山岸真編『90年代SF傑作選 下』(2002)

山岸真編『90年代SF傑作選 下』(2002) 90年代SF傑作選〈下〉 (ハヤカワ文庫SF) 早川書房 Amazon ネビュラ賞とローカス賞を受賞したビッスンの諷刺SF、カナダを代表する作家ソウヤーによる、シャーロック・ホームズのパスティーシュSF、論理のアクロバット…

佐々木敦著『それを小説と呼ぶ』(2020)

それを小説と呼ぶ 作者:佐々木敦 講談社 Amazon 「批評」の終幕、そして「小説」の到来。小説という問題、その思考の足跡をすべて刻む。『新しい小説のために』、『これは小説ではない』に続く、文芸批評家としての最後の主著。 第一章 方法序説第二章 世界…

青山拓央著『時間と自由意志-自由は存在するか』(2016)

時間と自由意志:自由は存在するか (単行本) 作者:青山 拓央 筑摩書房 Amazon これまで自由意志/決定論の対立として論じられてきた難問を、自由とは何かという議論からいったん離れ、「分岐問題」の枠組みのもとで考察しなおす。従来の哲学が依拠してきた対立…

吉川浩満著『理不尽な進化 増補新版-遺伝子と運のあいだ』(2014→2021)

理不尽な進化 増補新版 ――遺伝子と運のあいだ (ちくま文庫) 作者:吉川 浩満 筑摩書房 Amazon 生物種の99.9パーセントが絶滅する。生物の歴史はずいぶんと「理不尽」な遍歴をたどってきた。本書は、絶滅という観点から生物の歴史を眺め、俗説が人びとを魅…

小坂井敏晶著『増補 責任という虚構』(2008→2020)

増補 責任という虚構 (ちくま学芸文庫) 作者:小坂井敏晶 筑摩書房 Amazon 人間は自由意志を持った主体的存在であり、自己の行為に責任を負う。これが近代を支える人間像だ。しかし、社会心理学や脳科学はこの見方に真っ向から疑問を投げかける。ホロコースト…

松里公孝著『ポスト社会主義の政治 ─ポーランド、リトアニア、アルメニア、ウクライナ、モルドヴァの準大統領制』(2021)

ポスト社会主義の政治 ――ポーランド、リトアニア、アルメニア、ウクライナ、モルドヴァの準大統領制 (ちくま新書) 作者:松里 公孝 筑摩書房 Amazon 約三〇年前、ソ連・東欧の社会主義政治体制は崩壊した。議会制=ソヴェト制の外観の下、一党制または事実上…

梶谷懐,高口康太著『幸福な監視国家・中国 』(2019)

幸福な監視国家・中国 (NHK出版新書) 作者:梶谷 懐,高口 康太 NHK出版 Amazon 習近平体制下で、人々が政府・大企業へと個人情報・行動記録を自ら提供するなど、AI・アルゴリズムを用いた統治が進む「幸福な監視国家」への道をひた走っているかに見える中…

中野敏男著『ヴェーバー入門ー理解社会学の射程』(2020)

ヴェーバー入門 ――理解社会学の射程 (ちくま新書) 作者:中野敏男 筑摩書房 Amazon 社会的行為の動機を理解し、その内面から人間と社会のあり方を考える。これが、近代社会学の祖とされ、社会科学全般に決定的影響を与えたマックス・ヴェーバーの学問の核心に…

小倉健太郎「アニメ・マシーンとしてのフライシャーの回転式撮影台」『映像学』2021年, 105巻, p.5-26

【本文】 日本のアニメを論じる際に、しばしば強調されてきたのが平面性だ。アニメの平面性を強調する議論は枚挙にいとまがない。こうした議論では、アニメの平面性はときに日本の伝統美術と結び付けられ、日本固有の性質とされる。日本文化研究者のトーマス…

小田玄紀著『1時間でわかるビットコイン入門 〜1円から送る・使う・投資する〜』(2018)

1時間でわかるビットコイン入門 【2018年1月最新改訂版】 ~1円から送る・使う・投資する~ (NextPublishing) 作者:小田 玄紀 good.book Amazon 「ビットコイン」「仮想通貨」の最新版入門書が登場!「支払い」で使うときに気を付けることは?「送金」がお得…

『SFマガジン』6月号, Vol.62 No.745, 2021

SFマガジン 2021年 06 月号 異常論文特集 早川書房 Amazon 異常論文特集監修:樋口恭介柴田勝家の異常論文を読んだ樋口恭介が「異常論文アンソロジー読みてえ」とツイートし、それを読んだ異常編集者・塩澤快浩が「SFマガジンでお願いできますか? 特集で…

【書評】宮原浩二郎「池上賢著『“彼ら” がマンガを語るとき,――メディア経験とアイデンティティの社会学』」『社会学評論』2019年, 70巻, 3号, p.284-285

【本文】

【書評】長谷正人「光岡寿郎・大久保遼編『スクリーン・スタディーズ――デジタル時代の映像/メディア経験』」『社会学評論』2020年, 70巻, 4号, p.413-414

【本文】

大森望,伴名練編『2010年代SF傑作選 2』(2020)

2010年代SF傑作選2 (ハヤカワ文庫JA) 発売日: 2020/02/06 メディア: 文庫 ハヤカワSFコンテストと創元SF短編賞という2つの新人賞が創設された2010年代。ジャンル外の文学賞でも評価される宮内悠介、高山羽根子、小川哲をはじめ、酉島伝法、柴田勝家、倉…

佐々木敦著『「批評」とは何か?-批評家養成ギブス』(2008)

「批評」とは何か? : 批評家養成ギブス (BRAINZ叢書) 作者:佐々木敦 発売日: 2015/04/17 メディア: Kindle版 音楽批評、映画批評、文芸批評…そして批評の言葉はジャンルを「貫通」する本気で書きたい人のための「批評」入門。

舞城王太郎著『煙か土か食い物』(2001)

煙か土か食い物 (講談社文庫) 作者:舞城王太郎 発売日: 2012/12/03 メディア: Kindle版 腕利きの救命外科医・奈津川四郎に凶報が届く。連続主婦殴打生き埋め事件の被害者におふくろが?ヘイヘイヘイ、復讐は俺に任せろマザファッカー!故郷に戻った四郎を待つ…

宮内悠介著『彼女がエスパーだったころ』(2016→2018)

彼女がエスパーだったころ (講談社文庫) 作者:宮内悠介 発売日: 2018/04/13 メディア: Kindle版 スプーンなんて、曲がらなければよかったのに―。百匹目の猿、エスパー、オーギトミー、代替医療…人類の叡智=科学では捉えきれない超常現象を通して、人間は再発…

稲葉振一郎著『銀河帝国は必要か-ロボットと人類の未来』(2019)

銀河帝国は必要か? (ちくまプリマー新書) 作者:振一郎, 稲葉 発売日: 2019/09/06 メディア: 新書 超高機能ロボットとの共存や、宇宙への進出がリアリティを増してきた現代。「人間」のアイデンティティも大きく揺らいでいる。「心ある者」とはいったいなんな…

島本理生著『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』(2017)

わたしたちは銀のフォークと薬を手にして (幻冬舎文庫) 作者:島本 理生 発売日: 2020/04/08 メディア: 文庫 限られた時間。たった一度の出会い。特別じゃないわたしたちの、特別な日常。 蟹と、苺と金色の月 桜、生しらす、春の海 雨の映画館、焼き鳥、手を…

大森望編『SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録』(2017)

SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録 (早川書房) 発売日: 2017/06/30 メディア: Kindle版 2016年4月、書評家・翻訳家・SFアンソロジストの大森望を主任講師にむかえて開講した「ゲンロン大森望SF創作講座」。東浩紀、長谷敏司、冲方丁、藤井…

岡田康宏著『アイドルのいる暮らし』(2013)

アイドルのいる暮らし 作者:岡田康宏 発売日: 2013/07/24 メディア: Kindle版 この本に登場する10名は、年齢は20代から50代まで、80年代のアイドル黄金時代を知るベテランから、AKBでアイドルを知ったばかりの若者まで、既婚者が4人、離婚経験者が1人、子供…

ジャレット・コベック著, 浅倉卓弥訳『くたばれインターネット』(2016=2019)

くたばれインターネット (ele-king books) 作者:ジャレット コベック 発売日: 2019/11/29 メディア: 単行本(ソフトカバー) ビヨンセもレディー・ガガもマーク・ザッカーバーグもスティーヴ・ジョブスもだいきらい!21世紀にもっともやってはいけない唯一の…

ニコラス・ローズ著, 檜垣立哉監訳, 小倉拓也, 佐古仁志, 山崎吾郎訳『生そのものの政治学―二十一世紀の生物医学, 権力, 主体性』(2007=2014)

生そのものの政治学〈新装版〉:二十一世紀の生物医学、権力、主体性(叢書・ウニベルシタス) 作者:ローズ,ニコラス 発売日: 2019/11/20 メディア: 単行本 19世紀以来、国家は健康と衛生の名のもとに、人々の生死を管理する権力を手にしてきた。批判的学問や…

藤井太洋著『ハロー・ワールド』(2018)

ハロー・ワールド (講談社文庫) 作者:藤井太洋 発売日: 2021/03/12 メディア: Kindle版 専門を持たない「何でも屋」エンジニアの文椎の武器は、ささやかなITテクニックと仕事仲間と正義感。郭瀬と汪の3人でチーム開発した、広告ブロッカーアプリ“ブランケン”…

古賀光生「西欧の右翼ポピュリスト政党の台頭は、「文化的な反動」 によるものであるのか? ―政策の比較分析から検討する」『年報政治学』2019年, 70巻, 2号, p. 2_84-2_108

【本文】 本稿は、西欧における右翼ポピュリスト政党の 「文化的な」 争点への態度を検討する。ノリスとイングルハートによる有力な先行研究 (Pippa Norris and Inglehart 2019) は、「権威主義的なポピュリスト」 の支持拡大は、脱物質主義的な価値観の主流…

佐藤卓己著『テレビ的教養-一億総博知化への系譜』(2008→2019)

テレビ的教養: 一億総博知化への系譜 (岩波現代文庫) 作者:卓己, 佐藤 発売日: 2019/01/17 メディア: 文庫 テレビは本当に「一億総白痴化」をもたらしたのか? それとも,「一億総博知化」をもたらし得るものなのか――.戦前・戦後にまたがる「放送教育運動」…

舞城王太郎著『山ん中の獅見朋成雄』(2003→2005)

山ん中の獅見朋成雄 (講談社文庫) 作者:舞城王太郎 発売日: 2012/12/03 メディア: Kindle版 中学生の獅見朋成雄はオリンピックを目指せるほどの駿足だった。だが、肩から背中にかけて鬣のような毛が生えていた成雄は世間の注目を嫌い、より人間的であること…

今野敏著『棲月―隠蔽捜査7―』(2018)

棲月―隠蔽捜査7― (新潮文庫) 作者:今野 敏 発売日: 2020/07/29 メディア: 文庫 鉄道のシステムがダウン。都市銀行も同様の状況に陥る。社会インフラを揺るがす事態に事件の影を感じた竜崎は、独断で署員を動かした。続いて、非行少年の暴行殺害事件が発生す…

誉田哲也著『ストロベリーナイト』(2006→2008)

ストロベリーナイト 警部補 姫川玲子 (光文社文庫) 作者:誉田 哲也 発売日: 2009/11/27 メディア: Kindle版 溜め池近くの植え込みから、ビニールシートに包まれた男の惨殺死体が発見された。警視庁捜査一課の警部補・姫川玲子は、これが単独の殺人事件で終わ…

村上龍著『どこにでもある場所とどこにもいないわたし』(2003)

どこにでもある場所とどこにもいない私 作者:村上 龍 発売日: 2003/04/24 メディア: 単行本 空港ロビー、居酒屋、コンビニ、公園、駅の自動改札……。日常の一瞬に、ふと去来する心の揺らぎ、意識の流れを描く八篇の本格短篇