映画

鳩飼未緒「日活ロマンポルノと女性観客ー『実録阿部定』が示す親和性」『映像学』2016年, 96巻, p.27-47

【本文】 本稿は日活ロマンポルノの田中登監督作、『実録阿部定』(1975 年)を論じる。異性愛者の男性観客をターゲットに製作され、同時代的にはほぼ男性のみに受容された本作が、想定されていなかった女性観客との親和性を持ち、家父長主義的なジェンダー…

紙屋牧子「最初期の「皇室映画」に関する考察: 隠される/晒される「身体」」『映像学』2018年, 100巻, p.32-52

【本文】 本稿は最初期の皇室映画(天皇・皇族を被写体とした映画)に焦点をあてる。昭和天皇(当時は皇太子)が1921年に渡欧した際、国内外の映画会社・新聞社によって複数の「皇太子渡欧映画」が撮影され、それが画期的だったということは、これまで皇室研…

蓮實重彥著『見るレッスン-映画史特別講義』(2020)

見るレッスン 映画史特別講義 (光文社新書 1107) 作者:蓮實 重彥 発売日: 2020/12/15 メディア: 新書 見る上で重要なのは、異質なものに晒され、葛藤すること。映画は自分の好きなものを、他人の視点など気にせずに自由に見ればいい。ただし、優れた映画には…

小河原あや「ヒッチコック『ロープ』の長廻し移動撮影とショット繋ぎにおける「精神/道徳的」表現 ーロメール&シャブロルの議論を導き手に」『映像学』2014年, 93巻, p.23-40,94-95

【本文】 Hitchcock's famous use of long takes and a tracking camera in Rope (1948) was criticized by Truffaut and others as being a rejection of montage. Hitchcock himself considered the film 'pure cinema' - the movement of camera and perf…

鈴木啓文「カサヴェテス作品に見る揺れ動く情動、変様する身体 ーもう一つのスピノザ-ドゥルーズ的な映画身体」『映像学』2018年, 100巻, p.73-91

【本文】 従来、映画のショック体験がしばしば論じられてきた。対して、本論は触発し変様する映画身体の体験を考える。そのためにまず、ショック体験やイメージの強度的体験を重視するドゥルーズの『シネマ』とドゥルーズ的な映画身体論を確認する。そのうえ…

安部孝典「トリュフォー映画における死のイメージ再考」『映像学』2020年, 104巻, p.179-197

【本文】 フランソワ・トリュフォーの映画で描かれる人物の死は、写真や肖像画のような不動化されたイメージとしばしば関連づけられ論じられてきた。しかし、トリュフォー作品に見られる死のイメージは静的なイメージだけではなく、ある種の運動状態にあるイ…

真鍋公希「『空の大怪獣ラドン』における特撮の機能 ー怪獣映画の「アトラクション」をめぐって」『映像学』2018年, 99巻, p.25-45

【本文】 円谷英二が特技監督を務めた『空の大怪獣ラドン』(1956 年、以下『ラドン』)は、公開当時から高く評価されている作品である。しかし、特撮映画に関する先行研究は『ゴジラ』(1954 年)ばかり注目してきたため、本作はほとんど分析されてこなかっ…

玉田健太「夢の交点/欲望の対立 ヴィンセント・ミネリ ー『ボヴァリー夫人』のニューロティック・ワルツ」『映像学』2016年, 96巻, p.48-67

【本文】 本論文はヴィンセント・ミネリ監督による1949 年公開のハリウッド映画『ボヴァリー夫人』について論じる。本作は先行研究において、ヒロインであるエマの欲望とその抑圧を中心に論じられてきた。それに対して本論文は、フローベールによる原作小説…

馬定延「スクリーンとポストプロダクション:現代美術の映像表現をめぐって」『映像学』2019年, 102巻, p.6-13

【本文】

関口敦仁「“ザイケン”からみる日本の現代美術での映像表現の受容」『映像学』2019年, 102巻, p.14-23

【本文】

木原圭翔「『サイコ』における予期せぬ秘密『ヒッチコック劇場』と映画観客」『映像学』2017年, 97巻, p.24-43

【本文】 リンダ・ウィリアムズが2000年に発表した「規律訓練と楽しみ――『サイコ』とポストモダン映画(“Discipline and Fun: Psycho and Postmodern Cinema”)」は、ミシェル・フーコーによる「規律訓練(discipline)」の概念を援用しながら『サイコ』(Ps…

大﨑智史「映像のなかのスクリーン リアプロジェクションをもちいた多層的映像をめぐって」『美学』2018年, 69巻, 2号, p.37-

【本文】 Rear projection is one of the most frequently used compositing techniques in Hollywood cinema from the 1930s to the late 1960s. Nevertheless, this technique has been hitherto underestimated. Of the scarce existing research, some s…

具慧原「1930年代の批評言説からみる小津映画の「日本的なもの」」『映像学』2020年, 104巻, p.31-50

【本文】 小津の「日本的なもの」は、彼の戦後作品が1970年代にアメリカの論者たちによって伝統的なものと解釈されて以来、盛んに議論された。しかし従来の研究は主に表象の分析に偏っているため、小津を初めて「日本的」と評価した1930年代の議論の全貌は十…

福島可奈子「玩具映画産業の実態とその多様性 ライオン、ハグルマ、孔雀、キング、朝日活動、大毎キノグラフ」『映像学』2019年, 101巻, p.134-154

【本文】 玩具映画産業の実態とその多様性について、大正末から昭和15年頃までの玩具映画全盛期の業界大手6 社の業態とその傾向性の差異を、玩具映写機やフィルムなどの史料分析により実証的に論じる。 玩具映画とは、戦前を中心に存在した子供用35㎜フィル…

今井瞳良「日活ロマンポルノに現れた「団地妻」―白川和子と団地妻イメージ―」『映像学』2019年, 102巻, p.137-154

【本文】 本稿は、白川和子が主演した日活ロマンポルノの団地妻シリーズ『団地妻昼下りの情事』( 西村昭五郎監督、1971 年 ) と『団地妻 しのび逢い』(西村昭五郎監督、1972 年)の分析を通して、「団地妻」が「密室に籠る団地妻」からの解放を模索していた…

雑賀広海「落下と反復のスペクタクル ー『プロジェクトA』と『ポリス・ストーリー/香港国際警察』における肉体性と形象性」『映像学』2019年, 101巻, p.49-68

【本文】 本論文は、ジャッキー・チェンの落下に注目する。先行研究では、危険なス タントを自ら実演することによって、身体の肉体的真正性が強調されるという 側面が論じられてきた。しかし、『プロジェクト A』(1983)や『ポリス・ス トー…

斉藤綾子「映像のフェミニズムについて私の知っている2, 3の事柄」『映像学』2020年, 103巻, p.7-14

【本文】

早川由真「顔のない殺人者― リチャード・フライシャー『見えない恐怖』における〈盲者の視点ショット〉とキャラクターの生成」『映像学』2019年, 102巻, p.75-93

【本文】

河原大輔「ポスト古典期における映画様式に関する試論 ーデイヴィッド・リンチ『ブルー・ベルベット』のテクスト分析」『映画研究』2019年, 1巻, p.1-20

【本文】

近藤和都「スクリーンの「移ろいやすさ」を制御するー戦時下日本の映画上映をめぐる規格化の諸相」『社会学評論』2019年, 69巻, 4号, p. 485-501

【本文】 スクリーンにおける映像の現れ方は,たとえば映画であれば「映写機・フィルム・スクリーン」といった器機の複合およびそれらを操作する主体の技法本稿では器機と技法を包括する語として〈技術〉を用いるの節合関係に応じて変容せざるをえない.この…

万田邦敏著『再履修 とっても恥ずかしゼミナール』(2009)

再履修とっても恥ずかしゼミナール 作者:万田 邦敏 メディア: 単行本(ソフトカバー) ◎1980年代に「月刊イメージフォーラム」誌で連載した傑作エッセイ「とっても恥ずかしゼミナール」を中心に、映画の魅力や映画作りの裏側をユーモアたっぷりに紹介した批…

吉田眸著『ドアの映画史-細部からの見方、技法のリテラシー』(2011)

ドアの映画史―細部からの見方、技法のリテラシー 作者:眸, 吉田 発売日: 2011/04/07 メディア: 単行本 ドアは内開きか、外開きか?気づかないほどさりげない細部の演出や技法に、映画を読み解く鍵がある。ストーリー中心主義を超え、映画の魔法に迫る。 扉と…

野崎歓著『ジャン・ルノワール 越境する映画』(2001)

ジャン・ルノワール 越境する映画 作者:野崎 歓 発売日: 2001/04/01 メディア: 単行本 遺された貴重な書簡を道しるべに、世界最高の映画作家ルノワールの亡命と越境の後半生を濃密に綴る、友愛の20世紀映画史。 第1章 国境の彼方へ第2章 亡命者たち第3章 タ…

斎藤環著『フレーム憑き-視ることと症候』(2004)

フレーム憑き―視ることと症候 作者:斎藤 環 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2004/06/01 メディア: 単行本 映像の“真実”はどこへ行ったか。“リアル”はフレームに宿る。映画・アニメ・漫画などの視覚表現に現れた隠喩構造の変容を精神分析理論と臨床経験を武…

藤木秀朗著『映画観客とは何者か-メディアと社会全体の近現代史』(2019)

映画観客とは何者か―メディアと社会主体の近現代史― 作者:藤木 秀朗 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会 発売日: 2019/02/22 メディア: 単行本 民衆・国民・東亜民族・大衆・市民 ——。映画館でシネマを観る「数」であるにとどまらず、映画や社会と多様な関係…

てらさわホーク著『マーベル映画究極批評-アベンジャーズはいかにして世界を征服したのか?』(2019)

マーベル映画究極批評 アベンジャーズはいかにして世界を征服したのか? 作者: てらさわホーク 出版社/メーカー: イースト・プレス 発売日: 2019/04/17 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 忖度なし! 誰も書けなかった本邦“初”の「…

クリストファー・ボグラー, デイビッド・マッケナ著, 府川由美恵訳『物語の法則-強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術』(2011→2013)

物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術 作者: クリストファー・ボグラー,デイビッド・マッケナ,府川由美恵 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス 発売日: 2013/09/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (7件)…

光岡寿郎, 大久保遼編著『スクリーン・スタディーズ-デジタル時代の映像/メディア経験』(2019)

スクリーン・スタディーズ: デジタル時代の映像/メディア経験 作者: 光岡寿郎,大久保遼 出版社/メーカー: 東京大学出版会 発売日: 2019/01/30 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「写真」「映画」「テレビ」あるいは「携帯電話」といった「ジャ…

ジョン・ウォーターズ著, 柳下毅一郎訳『ジョン・ウォーターズの悪趣味映画作法』(1995=1997)

ジョン・ウォーターズの悪趣味映画作法 作者: ジョンウォーターズ,John Waters,柳下毅一郎 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2004/05/01 メディア: 単行本 クリック: 16回 この商品を含むブログ (9件) を見る 伝説のカルト映画『ピンク・フラミンゴ』で俗悪…

安井豊作著『シネ砦炎上す』(2011)

シネ砦 炎上す 作者: 安井豊作 出版社/メーカー: 以文社 発売日: 2011/12/07 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 36回 この商品を含むブログ (4件) を見る 青山真治、黒沢清、佐藤真、塩田明彦、篠崎誠、諏訪敦彦、高橋洋、万田邦敏・・・・・世界に飛翔…