松浦寿輝著『エッフェル塔試論』(1995→2000)

 

古典的な「表象」の崩壊に代わって「イメージ」の出現という出来事が成立する時点において、恐らくエッフェル塔とは、西欧の表象空間に起きたこの地の竣工の日付をこの認識論的断層の上に重ね合わせることが可能であるように思える。エッフェル塔の伝記を辿ってゆくとき、こうした「近代」的な「イメージ」の生成過程と、それを可能ならしめた文化的・社会的・政治的力学の諸条件が、或る模範的な姿で浮かび上がってくる。近代と表象とをめぐるさまざまな問題を体現した特権的な塔を透徹した論理と輝かしくも華麗なエクリチュールで徹底的に読み解く記念碑的力作。

序章 「無用性」の美学のために
第1部 三百メートルの鉄塔
第2部 階級と地政学
第3部 相似・反復・投射
終章 「近代」あるいは未了の空位

 

山本貴光, 吉川浩満著『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。-古代ローマの大賢人の教え』(2020)

 

仕事、進路、人間関係……。尽きない悩みも、古代の賢人に学べば、みるみる氷解。不安をなくし、自分でできることを拡張するためのヒントに満ちた人生哲学の書!

プロローグ 人生の教師 エピクテトス―元祖・自己啓発哲学者
第1章 悩みのカタログ『人生談義』の世界―「なんで私が打ち首に?」
第2章 エピクテトス哲学の根本原理―権内と権外の区別
第3章 降臨!エピクテトス先生。上司にムカつく30代男性の相談に答える!
第4章 理性を働かせよ!―理性的能力のユーザーズガイド
第5章 哲学の訓練―幸福を呼ぶトレーニン
第6章 再降臨!エピクテトス先生、見えない未来をどう選んだらいいですか?
第7章 ストア哲学の世界―論理学、自然学、倫理学
第8章 エピクテトス先生をアップデートする
エピローグ 真実も幸福もエピクテトスの徒として生きる

 

稲葉振一郎著『増補 経済学という教養』(2004→2008)

 

経済学という教養 (ちくま文庫)

経済学という教養 (ちくま文庫)

 

誰しも「経済」と無縁には生きられない。だからこそ、経済学の基本ぐらいは押さえておきたい。経済学の主流たる「新古典派」、これに対抗してきた「マルクス経済学」──。こうした経済学のエッセンスを、数学を一切用いず、分かりやすく解説。新たに書き下ろされた補章では経済成長について再論する。本書は「素人の、素人による、素人のための経済学入門」である。

第1章 こういう人は、この本を読んで下さい
第2章 出発点としての「不平等化」問題
第3章 素人の、素人による、素人のための、経済学入門
第4章 日本経済論の隘路
第5章 左翼のはまった罠
第6章 市場経済と公益
第7章 マルクス経済学への最初にして最後の一歩
第8章 経済学と公共性
補章 「経済成長擁護論」再び

 

野崎歓著『ジャン・ルノワール 越境する映画』(2001)

 

ジャン・ルノワール 越境する映画

ジャン・ルノワール 越境する映画

  • 作者:野崎 歓
  • 発売日: 2001/04/01
  • メディア: 単行本
 

遺された貴重な書簡を道しるべに、世界最高の映画作家ルノワールの亡命と越境の後半生を濃密に綴る、友愛の20世紀映画史。

第1章 国境の彼方へ
第2章 亡命者たち
第3章 タイクーンとの戦い
第4章 新世界にて
第5章 インドへの道
第6章 女たち
第7章 フランス再創造
第8章 新しい波
第9章 作家の誕生
第10章 最後の手紙

 

メイソン・ガリー著, 金原瑞人, 石田文子訳『天才たちの日課-クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々』(2014)

 

小説家、詩人、芸術家、哲学者、研究者、作曲家、映画監督…彼らはどうクリエイティブを保っていたか?161人の天才たちの「意外?」「納得!」な毎日の習慣。

 

桜井厚著『インタビューの社会学-ライブストーリーの聞き方』(2002)

 

本書では、語り手の声が紡ぎ出す一個人の主観的な意味やアイデンティティをできるだけすくい取り、インタビュアーとの相互行為を通して社会や文化の変動を読み解くライフストーリーの技法を永年にわたるフィールドワークの実践から解き明かす。 

1 ライフストーリーとは何か―歴史とアプローチ
2 社会関係としてのインタビュー
3 相互行為としてのライフストーリー
4 ライフストーリーの解釈
5 ライフストーリーの社会的脈絡

 

斎藤環著『フレーム憑き-視ることと症候』(2004)

 

フレーム憑き―視ることと症候

フレーム憑き―視ることと症候

  • 作者:斎藤 環
  • 出版社/メーカー: 青土社
  • 発売日: 2004/06/01
  • メディア: 単行本
 

映像の“真実”はどこへ行ったか。“リアル”はフレームに宿る。映画・アニメ・漫画などの視覚表現に現れた隠喩構造の変容を精神分析理論と臨床経験を武器に読み解き、解離・ひきこもり時代の症候をあぶりだす。

第1部 視ることのフレーム性―視覚新論
第2部 映画の症候を読む(内面の喪失、人格の明るい病
回帰するトラウマ、解離の現在
去勢、欲望の不可能性
対象喪失、真理と救済)
第3部 アニメーションの享楽
第4部 Jコミックの快楽