいだのビデオゲーム 作者:Juul,Jesper ニューゲームズオーダー Amazon ゲームとは? ゲームの楽しさとは? 伝統的なゲームとビデオゲームはどうちがう? ビデオゲームのプレイは現実?それともフィクション? あるものがビデオゲームである…

ポール・ド・マン著,土田知則訳『読むことのアレゴリー』(1979=2012→2022)

読むことのアレゴリー (講談社学術文庫) 作者:ポール・ド・マン 講談社 Amazon 批評界に大きな衝撃を与えるとともに、文学批評はもちろん、哲学・思想の領域にも深い影響を与えた巨人ポール・ド・マン(1919-83年)。ド・マンを領袖とする「イェール学派」は、…

ハル・アベルソン,ケン・リーディン,ハリー・ルイス,ウェンディ・セルツァー著,尼丁千津子訳『教養としてのデジタル講義ー今こそ知っておくべき「デジタル社会」の基礎知識』(2020=2021)

教養としてのデジタル講義 今こそ知っておくべき「デジタル社会」の基礎知識 作者:ハル・アベルソン,ケン・リーディン,ハリー・ルイス,ウェンディ・セルツァー 日経BP Amazon 「デジタル社会」の弊害と危険を避けて、恩恵と可能性を見いだすための1冊です。 …

山口尚著『日本哲学の最前線』(2021)

日本哲学の最前線 (講談社現代新書) 作者:山口尚 講談社 Amazon 國分功一郎、青山拓央、千葉雅也、伊藤亜紗、古田徹也、苫野一徳……哲学の最前線の旗手たちが「いま考えていること」がこれ一冊でわかる! 私たちを縛りつける不自由と向き合う、本当の自由のた…

マット・フォートナウ,キューハリソン・テリー著,Pivot Tokyo(満木夏子)『NFTのすべて-歴史、仕組み、テクノロジーから発行・販売まで』(2022=2022)

NFTのすべて 歴史・仕組み・テクノロジーから発行・販売まで 作者:マット・フォートナウ,キューハリソン・テリー 翔泳社 Amazon NFTが世界中で注目されています。 国内でもNFTに関する議論が活発化して いますが、いまだに「投資としてのNFTアート」 といっ…

國分功一郎著『中動態の世界ー意志と責任の考古学』(2017)

中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく) 作者:國分功一郎 医学書院 Amazon 自傷患者は言った。「切ったのか、切らされたのかわからない。気づいたら切れていた」依存症当事者はため息をついた。「世間の人とはしゃべっている言葉が違うの…

ブライアン・バターワース著,長澤あかね訳『魚は数をかぞえられるか?ー生きものたちが教えてくれる「数学脳」の仕組みと進化』(2022=2022)

魚は数をかぞえられるか? 生きものたちが教えてくれる「数学脳」の仕組みと進化 作者:ブライアン・バターワース 講談社 Amazon すべての生きものは数をかぞえている。チンパンジーや犬だけじゃない。鳥も魚もネズミもライオンもイルカも数をかぞえ、アリも…

青山太郎著『中動態の映像学 - 東日本大震災を記録する作家たちの生成変化』(2022)

中動態の映像学 作者:青山 太郎 堀之内出版 Amazon 酒井耕・濱口竜介、鈴尾啓太、小森はるか――震災を記録してきた3組の作家たちの実践から、映像メディア理論の新境地を開く。 今日のメディア・テクノロジーは、世界のあれこれの出来事をほとんどリアルタイ…

蓮實重彦著『ゴダール革命〔増補決定版〕』(2005→2023)

ゴダール革命〔増補決定版〕 (ちくま学芸文庫 ハ-1-10) 作者:蓮實 重彦 筑摩書房 Amazon いつ炸裂するかわからない時限爆弾として映画があるとするならば、ジャン=リュック・ゴダールの作品はいかなる条件のもとにそうであるのか、あるいはそうでないのか。…

エリオット・ヒギンズ著,安原和見訳『べリングキャットーデジタルハンター、国家の嘘を暴く』(2021=2022)

ベリングキャット ――デジタルハンター、国家の嘘を暴く (単行本) 作者:エリオット・ヒギンズ 筑摩書房 Amazon 大手メディアも驚くほどの速さと正確さで次々にスクープを飛ばし、いまや世界中から注目される調査報道ユニット“ベリングキャット”。シリア政府の…

田中友子著『ビリービンとロシア絵本の黄金時代[改訂版]』(2014→2019)

ビリービンとロシア絵本の黄金時代 改訂版 (ToBi selection) 作者:田中友子 東京美術 Amazon 20世紀初頭、ロシアのおとぎ話を題材に美しい絵本を残したビリービン。宮崎駿氏ら多くのクリエイターを魅了した幻の絵本を撮りおろしの写真とともに紹介し好評を博…

福田敏博著『図解入門 よくわかる 最新サイバーセキュリティ対策の基本』(2023)

図解入門 よくわかる 最新 サイバーセキュリティ対策の基本 (How-nual Visual Guide Book) 作者:福田敏博 秀和システム Amazon 近年、サイバー攻撃の手口は、より高度に巧妙に変化しています。しかし、従来のセキュリティ対策は変化に対応できず、会社の資産…

佐藤直樹監修『ヴィルヘルム・ハマスホイ 沈黙の絵画』(2020)

ヴィルヘルム・ハマスホイ 沈黙の絵画 (コロナ・ブックス) 平凡社 Amazon 日本にハマスホイの世界を紹介した第一人者の監修による、本邦初の作品集! 「北欧のフェルメール」とも謳われる、デンマークが生んだ孤高の画家ハマスホイ。その静謐な画風になぜ人…

東浩紀著『新対話篇』(2020)

新対話篇 (ゲンロン叢書) 作者:東 浩紀 ゲンロン Amazon 東浩紀が2012年以降に行なった対談・鼎談から、哲学と芸術をテーマとするものを厳選し集成。文化が政治に従属し、人間がデータに還元される時代に、「対話」というもっとも古く原始的な方法で人文知の…

大野純子「コンテンツファイナンスの現状 : 日米の映画ファイナンス手法の比較を通して」『芸術工学研究』7, 63-73, 2007

【リンク】

ジョゼフ・コンラッド著,柴田元幸訳『ロード・ジム』(1900=2011)

ロード・ジム (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集) 作者:ジョゼフ・コンラッド 河出書房新社 Amazon ジムは船長番として、誰からも厚い信頼を得て仕事に励んでいた。しかし彼には隠された恐ろしい過去があった──かつて老朽船パトナ号の一等航海士だった…

ユリア・エブナー著,西川美樹訳『ゴーイング・ダーク -12の過激主義組織潜入ルポ』(2019=2021)

ゴーイング・ダーク 作者:ユリア・エブナー,西川美樹,木澤佐登志 左右社* Amazon カリスマ白人至上主義インフルエンサー愛国主義者専用の出会い系アプリハマったら最後、Qアノンの陰謀論ISISのハッカー集団による初心者講座反フェミニスト女性のチャットルー…

ポーリン・ケイル著, 山田宏一, 柴田元幸他訳『明かりが消えて映画がはじまる - ポーリン・ケイル映画評論集』(2003)K

明かりが消えて映画がはじまる -ポーリン・ケイル映画評論集 作者:ポーリン ケイル 草思社 Amazon 辛辣な語り口で鳴らした米国の名物女流評論家による名画評論。アルトマン、デ・パルマなど有名監督の映画評に加え傑作エッセイ「ケーリー・グラント論」を収…

新藤真知著『もっと知りたいパウル・クレー』(2011)

もっと知りたいパウル・クレー 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション) 作者:新藤 真知 東京美術 Amazon クレーの絵は、ときに難解でときに分かりやすい。その感覚はいったいどこからくるのでしょうか。ヨーロッパの芸術運動、クレー絵画と音楽との…

島田雅彦著『小説作法XYZ -作家になるための秘伝』(2022)

小説作法XYZ (新潮選書) 作者:島田 雅彦 新潮社 Amazon 《コトバを生業とする者たちが積み上げて来た文学的叡智がどれだけ人類に貢献して来たか》40年間の作家生活を経て、改めて「知性」の意味を捉え直した時、新たなる小説作法が誕生する。46箇条の「超絶…