哲学

篠崎大河「意識の哲学における幻想主義の展開」『科学哲学』2024 年 57 巻 1 号 p. 57-

【リンク】 Illusionism about phenomenal consciousness is the view that claims that phenomenal consciousness does not exist, but merely seems to exist. As the reductionist approach to consciousness has seemed stuck, panpsychism and illusion…

ユク・ホイ著『再帰性と偶然性』(2019=2022)

再帰性と偶然性 作者:ユク ホイ 青土社 Amazon フィードバックシステムをそなえ限りなく有機体に接近した機械に取り込まれて、私たちはいやおうなくシンギュラリティに推し進められていく。果たしてそのような未来は一直線の道路なのか? それとも潜在的な可…

鷲田清一著『ちぐはぐな身体 -ファッションって何?』(1995=2005)

ちぐはぐな身体(からだ): ファッションって何? (ちくま文庫 わ 8-1) 作者:鷲田 清一 筑摩書房 Amazon ピアスや刺青をすることの意味とは?コムデギャルソンやヨウジヤマモト等のファッションが問いかけているものは?そもそも人は何のために服で体を隠すのか…

河野哲也著『アフリカ哲学全史』(2024)

アフリカ哲学全史 (ちくま新書) 作者:河野哲也 筑摩書房 Amazon アフリカ哲学は、北アフリカのイスラム文化に基づく哲学、サハラ以南地域の哲学、アフリカ大陸の外で発展したアフリカーナ哲学に分けられ、アフリカーナ哲学はカリブ海の島々で発展した哲学も…

セオドア・グレイシック著,源河亨,木下頌子訳『音楽の哲学入門』(2013=2019)

音楽の哲学入門 作者:セオドア・グレイシック,Theodore Gracyk 慶應義塾大学出版会 Amazon アメリカの気鋭の研究者による、音楽の哲学および芸術の哲学の入門書。単なる音と音楽の違い、音楽鑑賞に必要な知識、音楽と情動の関係、音楽経験がもたらすスピリチ…

東浩紀著『訂正する力』(2023)

訂正する力 (朝日新書) 作者:東 浩紀 朝日新聞出版 Amazon ひとは誤ったことを訂正しながら生きていく。 哲学の魅力を支える「時事」「理論」「実存」の三つの視点から、現代日本で「誤る」こと、「訂正」することの意味を問い、この国の自画像をアップデー…

藤田正勝著『日本哲学入門』(2024)

日本哲学入門 (講談社現代新書) 作者:藤田正勝 講談社 Amazon 西洋哲学と出会って150年、日本の哲学者たちは何を考え、何を目指してきたのか。日本哲学のオリジナリティに迫る、第一人者による入門書の決定版! 【本書のおもな内容】・日本最初の哲学講義…

白川晋太郎著『ブランダム 推論主義の哲学 ープラグマティズムの新展開』(2021)

ブランダム 推論主義の哲学 作者:白川 晋太郎 青土社 Amazon カント、ヘーゲル、セラーズ、ローティ、ウィトゲンシュタイン、マクダウェルなどの議論を自在に取り込みながら、独自の理論体系を構築し、プラグマティズムを牽引するアメリカの哲学者ロバート・…

大谷弘著『道徳的に考えるとはどういうことか』(2023)

道徳的に考えるとはどういうことか (ちくま新書) 作者:大谷弘 筑摩書房 Amazon その考えは正しいか正しくないか、あるいはそれをすべきか否か―。私たちは日々、様々な道徳的判断を迫られ、あるときは自然に、また別のときには悩みに悩んで結論を下す。こうし…

渡邊陽祐「対話を通して現れるもう一人のわたし : フーコーの「パレーシア」を手掛かりに」『臨床哲学のメチエ』 22 211-269, 2017

【リンク】

市田良彦著『フーコーの〈哲学〉-真理の政治史へ』(2023)

フーコーの〈哲学〉 真理の政治史へ 作者:市田 良彦 岩波書店 Amazon ミシェル・フーコーとは何者なのか。常に変化した思想家の変わらぬ核心には、真理をめぐる〈哲学〉が存在した。「私は哲学者ではない」と語ったフーコー自身の言葉に抗いながら「言語」「…

入不二基義著『問いを問う ー哲学入門講義』(2023)

問いを問う ――哲学入門講義 (ちくま新書) 作者:入不ニ基義 筑摩書房 Amazon 哲学とは、昔の人の考えや言葉を知って、理解することではない。哲学上の根本問題に自ら立ち向かうことでしか、哲学はできないのだ。「私たちの心を超えた世界を知ることはできるか…

谷川嘉浩著『スマホ時代の哲学-失われた孤独をめぐる冒険』(2022)

スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険 【購入者限定】スマホ時代を考えるための「読書案内」付き 作者:谷川嘉浩 ディスカヴァー・トゥエンティワン Amazon 「常時接続の世界」において、私たちはスマホから得られるわかりやすい刺激によって、自らを取…

石田英敬著『現代思想の教科書-世界を考える知の地平15章』(2005→2010)

現代思想の教科書 (ちくま学芸文庫) 作者:石田 英敬 筑摩書房 Amazon 現在、私たちを取り巻く「知」の数々は、20世紀以降の世界がおかれた4つの状況から発生する。本書ではそれを、ポスト・グーテンベルク状況、ポスト・モダン状況、ポスト・ナショナル状…

石田英敬著『自分と未来のつくり方-情報産業社会を生きる』(2010)

自分と未来のつくり方――情報産業社会を生きる (岩波ジュニア新書) 作者:石田 英敬 岩波書店 Amazon 『モモ』の「時間どろぼう」とプラトンの「洞窟の囚人」が現代を読み解くカギ!? 宮沢賢治にフッサール,デカルトまで飛び出す授業はとても刺激的.情報産…

金森修「G・カンギレムにおける生命論的技術論」『科学基礎論研究』1992 年 21 巻 1 号 p. 39-44

【リンク】

石田英敬著『大人のためのメディア論講義』(2016)

大人のためのメディア論講義 (ちくま新書) 作者:石田 英敬 筑摩書房 Amazon 二四時間モバイル機器を手放せず、情報産業に囲い込まれた現代人の生活。人間が二足歩行へと進化した文字を持ちはじめた時から宿命づけられたこの現象は、二〇世紀に、二つのメディ…

丹生谷貴志著『光の国―あるいはvoyage en vain』(1984)

光の国―あるいはvoyage en vain (1984年) (リゾーム群書〈1〉) 作者:丹生谷 貴志 朝日出版社 Amazon I 神・神々・砂の書II 「死」・木星の逃亡者・「光の国」III 砂漠・bêtise・「光の国」あとがき

ノエル・キャロル著,高田敦史訳『ホラーの哲学ーフィクションと感情をめぐるパラドックス』(1990=2022)

ホラーの哲学 フィクションと感情をめぐるパラドックス 作者:ノエル・キャロル フィルムアート社 Amazon なぜ、「怖い」のに「見たい」のか?なぜ、存在しないものを怖がるのか? ここから、ホラーの哲学は始まった。ホラーの哲学を初めて理論化した革新的著…

中畑正志著『アリストテレスの哲学』(2023)

アリストテレスの哲学 (岩波新書 新赤版 1966) 作者:中畑 正志 岩波書店 Amazon 思想界では近年一段と脚光を浴びる一方で、一般には時代遅れのイメージが付きまとうアリストテレス。本書はこの懸隔に架橋すべく、彼が創出した<探究と知の方法>を示したうえで…

山口尚著『日本哲学の最前線』(2021)

日本哲学の最前線 (講談社現代新書) 作者:山口尚 講談社 Amazon 國分功一郎、青山拓央、千葉雅也、伊藤亜紗、古田徹也、苫野一徳……哲学の最前線の旗手たちが「いま考えていること」がこれ一冊でわかる! 私たちを縛りつける不自由と向き合う、本当の自由のた…

國分功一郎著『中動態の世界ー意志と責任の考古学』(2017)

中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく) 作者:國分功一郎 医学書院 Amazon 自傷患者は言った。「切ったのか、切らされたのかわからない。気づいたら切れていた」依存症当事者はため息をついた。「世間の人とはしゃべっている言葉が違うの…

東浩紀著『新対話篇』(2020)

新対話篇 (ゲンロン叢書) 作者:東 浩紀 ゲンロン Amazon 東浩紀が2012年以降に行なった対談・鼎談から、哲学と芸術をテーマとするものを厳選し集成。文化が政治に従属し、人間がデータに還元される時代に、「対話」というもっとも古く原始的な方法で人文知の…

山内志朗著『「誤読」の哲学-ドゥルーズ、フーコーから中世哲学へ』(2013)

「誤読」の哲学 ドゥルーズ、フーコーから中世哲学へ 作者:山内 志朗 青土社 Amazon ドゥルーズやフーコーによる中世・近世の大胆な「誤読」。そこから浮かび上がる“オブジェクト”の謎とその「誤読」の歴史。現代から、デカルトやライプニッツ、スコラ哲学へ…

古田徹也著『それは私がしたことなのか -行為の哲学入門』(2013)

それは私がしたことなのか: 行為の哲学入門 作者:古田徹也 新曜社 Amazon 自然法則に支配され,運に翻弄されているかに見える人間。意のままにならないこの世界で,われわれはどこまで自由なのか。「私」という不完全な行為者の意思,責任,倫理を問い直し,…

【書評】流王貴義「岡崎宏樹著 『バタイユからの社会学―至高性,交流,剝き出しの生』」『社会学評論』2021年 72巻 1号 p.62-63

【リンク】 岡崎『バタイユからの社会学―至高性,交流,剝き出しの生』 バタイユからの社会学 (KGUP série 社会文化理論研究) 作者:岡崎 宏樹 関西学院大学出版会 Amazon

小泉義之著『哲学原理主義』(2022)

哲学原理主義 作者:小泉義之 青土社 Amazon 政治や歴史といった概念と、倫理や刑法といったルールと、生老病死や福祉といった現実と、言葉や文学といったイメージと、予断も間断もなく向き合いつづけてきた哲学者の集大成。「もっと高いもの」を求め、あらゆ…

戸田山和久著『知識の哲学』(2002)

知識の哲学 (哲学教科書シリーズ) 作者:戸田山 和久 産業図書 Amazon これまでの知識の哲学を解体し、自然現象としての知識を捉える新たな認識論のパラダイムを構築する、ユニークな教科書。 第1部 知識の哲学が生まれる現場1(なにが知識の哲学の課題だっ…

ジュディス・バトラー,エルネスト・ラクラウ,スラヴォイ・ジジェク著,竹村和子,村山敏勝訳『偶発性・ヘゲモニー・普遍性-新しい対抗政治への対話』(2000=2002→2019)

偶発性・ヘゲモニー・普遍性 ―新しい対抗政治への対話― 新装版 作者:ジュディス・バトラー,エルネスト・ラクラウ,スラヴォイ・ジジェク 青土社 Amazon 新しい民主主義のための政治理論をいかに創造するか。フェミニズム、クィア理論のバトラー、ポスト・マル…

築地正明著『わたしたちがこの世界を信じる理由-『シネマ』からのドゥルーズ入門』(2019)

わたしたちがこの世界を信じる理由: 『シネマ』からのドゥルーズ入門 作者:築地正明 河出書房新社 Amazon ドゥルーズの映画論にして哲学的な頂点「シネマ」を論じながら、この世界と闘い、この世界を信じるための思考と倫理をさぐる俊英のデビュー作。「シネ…