映画

渡邉大輔著『新映画論 ーポストシネマ』(2022)

新映画論 ポストシネマ (ゲンロン叢書) 作者:渡邉 大輔 株式会社ゲンロン Amazon あらゆる動画がフラットに流通する時代に、映像を語ることが意味するものは? サイレントから応援上映までを渉猟し、ポストシネマの美学を切り拓く。『新記号論』『新写真論』…

森本光「レーマンによるヒッチコック――『北北西に進路を取れ』のダイアローグ分析」『映像学』2024 年 111 巻 p. 28-46

【リンク】 本稿は、アルフレッド・ヒッチコック監督の映画『北北西に進路を取れ』(1959)について、この作品のオリジナル脚本を手がけたアーネスト・レーマンの仕事を評価しつつ、そのダイアローグの言語的な地平に光を当てようという試みである。従来、ヒ…

岡田秀則著『映画という《物体X》ーフィルム・アーカイブの眼で見た映画』(2016)

映画という《物体X》 フィルム・アーカイブの眼で見た映画 (立東舎) 作者:岡田 秀則 立東舎 Amazon 過去の文化遺産を保存・運用する「アーカイブ」。その仕事は現在ますます注目を集め、21世紀は「アーカイブの時代」とも呼べるでしょう。本書は、そのアーカ…

是枝裕和他編著『いま、映画をつくるということ ー日本映画の担い手たちとの21の対話』(2023)

いま、映画をつくるということ 日本映画の担い手たちとの21の対話 作者:是枝裕和,土田環,安藤紘平,岡室美奈子,谷昌親,長谷正人,藤井仁子,青山真治,芦澤明子,大九明子,大友啓史,大林宣彦,奥寺佐渡子,菊地健雄,岸善幸,空族,富田克也,相澤虎之助,黒沢清,周防正…

安藤紘平他編『映画の言葉を聞くー早稲田大学『マスターズ・オブ・シネマ』講義録』(2018)

映画の言葉を聞く 早稲田大学「マスターズ・オブ・シネマ」講義録 フィルムアート社 Amazon 多彩な映像制作者たちをゲストに招き、制作にまつわる様々な事柄を語る早稲田大学の人気講義「マスターズ・オブ・シネマ」。本書は、2016年度、2017年度の全授業に…

阿部嘉昭著『黒沢清、映画のアレゴリー』(2019)

黒沢清、映画のアレゴリー 作者:嘉昭, 阿部 幻戯書房 Amazon 黒沢清=カフカ+ベンヤミン?世界的寓話作家の運動・機械・美人を徹底解析!この本で黒沢映画の見方が変わる 序章 アレゴリーについて第1章 代理と交換―『神田川淫乱戦争』『ドレミファ娘の血は騒ぐ…

ノエル・キャロル著,高田敦史訳『ホラーの哲学ーフィクションと感情をめぐるパラドックス』(1990=2022)

ホラーの哲学 フィクションと感情をめぐるパラドックス 作者:ノエル・キャロル フィルムアート社 Amazon なぜ、「怖い」のに「見たい」のか?なぜ、存在しないものを怖がるのか? ここから、ホラーの哲学は始まった。ホラーの哲学を初めて理論化した革新的著…

蓮實重彥著『齟齬の誘惑』(1999→2023)

齟齬の誘惑 (講談社学術文庫) 作者:蓮實重彦 講談社 Amazon 「社会とは、いくつもの齟齬感や、違和感や、隔たりの意識が複雑に交錯しあう苛酷な空間にほかなりません」――。東大生の心を慄(ふる)わせた伝説の入学式式辞のほか、大学は知と人が行き交い別れ…

青山太郎著『中動態の映像学 - 東日本大震災を記録する作家たちの生成変化』(2022)

中動態の映像学 作者:青山 太郎 堀之内出版 Amazon 酒井耕・濱口竜介、鈴尾啓太、小森はるか――震災を記録してきた3組の作家たちの実践から、映像メディア理論の新境地を開く。 今日のメディア・テクノロジーは、世界のあれこれの出来事をほとんどリアルタイ…

蓮實重彦著『ゴダール革命〔増補決定版〕』(2005→2023)

ゴダール革命〔増補決定版〕 (ちくま学芸文庫 ハ-1-10) 作者:蓮實 重彦 筑摩書房 Amazon いつ炸裂するかわからない時限爆弾として映画があるとするならば、ジャン=リュック・ゴダールの作品はいかなる条件のもとにそうであるのか、あるいはそうでないのか。…

大野純子「コンテンツファイナンスの現状 : 日米の映画ファイナンス手法の比較を通して」『芸術工学研究』7, 63-73, 2007

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ポーリン・ケイル著, 山田宏一, 柴田元幸他訳『明かりが消えて映画がはじまる - ポーリン・ケイル映画評論集』(2003)K

明かりが消えて映画がはじまる -ポーリン・ケイル映画評論集 作者:ポーリン ケイル 草思社 Amazon 辛辣な語り口で鳴らした米国の名物女流評論家による名画評論。アルトマン、デ・パルマなど有名監督の映画評に加え傑作エッセイ「ケーリー・グラント論」を収…

蓮實重彥著『言葉はどこからやってくるのか』(2020)

言葉はどこからやってくるのか: 小説・随想・論文 作者:重彦, 蓮實 青土社 Amazon 「バルトのように、記号としての言語を呼吸しながら、それを括弧に括ったりせず、それをいたわりつつ酷使せずに書くことができたら……」書くことに向かうすべての人へ。 Ⅰ1 三…

金井久美子,金井美恵子著『鼎談集 金井姉妹のマッド・パーティーへようこそ』(2021)

鼎談集 金井姉妹のマッド・ティーパ-ティーへようこそ 作者:金井久美子,金井美恵子 中央公論新社 Amazon 蓮實重彦、大岡昇平、西江雅之、篠山紀信ら9人のゲストを迎えてくり広げられる知的興奮に満ちた鼎談集。相手への敬意と、尊敬とちょっぴりの揶揄……。会…

『ユリイカ 2022年9月号』「特集 Jホラーの現在-伝播する映画の恐怖」

ユリイカ2022年9月号 特集=Jホラーの現在 ―伝播する映画の恐怖― 作者:高橋洋,大島清昭,小中千昭,佐々木友輔,田辺青蛙,かぁなっき,寺内康太郎,皆口大地 青土社 Amazon ❖インタビュー恐怖の感覚のありか / 高橋洋 聞き手=宮本法明 ❖どこから来たのか、どこへ…

斉藤綾子「逡巡――批評的思考と実践におけるためらいの擁護に向けて」『映像学』2022年 108巻 p.9-15

【リンク】 堀, 木原編『映画論の冒険者たち』 映画論の冒険者たち 東京大学出版会 Amazon

角井誠「映像学のアプローチ」『映像学』2022年 108巻 p.5-8

【リンク】

築地正明著『わたしたちがこの世界を信じる理由-『シネマ』からのドゥルーズ入門』(2019)

わたしたちがこの世界を信じる理由: 『シネマ』からのドゥルーズ入門 作者:築地正明 河出書房新社 Amazon ドゥルーズの映画論にして哲学的な頂点「シネマ」を論じながら、この世界と闘い、この世界を信じるための思考と倫理をさぐる俊英のデビュー作。「シネ…

稲田豊史著『映画を早送りで観る人たちーファスト映画・ネタバレーコンテンツ消費の現在形』(2022)

映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~ (光文社新書) 作者:稲田 豊史 光文社 Amazon なぜ映画や映像を早送り再生しながら観る人がいるのか――。なんのために? それで作品を味わったといえるのか?著者の大きな違和感と…

クリストファー・ケンワーシー著、吉田俊太郎訳『マスターショット100 -低予算映画を大作に変える撮影術』(2009=2011)

マスターショット100 作者:クリストファー・ケンワーシー フィルムアート社 Amazon 映像制作における様々なプロセスのうち、最も現場での「即断力」が求められるのがカメラワーク。本書では、実際の映画シーンをサンプルとしながら、100通りものショットの方…

岡田温司著『映画と黙示録』(2019)

映画と黙示録 作者:岡田 温司 みすず書房 Amazon 〈もしもこの世界に終わりがあるとしたら、それはいつごろどんな風にやってくるのだろうか。それを克明かつ想像力豊かに記したのが、紀元後一世紀の末に書かれたとされる『ヨハネの黙示録』である。西洋にお…

長谷正人「近藤和都著『映画館と観客のメディア論――戦前期日本の「映画を読む/書く」という経験』」『社会学評論』2021年, 71巻, 4号, p. 743-744

【リンク】

【書評】田辺秋守「築地正明著『わたしたちがこの世界を信じる理由 『シネマ』からのドゥルーズ入門』」『映像学』2021年, 105巻, p.112-116

わたしたちがこの世界を信じる理由: 『シネマ』からのドゥルーズ入門 作者:築地正明 河出書房新社 Amazon

辰已知広「テクストとしての映画衣裳―『憎いあンちくしょう』を事例に」『映像学』2021年, 106巻, p.98-119

【本文】 森英恵は1954年より日活を筆頭に、複数の映画会社のために衣裳デザイン並びに製作を行い、映画産業に大きく貢献した。衣裳は照明や音楽と同様、製作において高い技術が求められるとともに、映画の印象を決定付ける重要な要素である。本稿は森の仕事…

前川修「コロナの写真映像?」『映像学』2021年, 106巻, p.25-33

【本文】

光岡寿郎「コロナとスクリーン : 新型コロナウイルス禍におけるメディア接触の変容と日常性」『コミュニケーション科学』2021年, 53号, p.171-189

【本文】

近藤和都「アクシデントとインフラストラクチャー」『映像学』2021 年 106 巻 p. 8-17

【本文】

渡邉大輔「「見ること」のインフラストラクチャー」『映像学』2021年, 106巻, p.5-7

【本文】

小倉健太郎「アニメ・マシーンとしてのフライシャーの回転式撮影台」『映像学』2021年, 105巻, p.5-26

【本文】 日本のアニメを論じる際に、しばしば強調されてきたのが平面性だ。アニメの平面性を強調する議論は枚挙にいとまがない。こうした議論では、アニメの平面性はときに日本の伝統美術と結び付けられ、日本固有の性質とされる。日本文化研究者のトーマス…

【書評】長谷正人「光岡寿郎・大久保遼編『スクリーン・スタディーズ――デジタル時代の映像/メディア経験』」『社会学評論』2020年, 70巻, 4号, p.413-414

【本文】