光瀬龍著『百億の星と千億の夜』(1973)

百億の昼と千億の夜 (ハヤカワ文庫JA) 作者:光瀬 龍 早川書房 Amazon 西方の辺境の村にて「アトランティス王国滅亡の原因はこの世の外にある」と知らされた哲学者プラトンは、いまだ一度も感じたことのなかった不思議な緊張と不安を覚えた……プラトン、悉達多…

トーマス・パー, ジョバンニ・ペッツーロ, カール・フリストン著, 乾敏郎訳『能動的推論 ー心、脳、行動の自由エネルギー原理』(2022)

能動的推論:心、脳、行動の自由エネルギー原理 作者:トーマス・パー,ジョバンニ・ペッツーロ,カール・フリストン ミネルヴァ書房 Amazon ヒトにおける知覚、認知、運動、思考、意識…それぞれの仕組みの解明に向けた研究が進む中、それらをたった1つの原理で…

トマス・M・ディッシュ著,浅倉久志,小島はな訳『SFの気恥ずかしさ』(2005=2022)

SFの気恥ずかしさ 作者:トマス・M・ディッシュ 国書刊行会 Amazon 『歌の翼に』『いさましいちびのトースター』の奇才トマス・M・ディッシュのSF評論集、ついに登場! SFの限界と可能性を論じた名講演「SFの気恥ずかしさ」をはじめ、新世代SF作家を批判し…

岡奈津子著『〈賄賂〉のある暮らし ー市場経済化後のカザフスタン』(2019)

〈賄賂〉のある暮らし :市場経済化後のカザフスタン 作者:岡奈津子 白水社 Amazon ほんとうの豊かさとは?1989から30年、市場化が問いかけるもの ソ連崩壊後、独立して計画経済から市場経済に移行したカザフスタン。国のありかたや人びとの生活はどのよ…

小倉孝保著『100年かけてやる仕事 -中世ラテン語の辞書を読む』(2019)

100年かけてやる仕事 ― 中世ラテン語の辞書を編む 作者:小倉 孝保 プレジデント社 Amazon 100年の歳月をかけて、英国で『英国古文献における中世ラテン語辞書』が完成した。市民の言語採取ボランティア「ワードハンター」たちと、英国学士院が総力を結集…

西井開著『「非モテ」からはじめる男性学』(2021)

「非モテ」からはじめる男性学 (集英社新書) 作者:西井開 集英社 Amazon 恋人がいない、女性から好意を向けられない等の苦悩は、「非モテ」という言葉によって九〇年代後半からネットを賑わせてきた。現在も「非モテ」問題は多くの男性の心を捉えて離さない…

奥村隆著『反コミュニケーション』(2013)

反コミュニケーション (現代社会学ライブラリー 11) 作者:奥村 隆 弘文堂 Amazon 私はコミュニケーションが嫌いだ。できれば人と会いたくない。ひとりでいたい。電話もメールもしたくない。たとえば電子メールというものがあって、これを仕事上使わなくては…

行方昭夫著『英語のセンスを磨くー実践英語への誘い』(2003)

英語のセンスを磨く――英文快読への誘い (岩波現代文庫) 作者:行方 昭夫 岩波書店 Amazon 英語は上級者なのに,一つ壁があって先に進めないと悩んでいませんか? 英文を正しく読むにはコンテクストの理解が必須です.難解で知られるヘンリー・ジェイムズの短篇…

村山達也「「好きな人の特別な存在になる」ことの特別さ——相互的な愛の価値について——」『エモーション・スタディーズ』2021 年 6 巻 Si 号 p. 22-30

【リンク】 Although being loved by someone we love is generally acknowledged as having special value, what that value is and from whence it derives remain unclear. As described herein, the author suggests two constituents of the special va…

沼野充義編著『やっぱり世界は文学でできている 対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義2』(2013)

やっぱり世界は文学でできている: 対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義2 作者:沼野充義 光文社 Amazon 東京大学教授の沼野充義(ロシア文学)と最前線で活躍する作家・学者たちが「新しい世界文学」について熱く語り合う! 世界文学とは、もはや読むべき価値のある…

山本貴光著『世界が変わるプログラム入門』(2016)

世界が変わるプログラム入門 (ちくまプリマー新書) 作者:山本貴光 筑摩書房 Amazon 現代人の基礎教養?!新しいプログラムを書くことは新しいコンピュータの使い方を発見すること。難解な数式不要!まずは紙と鉛筆と頭で入門しよう。 第1章 プログラムを身…

久保田晃弘,畠中実著『メディアアート原論』(2019)

メディアアート原論 フィルムアート社 Amazon メディア・アートは、なぜそう呼ばれているのか?ポストインターネット状況を経た、21世紀の芸術精神を探る! 次世代クリエーターのために、インテリジェントでコアな情報をコンパクトに提供する「Next Creator …

井上 淳子, 上田 泰「アイドルに対するファンの心理的所有感とその影響について ― 他のファンへの意識とウェルビーイングへの効果 ―」『マーケティングジャーナル』2023 年 43 巻 1 号 p. 18-28

【リンク】 本研究はアイドルを応援する(推す)ファンがアイドルに対して心理的所有感を持つことを主張し,その影響について論じるものである。具体的には,アイドルに対するファンの心理的所有感は,同じアイドルの他のファン(同担)に対する複雑な意識を…

ウィリアム・シェイクスピア著,松岡和子訳『シェイクスピア全集Ⅰ ハムレット』(1996)

シェイクスピア全集 (1) ハムレット (ちくま文庫) 作者:W. シェイクスピア 筑摩書房 Amazon デンマークの王子ハムレットは、父王の亡霊から、叔父と母の計略により殺されたことを知らされ、固い復讐を誓った。悩み苦しみながらも、狂気を装い、ついに復讐を…

梨木香歩著『水辺にて on the water / off the water』(2006→2010)

水辺にて on the water / off the water (ちくま文庫 な 41-1) 作者:梨木 香歩 筑摩書房 Amazon カヤックで漕ぎだす、豊かで孤独な宇宙。そこは物語の予感に満ちている。

白川晋太郎著『ブランダム 推論主義の哲学 ープラグマティズムの新展開』(2021)

ブランダム 推論主義の哲学 作者:白川 晋太郎 青土社 Amazon カント、ヘーゲル、セラーズ、ローティ、ウィトゲンシュタイン、マクダウェルなどの議論を自在に取り込みながら、独自の理論体系を構築し、プラグマティズムを牽引するアメリカの哲学者ロバート・…

佐藤俊樹著『社会学の新地平ーウェーバーからルーマンへ』(2023)

社会学の新地平 ウェーバーからルーマンへ (岩波新書) 作者:佐藤 俊樹 岩波書店 Amazon マックス・ウェーバーとニクラス・ルーマン――科学技術と資本主義によって規定された産業社会の謎に挑んだふたりの社会学の巨人。難解で知られる彼らが遺した知的遺産を…

木庭顕著『クリティック再建のために』(2022)

クリティック再建のために (講談社選書メチエ) 作者:木庭 顕 講談社 Amazon 本書が掲げる「クリティック」は、ふつう「批評」や「批判」という日本語に訳されます。しかし、それらの語では十分に表されない意味が「クリティック」には含まれていることを日本…

小泉悠著『ウクライナ戦争』(2022)

ウクライナ戦争 (ちくま新書) 作者:小泉悠 筑摩書房 Amazon 2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻し、第二次世界大戦以降最大規模の戦争が始まった。国際世論の非難を浴びながらも、かたくなに「特別軍事作戦」を続けるプーチン、国内にとどまり…

絲山秋子著『離陸』(2014)

離陸 作者:絲山 秋子 文藝春秋 Amazon 時空を超えて足跡を残す〈女優〉とは何者か。大切な人を喪い、哀しみの果てに辿りつく場所とは。透徹した目で人生を描く感動長編。

山田登世子著『贅沢の条件』(2009)

贅沢の条件 (岩波新書) 作者:山田 登世子 岩波書店 Amazon 「あなたにとって贅沢とは何ですか?」――贅沢はお金で買えるのか,買えない贅沢とは何か.「タイム・イズ・マネー」のビジネス社会にあって,はたして「真の贅沢」とは何なのか――.修道院からココ・…

春日武彦著『恐怖の正体ートラウマ・恐怖症からホラーまで』(2023)

恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで (中公新書) 作者:春日武彦 中央公論新社 Amazon うじゃうじゃと蠢く虫の群れ、密集したブツブツの集合体、鋭い尖端、高所や閉所、人形、ピエロ、屍体――。なぜ人は「それ」に恐怖を感じるのか。人間心理の根源的な…

ドニー・アイカー著,安原和見訳『死に山 -世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』(2013=2018→2023)

死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相 作者:ドニー・アイカー 河出書房新社 Amazon 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》──その全貌と真相を描く衝撃のノンフィクション! 1959年、冷戦下のソ連・ウラル山脈で起きた遭難事故…

桃山商事著『生き抜くための恋愛相談』(2017)

生き抜くための恋愛相談 作者:桃山商事 イースト・プレス Amazon 「よくある悩み相談とは一線を画す、理論派の論理的思考。平匡さんが書いてるのかと思いました。」海野つなみ(漫画家/『逃げるは恥だが役に立つ』作者)ズバっと言わないけど、読むとスッキ…

松里公孝著『ウクライナ動乱ーソ連解体から露ウ戦争まで』(2023)

ウクライナ動乱 ――ソ連解体から露ウ戦争まで (ちくま新書) 作者:松里公孝 筑摩書房 Amazon 冷戦終了後、ユーラシア世界はいったん安定したというイメージは誤りだ。ソ連末期以来の社会変動が続いてきた結果としていまのウクライナ情勢がある。世界的に有名な…

池田清彦著『40歳からは自由に生きる-生物学的に人生を考察する』(2022)

40歳からは自由に生きる 生物学的に人生を考察する (講談社現代新書) 作者:池田清彦 講談社 Amazon 人間の寿命は38歳です。現在は、医療の発達や栄養状態が良くなったために人間の寿命が延びるようになったのです。生物学的に考えると40歳以上になったなら…

大谷弘著『道徳的に考えるとはどういうことか』(2023)

道徳的に考えるとはどういうことか (ちくま新書) 作者:大谷弘 筑摩書房 Amazon その考えは正しいか正しくないか、あるいはそれをすべきか否か―。私たちは日々、様々な道徳的判断を迫られ、あるときは自然に、また別のときには悩みに悩んで結論を下す。こうし…

ピーター・ディアマン,スティーブン・コトラー著,土方奈美訳『2030年 ーすべてが「加速」する世界に備えよ』(2020=2020)

2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ (NewsPicksパブリッシング) 作者:ピーター・ディアマンディス,スティーブン・コトラー ニューズピックス Amazon 医療、長寿、金融、不動産、教育、小売、広告、エンタテインメント、交通、環境……テクノロジーの“融…

フィリップ・フック著,中山ゆかり訳『印象派はこうして世界を征服した』(2009=2009)

印象派はこうして世界を征服した 作者:フィリップ フック 白水社 Amazon なぜモネやルノワールは世界中で好まれるのか。なぜ富裕層は印象派絵画を所有するのか。競売人が明かす美術史の舞台裏。 1 近づいて見れば、支離滅裂なだけ―印象主義の衝撃的な新しさ…

マーク・オコネル著,松浦俊輔訳『トランスヒューマニズム-人間強化の欲望から不死の夢まで』(2017=2018)

トランスヒューマニズム: 人間強化の欲望から不死の夢まで 作者:オコネル,マーク 作品社 Amazon シリコンバレーを席巻する「超人化」の思想。人体冷凍保存、サイボーグ化、脳とAIの融合……。最先端テクノロジーで人間の限界を突破しようと目論む「超人間主義…