論文

小倉健太郎「アニメ・マシーンとしてのフライシャーの回転式撮影台」『映像学』2021年, 105巻, p.5-26

【本文】 日本のアニメを論じる際に、しばしば強調されてきたのが平面性だ。アニメの平面性を強調する議論は枚挙にいとまがない。こうした議論では、アニメの平面性はときに日本の伝統美術と結び付けられ、日本固有の性質とされる。日本文化研究者のトーマス…

【書評】宮原浩二郎「池上賢著『“彼ら” がマンガを語るとき,――メディア経験とアイデンティティの社会学』」『社会学評論』2019年, 70巻, 3号, p.284-285

【本文】

【書評】長谷正人「光岡寿郎・大久保遼編『スクリーン・スタディーズ――デジタル時代の映像/メディア経験』」『社会学評論』2020年, 70巻, 4号, p.413-414

【本文】

古賀光生「西欧の右翼ポピュリスト政党の台頭は、「文化的な反動」 によるものであるのか? ―政策の比較分析から検討する」『年報政治学』2019年, 70巻, 2号, p. 2_84-2_108

【本文】 本稿は、西欧における右翼ポピュリスト政党の 「文化的な」 争点への態度を検討する。ノリスとイングルハートによる有力な先行研究 (Pippa Norris and Inglehart 2019) は、「権威主義的なポピュリスト」 の支持拡大は、脱物質主義的な価値観の主流…

今井貴子「成熟社会への掣肘 ―イギリスのEU離脱をめぐる政治社会」『年報政治学』2019年, 70巻, 2号, p. 2_58-2_83

【本文】 欧州連合 (EU) からの離脱を決した2016年国民投票後、イギリスは妥協を排除するような 「情動的分極化」 に陥っているといわれている。それは階級的亀裂や排外主義は後景に退くとさえ論じられた 「成熟社会」 への劇的な掣肘であったといえよう。本…

山崎望「「成熟社会論」 から 「ケアの倫理とラディカルデモクラシーの節合」 へ ―「新自由主義―権威主義」 への対抗政治構想」『年報政治学』2019年, 70巻, 2号, p. 2_13-2_35

【本文】 新自由主義と権威主義的ポピュリズムに対して、現在、自由民主主義は有効性と正統性の二つの側面で、危機に直面している。第1章で自由民主主義の危機について論じる。第2章では、成熟社会論を手掛かりに、自由民主主義の有効性と正統性が危機に陥っ…

森真一「心理主義化社会のニヒリズム『社会学評論』2011年, 61巻, 4号, p.404-421

【本文】 本稿の目的は,心理主義化社会とニヒリズムの関係を明らかにすることである.この目的を果たすため,本稿はA. ギデンズの『モダニティと自己アイデンティティ(MSI)』(以下MSIと略す)を心理主義化論として読み,彼が提起する問題を出発点とする…

片桐雅隆, 樫村愛子「「心理学化」社会における社会と心理学/精神分析」『社会学評論』2011年, 61巻, 4号, p.366-385

【本文】 本稿の前半では,心理学化する社会論の前史として,社会学の歴史の中で,社会学と心理学/精神分析との関連を跡づけた.1.1の「創設期の社会学と心理学」では,創設期の社会学の方法の中で,心理学がどのような位置にあったかを明らかにする.1.2の…

池本淳一「武術学校のエスノグラフィー再生産戦略とアイデンティティ構築の視点から」『社会学評論』2013年, 64巻, 2号, p.169-186

【本文】 武術学校とはスポーツ化した「競技武術」の専門課程をもつ中国における私立の体育系学校であり, 1980年代までの間に大学やナショナルチームを中心に発展してきた. 本稿は武術学校における再生産戦略とアイデンティティ構築に着目し, 競技武術の民間…

牧野智和「「自己」のハイブリッドな構成について考える」『ソシオロゴス』2017年, 41号, p.36-57

【pdf】 自己のあり方、その行為者性のあり方に「モノ」はいかに関係するのか。本稿ではアクターネットワーク理論(ANT)と統治性研究を手がかりにして、自己とモノ、人間と非人間の関係性を考察する視点の錬磨を試みるものである。人間と非人間の関係は科学…

斎藤幸平著『人新世の「資本論」』(2020)

人新世の「資本論」 (集英社新書) 作者:斎藤幸平 発売日: 2020/10/16 メディア: Kindle版 人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利…

鳩飼未緒「日活ロマンポルノと女性観客ー『実録阿部定』が示す親和性」『映像学』2016年, 96巻, p.27-47

【本文】 本稿は日活ロマンポルノの田中登監督作、『実録阿部定』(1975 年)を論じる。異性愛者の男性観客をターゲットに製作され、同時代的にはほぼ男性のみに受容された本作が、想定されていなかった女性観客との親和性を持ち、家父長主義的なジェンダー…

宮入恭平著『ライブカルチャーの教科書ー音楽から読み解く現代社会』(2019)

ライブカルチャーの教科書 音楽から読み解く現代社会 作者:恭平, 宮入 発売日: 2019/07/29 メディア: 単行本 日本の音楽シーンを牽引するライブ文化。その要点を読み解くために「メディア」「産業」「法律」「教育」などの視点を解説したうえで、フェスやレ…

紙屋牧子「最初期の「皇室映画」に関する考察: 隠される/晒される「身体」」『映像学』2018年, 100巻, p.32-52

【本文】 本稿は最初期の皇室映画(天皇・皇族を被写体とした映画)に焦点をあてる。昭和天皇(当時は皇太子)が1921年に渡欧した際、国内外の映画会社・新聞社によって複数の「皇太子渡欧映画」が撮影され、それが画期的だったということは、これまで皇室研…

井上宏「大阪の「笑いの文化」について : 大阪人の生活文化と笑い」『フォーラム現代社会学』2006年, 5巻, p.57-68

【本文】 大阪とはどんな街なのか、「文化」の側面から考えるとき、「笑いの文化」を抜きにして大阪を論じることはできない。大阪では、漫才や落語、喜劇などの「笑いの芸能文化」が盛んであるばかりでなくて、大阪人の生活のなかに、暮らしの仕方の中に「笑…

圓田浩二「ポケモンGO大規模イベントで地域興し・観光誘致は可能か? : ポケモンGOの社会学(5) 」『沖縄大学法経学部紀要』no.30, p.25-39

【本文】 本稿ではポケモンGOを利用した「地域興し・観光誘致は可能か?」という問題を考察する。地方自治体は、各地でポケモンGOのもつ知名度とユーザー数の多さを利用して、地域限定短期集中型イベントを行っている。筆者のフィールド調査と、ネットの記事…

吉武理大「離婚の世代間連鎖とそのメカニズム ―格差の再生産の視点から」『社会学評論』2019年, 70巻, 1号, p.27-42

【本文】 米国の家族研究では,親の離婚経験が,子どもの教育達成や社会経済的地位達成の不利,成人期の貧困や格差の再生産につながりうること,子ども自身の離婚という形で離婚の世代間連鎖が生じていることが明らかになっている.日本でも近年離婚を経験す…

鈴木鉄忠「惑星社会における「日常生活の網の目」の探究─“うごきそのものへ”にむけた方法論の検討─」『中央大学社会科学研究所年報』2017年, 21巻, pp.97-116

【本文】 This article tries to elaborate a methodological framework for understanding the potential for social movement in networks of everyday life. Based on the discussion of the “planetary society(” Melucci 1996) ⊖a society completely i…

富永健一「産業主義の思想と戦後日本の社会」『社会学評論』2008年, 59巻, 1号, p.75-93

【本文】 1. 産業主義ないし産業社会という語は,サン-シモンが彼の思想のキイ・ワードとして作り出したもので,フランス革命(イギリス産業革命がこれに先行していた)後に建設されるべき,産業に基礎をおいた新しい社会体制を意味した.コントはサン-シモ…

『ユリイカ 2020年12月号』「特集 偽書の世界-ディオニソス文書、ヴォイニッチ写本から神代文字、椿井文書まで」

ユリイカ 2020年12月号 特集=偽書の世界 ーディオニュシオス文書、ヴォイニッチ写本から神代文字、椿井文書までー 作者:馬部隆弘,小澤実,原田実,乗代雄介,呉座勇一 発売日: 2020/11/27 メディア: ムック 古代、中世、近代、歴史の間に間に、偽書は突如現われ…

入江由規「「ゲスト」へと変貌したオタクたち : アニメ聖地巡礼者の交流から」『フォーラム現代社会学』2014年, 13巻, p.58-70

【本文】 本稿の目的は、なぜ、アニメやゲーム、コミックの舞台を訪れる「聖地巡礼者」が、これまで「変わり者」と見なされることの多かった、アニメやゲーム、コミックを愛好するオタクであるにもかかわらず、それらに必ずしも関心のある訳ではない、作品の…

鹿島あゆこ「『時事漫画』にみる「サラリーマン」の誕生」『フォーラム現代社会学』2018年, 17巻, p.78-92

【本文】 サラリーマンという言葉の一般への普及は大正期から昭和初期といわれている。本稿の目的は、この普及に一役買ったといわれる『時事漫画』の検討を通じて、当該時期におけるサラリーマンイメージの形成と展開を明らかにすることである。『時事漫画』…

松田美佐「「遠征」をめぐる人間関係 ― Twitter上で親しくなる過程と社会的場面の切り分けを中心に―」『中央大学社会科学研究所年報』 2019年, 23巻, p.215-232

【本文】 This paper analyses the interviews of university students who engage in ‘Ensei (fan tourism)’, while focusing on their interpersonal relationships. These students mainly use Twitter to get information regarding events and their ti…

立川雅司「分野別研究動向(人新世) ―人新世概念が社会学にもたらすもの―」『社会学評論』2019年, 70巻, 2号, p.146-160

【本文】 Bonneuil, Christophe and Fressoz, Jean Baptiste, 2013, L’événement anthropocène, Paris: Seuil.(野坂しおり訳,2018,『人新世とは何か――〈地球と人類の時代〉の思想史』青土社.) 人新世とは何か ―〈地球と人類の時代〉の思想史 作者:クリ…

【書評】北村匡平「ディストピアに逃走線を創造する」『コミュニケーション資本主義と〈コモン〉の探求 ーポスト・ヒューマン時代のメディ ア論』伊藤守編(東京大学出版会、2019 年)『年報カルチュラル・スタディーズ』2020年, 8巻, p.175-178

【本文】 伊藤編『コミュニケーション資本主義と〈コモン〉の探求:ポスト・ヒューマン時代のメディ ア論』2019 コミュニケーション資本主義と〈コモン〉の探求: ポスト・ヒューマン時代のメディア論 発売日: 2019/09/21 メディア: 単行本

中林春海, 水口崇「ファン心理やその活動と大学生の心理的健康の関係 : 現代社会におけるファナティックの様態と意義」『信州心理臨床紀要』2020年, 19巻, p.33-55

【本文】

服部恵典「ポルノグラフィ消費者によるジェンダー化されたジャンルの視聴と解釈 ―女性向けアダルトビデオを視聴するファンに着目して」『年報カルチュラル・スタディーズ』2020年, 8巻, p.35-57

【本文】 ポルノグラフィは、社会的にも社会学的にも議論の係争点であり、ジェンダーの平等が論点となる場合にはとりわけそれが際立つ。その端緒となる反ポルノ派フェミニストの理論が有する問題の1 つに、女性によるポルノの「見方」の多様性を狭めてしまう…

小形道正「ファッションを語る方法と課題 ー消費・身体・メディアを越えて」『社会学評論』2013年, 63巻, 4号, p.487-502

【本文】 現在ファッションに関する研究は, 複雑かつ多岐にわたる一方で, それら諸研究を綜合的な視座から論じる視点は, ほとんど提示されてこなかった. そこで本稿は, まずこれまでのファッション研究の方法論的視線を明らかにしたうえで, 今後の社会学的課…

園田茂人「食文化の変化にみる東アジアのグローバル化 ーアジアバロメーターのデータ分析から」『社会学評論』2009年, 60巻, 3号, p.396-414

【本文】 東アジアのグローバル化を論じる際に,文化,とくに食文化の変容に焦点が当てられるのは稀で,特定の料理がどのように受容されるにいたるかを研究した例は少なくないものの,各地でどのような食が好まれているかを分析した実証研究は皆無に等しい.…

小河原あや「ヒッチコック『ロープ』の長廻し移動撮影とショット繋ぎにおける「精神/道徳的」表現 ーロメール&シャブロルの議論を導き手に」『映像学』2014年, 93巻, p.23-40,94-95

【本文】 Hitchcock's famous use of long takes and a tracking camera in Rope (1948) was criticized by Truffaut and others as being a rejection of montage. Hitchcock himself considered the film 'pure cinema' - the movement of camera and perf…