ゲームとは? ゲームの楽しさとは? 伝統的なゲームとビデオゲームはどうちがう? ビデオゲームのプレイは現実?それともフィクション?
あるものがビデオゲームであるとはどういうことなのか。 どういう場合にビデオゲームは楽しいものになるのか。 ゲームのルールはどのような仕方で機能するのか、また ルールはどのようにしてプレイヤーに楽しみを与えるのか。 どのようにして、そしてなぜ、プレイヤーはゲームの世界 を想像するのか。
新旧のゲーム研究に加え、文学理論、映画学、認知科学、 心理学、計算機科学、システム理論、ゲーム理論といった 多彩な分野からの研究成果を援用しながら、こうした問い を丁寧かつ明快に解きほぐす。
まえがき 5
1. 序論 9
古さと新しさ 11
ルールとしてのゲーム 12
フィクションとしてのゲーム 14
・ゲームとはなにか 15
・ビデオゲーム研究について 16
ほかの目的のためのゲーム 17
それ自体のためのゲーム 19
ビデオゲーム研究 21
ゲームかプレイヤーか 22
ルールかフィクションか 23
物語るゲーム 26
ゲームか、もっと広い文化か 29
ゲーム存在論かゲーム美学か 29
楽しさを理論的に考える 31
ゲームの文化的地位 33
この本について 35
2. ビデオゲームと古典的ゲームモデル 37
・言葉の問題 41
・先行の定義論 42
ルールと結果 44
目標と争い 46
自発性 46
分離と非生産性 46
効率のよくない手段 47
フィクション 48
社会的な集団形成 48
ゲームとプレイヤー -- 目標についてもう少し考える 49 48
分離と非生産性 -- 取り決め可能な帰結 49
・新しい定義 -- ゲームの6つの特徴 50
1. ルール 52
2. 可変かつ数量化可能な結果 53
3. 結果に対する価値設定 55
4. プレイヤーの努力 56
5. 結果に対するプレイヤーのこだわり 56
6. 取り決め可能な帰結 56
・ゲームの境界について 59
・物としてのゲームと活動としてのゲーム 62
・ゲームの事例 63
チェッカー 63
サッカー 64
『Battlefield 1942』 64
境界事例 -- 『SimCity』 65
・媒体横断的なゲーム 66
実装と翻案 67
ゲームの実装ー領域間の対応付け 70
・古典的ゲームモデルの限界 73
3. ルール 76
・ルールとはなにか 79
・戦略と状態機械 81
アルゴリズムとしてのルール 85
ルール作りとルール変更 89
ルールについて話し合う楽しみ 90
他の種類のルール -- ゲーム運用、スポーツマンシップ、重力 91
・ルールの構造 -- 創発型ゲームと進行型ゲーム 93
ゲームガイドによる進行型/創発型判別テスト 97
・進行型ゲーム 98
・創発型ゲーム 102
創発からゲームを考える 108
創発とプレイヤー 110
・創発と進行の混合型ゲーム 111
・ゲームプレイ -- ルールの実行 116
ゲームプレイと社会的側面 121
楽しいルール -- 興味を引く選択と思考の美的感覚 122
実践による上達 -- プレイヤーのレパートリー 126
進行 -- プレイヤーのレパートリーに働きかける 129
創発 -- ひとりでに生まれる挑戦課題 138
・創発的な挑戦課題の標準形 140
三すくみと直交軸によるユニットデザイン 141
より基本的なパターン -- 自分の拠点 142
チョークポイント 142
ゲームデザインパターンの不安定さ 144
・挑戦課題の良し悪し 145
単一の解か複数の解か 146
・挑戦にまつわる問題 147
・挑戦課題の一貫性についての慣習 151
・ルールの楽しさ 154
4. フィクション 155
・虚構世界 156
・なぜマリオには3つの命があるのか 158
・抽象と具象のあいだ 162
・虚構世界の作り方 167
サウンド 168
テキスト 168
カットシーン 169
タイトル、説明書、パッケージ 169
ハプティクス 170
ルール 171
プレイヤーの行為と時間 171
うわさ 171
・任意選択的な世界と非整合的な世界 173
非整合的な世界 174
・ゲームにおける時間 175
抽象的ゲームにおける時間 176
虚構世界を持つリアルタイムゲーム 177
虚構世界を持つそのほかのゲーム 177
投影 178
カットシーンがある最近のゲーム 179
ゲームにおける時系列 180
『Adventure』と『Pong』 -- 整合的な時間かステージごとの時間か 182
へんてこな時間 -- ゲームの時間のルール破り 186
止まる世界 -- 主観的な時間? 190
時間の経験 191
・ゲームと物語 191
創発的物語とプレイヤーストーリー? 195
ゲームの時間 vs 物語の時間 196
プレイヤーと虚構世界 197
・ゲームにおけるフィクション 199
5. ルールとフィクション 201
・世界空間とゲーム空間 202
・半分現実のゲーム 206
・虚構世界を実装する -- 様式化されたシミュレーション 208
・剣で勝つためにパズルを解く -- 難易度の比喩 212
・ルールの理解を促すフィクション、フィクションの想像を促すルール 215
・ルールとフィクションの対立 -- 良い面と悪い面 217
透明な壁の向こうから -- プレイヤーを知っているキャラクタ 221
風刺 224
・ルールとフィクションが一致することはあるのか -- ビデオゲームにおける空間 224
・世界を実装することの問題 226
・ビデオゲームの青い矢印 227
・ゲームが意味するもの 228
道徳はどこにあるのか 229
『Monopoly』はなにを意味するのか 230
意味のある自動車事故 231
ルールとフィクションの相互作用 233
6. 結び 236
・古典的ゲームモデル 237
・半分現実 239
・ゲームのなかで 241
参考文献 243
索引 254
訳者あとがき 264
奥付 266