鷹鳥屋明著『私はアラブの王様たちとどのように付き合っているのか?』(2021)

 

“中東きっての有名日本人”の稀有な実体験から知る、私たちの知らないアラブ世界

豪奢な石油王、ラクダとともに生きる砂漠世界、はたまた暗殺者が横行する危険地帯ーー
これらステレオタイプともいうべき「中東」「アラブ」へのイメージは、
残念ながら日本において現実の中東世界への誤解や偏見の根源となっています。
本書は、中東に住む人々や文化への敬意と理解によってはからずも
“中東きっての有名日本人”となった著者が、
サウジアラビアの王族や中東有数の財閥子息たちとのお付き合いを通じて
身を以て体験した耳を疑うような数多の実話とともに、
私たち日本人が知らない魅力の溢れる中東世界へと誘います。
著者所蔵の貴重で豊富な現地写真とともに、いざ等身大(?)のアラブ世界へ!

第1章 アラブの王族について

Column 1 御用心! アラブの銀行から3億円振り込まれるって! 中東詐欺案件の見極め方

第2章 アラブの財閥と共に

Column 2 中東における日本製品の立ち位置

第3章 アラブにおける日本文化

Column 3 大使のアイドル化? 外交はSNSを活用する時代

第4章 日本人から見たアラブ文化【商品解説】

著者紹介

 

横倉祐貴,ジェフリ・フォーセット,土井琢身,瀧雅人著,初田哲夫,坪井俊編『数理は世界を創造できるか-宇宙・生命・情報の謎にせまる』(2021)

 

数理的な視点で探ると新たな世界がみえてくる!? ブラックホールにリンゴを入れるとどうなるの? ヒトの設計図はゴミくずだらけ? この世の物質の究極の構造は? 深層学習によって難攻不落な問題を解決できるの? ドキドキワクワクの研究の最前線へようこそ.

はじめに(初田哲男)

第1章 蒸発するブラックホール内部への旅――思考実験で遊ぶ現代物理学(横倉祐貴)
 1.1 旅の始まり
 1.2 情報問題――ブラックホールに入ったリンゴはどうなるのか?
 1.3 熱と時間――蒸気機関から時間の矢へ
 1.4 時間と空間の融合――若きアインシュタインの疑問
 1.5 量子力学――非常識な存在性と奇妙な世界
 1.6 一般相対性理論――時空は動く物理的実体である
 1.7 ブラックホール内部への旅――時空の真の姿を求めて
 1.8 未来への旅

第2章 複雑で多様な生物を文字と記号で表してみる――ゲノム科学と生物の進化(ジェフリ・フォーセット)
 2.1 はじめに――生物はそんな単純じゃないとかいわずに読んでみて
 2.2 文字にしたらどんないいことがあるの?――すべての生命に共通の言語
 2.3 文字と記号にしてしまえばどんな生物も一緒――すべての生命に共通の原理・原則
 2.4 文字と記号にしたら数学者がいっぱい釣れた――生命の多様性を説明する理論
 2.5 文字の並びだけじゃつまらんって!?――ゲノムから見た生命の多様性と不思議
 2.6 文字の並びだけじゃわからんって!?――ゲノムデータから知識を抽出するには
 2.7 文字数多いけどよく見たらコピペばっかり――DNAの重複と生物の進化
 2.8 おわりに――実際には生物はもっともっともっと複雑で

第3章 スパコンで解き明かす物質の究極構造――素粒子理論と計算科学(土井琢身)
 3.1 物質の謎を追い求めて
 3.2 極微の世界の秘密――原子の構造と量子力学
 3.3 原子核の謎――湯川理論の誕生
 3.4 対称性と保存則――数理の力で法則を探る
 3.5 物質の根本理論――クォークグルーオン量子色力学
 3.6 数理を支える計算の世界――スパコンはなぜ速いのか
 3.7 計算を支える数理の世界――高速アルゴリズムの驚異の力
 3.8 素粒子からひもとく原子核の謎――数理と計算で解き明かす
 3.9 20XX年宇宙の旅――クォークから原子核,そして宇宙へ

第4章 AIは賢くなるか――深層学習と情報科学(瀧 雅人)
 4.1 知識を抽出するツール――機械学習
 4.2 予言マシンをつくろう――機械学習
 4.3 学習――勾配降下法とバックプロパゲーション
 4.4 深層学習へのブレークスルー
 4.5 まだまだ深層学習は研究途上
 4.6 テクノロジーを支える数学

おわりに(坪井 俊)

 

築地正明著『わたしたちがこの世界を信じる理由-『シネマ』からのドゥルーズ入門』(2019)

 

ドゥルーズの映画論にして哲学的な頂点「シネマ」を論じながら、この世界と闘い、この世界を信じるための思考と倫理をさぐる俊英のデビュー作。「シネマ」からのドゥルーズ入門決定版。

第1章 仮構作用と生
第2章 映画と二十世紀の戦争
第3章 記憶と忘却、そして偽の力
第4章 真理批判―裁きと決別するために
第5章 自由間接話法と物語行為
第6章 民が欠けている
第7章 言葉とイマージュの考古学
第8章 精神の自動人形のゆくえ
結論 この世界を信じる理由―ユーモアと生成

 

関めぐみ著『〈女子マネ〉のエスノグラフィー-大学運動部における男同士の絆と性差別』(2018)

 

女性とスポーツの新たな関係はつくりだせるのか?

〈女子マネ〉の経験をエスノグラフィーとして描くことで,
その多様性を伝え,社会的に付与されている意味づけを変える。
そして「女子マネージャー」という制度を、新たな女性活躍の場として転換させる可能性を示す。

はじめに ―〈女子マネ〉とは誰なのか

序章   エスノグラフィーで〈女子マネ〉の経験を可視化させる
1.   〈女子マネ〉活動を活躍の場として再定義する
2.   スポーツ組織におけるセクシュアル・ハラスメント問題
3.   異性愛男性優位の関係構造である「ホモソーシャリティ
4.   関係構造の変容可能性はどこにあるのか―仮説の提示
5.   本書の構成

1 章   ハラスメントのないスポーツ組織を構想する ―理論と方法
1.   〈女子マネ〉はどのように論じられてきたのか ―先行研究の検討
2.   マネージャーと選手の対等な関係性を定義する ―主体位置と権力差
3.   ホモソーシャリティ再考―ハラスメントが発生する関係構造を可視化させる
4.   大学アメリカンフットボール部におけるフィールドワーク ―調査概要

I   「外部型」から「外部境界型」ホモソーシャリティへ ―X 大学の事例より―

2 章   組織の女性比率が0 %から約30%に変遷した場合 ―現役チームと先輩チームの比較
1.   チームの概要
2.   〈楽しむ〉ことを目標に ―参与観察にみる現役チーム
3.   〈厳しい代〉最後の経験者 ―N さん(OB 選手)の語りにみる先輩チーム
4.   《女子マネキャラではない》Aさんと涙を見せる主将 ―変容要因仮説の検証

3 章   「マネージャー」としての経験
1.   《私選んでここ来とんねん》 ―A さん(元チーフマネージャー)の場合
2.   《私はなんかおかんキャラ》 ―B さん(元チーフマネージャー)の場合
3.   《女子って感じが苦手》 ―Cさん(退部者)の場合
4.   《あの時ほんとに辞めてよかったんかな……》 ―D さん(退部者)の場合
5.   X 大学における「〈女子マネ〉型主体」と「母親代理型主体」の存在
まとめ ―X大学アメフト部にみる関係構造の変容可能性と限界

II   「外部境界型」から「内部境界型」ホモソーシャリティへ ―Y 大学の事例より―

4   章 組織の女性比率が約40%に達した場合 ―現役チームと先輩チームの比較
1.   チームの背景
2.   〈マネージャーシフト制〉のはじまり ―参与観察にみる現役チーム
3.   選手の〈ありがとう問題〉 ―S さん(OG マネージャー)の語りにみる先輩チーム
4.   外部男性トレーナーL さんと「専門性の強化」 ―変容要因仮説の検証

5 章   「トレーナー」としての経験
1.   《“フクドル"って呼ばれてて》 ―E さん(元チーフトレーナー)の場合
2.   《アクティブになりたかった》 ―F さん(元チーフトレーナー)の場合
3.   Y 大学における「才色兼備型主体」の存在と分化の影響
まとめ ―Y 大学アメフト部にみる関係構造の変容可能性と限界

III   「結合型」ホモソーシャリティという新たな関係構造の発見 ―Z 大学の事例より―

6 章   組織において「専門家」として位置づけられた場合 ―日本とカナダの比較
1.   カナダのスポーツ文化とアスレチックセラピスト
2.   Z 大学における制度的保障
3.   Z 大学におけるアスレチックセラピストの持つ権利
4.   Z 大学アメフト部における参与観察

7 章   「アスレチックセラピスト」としてのの経験
1.   《メンバーが学内でハラスメントをすることはない》 ―G さん(学生セラピスト)の場合
2.   《私はただ意地悪に振る舞わないといけません》 ―H さん(スタッフセラピスト)の場合
まとめ ―Z 大学アメフト部における関係構造から可能性を探る

終章   可視化させたの経験をどう生かしていくのか
1.   「専門性の強化」および「制度的保障」の可能性と「性別二元制」の限界
2.   組織内の位置を可視化させることで生まれる個人の「気づき」
3.   スポーツ組織における対等な関係性構築に向けた権利の保障
4.   本書の意義と今後の課題
5. まとめにかえて―ハラスメントへのこれからの抵抗

おわりに―私の研究のあゆみ

 

稲田豊史著『映画を早送りで観る人たちーファスト映画・ネタバレーコンテンツ消費の現在形』(2022)

 

なぜ映画や映像を早送り再生しながら観る人がいるのか――。
なんのために? それで作品を味わったといえるのか?
著者の大きな違和感と疑問から始まった取材は、
やがてそうせざるを得ない切実さがこの社会を覆っているという
事実に突き当たる。一体何がそうした視聴スタイルを生んだのか?
いま映像や出版コンテンツはどのように受容されているのか?
あまりに巨大すぎる消費社会の実態をあぶり出す意欲作。

序章 大いなる違和感

第1章 早送りする人たち
――鑑賞から消費へ

第2章 セリフで全部説明してほしい人たち
――みんなに優しいオープンワールド

第3章 失敗したくない人たち
――個性の呪縛と「タイパ」至上主義

第4章 好きなものを貶されたくない人たち
――「快適主義」という怪物

第5章 無関心なお客様たち
――技術進化の行き着いた先

おわりに

 

小川哲著『ゲームの王国』(2017→2019)

 

 

サロト・サル―後にポル・ポトと呼ばれたクメール・ルージュ首魁の隠し子とされるソリヤ。貧村ロベーブレソンに生を享けた、天賦の智性を持つ神童のムイタック。皮肉な運命と偶然に導かれたふたりは、軍靴と砲声に震える1975年のカンボジア、バタンバンで出会った。秘密警察、恐怖政治、テロ、強制労働、虐殺―百万人以上の生命を奪ったすべての不条理は、少女と少年を見つめながら進行する…あたかもゲームのように。

 

空井護著『デモクラシーの整理法』(2020)

 

政治の主役である私たちは、デモクラシーについて十分に納得できているか。政治とは何かから始め、デモクラシーとはいかなる政治の仕組みか、「古典風」と「現代風」という二つのタイプをいかに使い分けるかを、筋道を立てて解き明かしていく。多義的になりがちなデモクラシーをスッキリと整理して理解するコツを伝授する骨太な一冊。

序 章
 一 本書の目的
 二 本書の構成

第一章 収納――政府・政治・政治体制
 一 政府と政府的共同体
 二 政策と政治
 三 政治体制と政治体制型
 
第二章 整理Ⅰ――デモクラシーの組み立て
 一 ふたつのデモクラシー
 二 古典デモクラシー
 三 現代デモクラシー
 四 デモクラシーと自由の関係

第三章 整理Ⅱ――民主体制の整列
 一 序列の解消
 二 民主体制の使い分け
 三 デフォルトとしての混合型民主体制

終 章
 一 デモクラティズムの諸相――整理法の整理のために
 二 ふたたび本書の目的について――結語にかえて

引用・参照文献
あとがき

31 マンサー・オルソン, "Dictatorship, Democracy, and Development" 「居座り盗賊集団」論,「この論文の主眼は、そのタイトルに示されるように、盗賊集団による「独裁制」から「デモクラシー」への移行をもたらし、さらにそのもとで経済的な「発展」が可能になるロジックを明らかにすることにあった」