池本淳一「武術学校のエスノグラフィー再生産戦略とアイデンティティ構築の視点から」『社会学評論』2013年, 64巻, 2号, p.169-186

【本文】 武術学校とはスポーツ化した「競技武術」の専門課程をもつ中国における私立の体育系学校であり, 1980年代までの間に大学やナショナルチームを中心に発展してきた. 本稿は武術学校における再生産戦略とアイデンティティ構築に着目し, 競技武術の民間…

マーティン・ガードナー著, 高山宏訳『詳注アリス 完全決定版』(2015=2019)

詳注アリス 完全決定版 作者:マーティン・ガードナー,ルイス・キャロル 発売日: 2019/12/18 メディア: 単行本 キャロルの手紙や日記、歴史資料や学問的解釈etc…を駆使して付けられた、300以上の注釈を収録。これまで世界中の画家が描いてきた100枚以上の「ア…

新庄耕著『ニューカルマ』(2016)

ニューカルマ (集英社文庫) 作者:新庄耕 発売日: 2019/03/01 メディア: Kindle版 大手総合電機メーカーの関連会社に勤務するユウキ。かねてから噂されていたリストラが実施され、将来に不安を募らせる中、救いを求めた先はネットワークビジネスの世界だった…

吉見俊哉著『アフター・カルチュラル・スタディーズ』(2019)

アフター・カルチュラル・スタディーズ 作者:吉見 俊哉 発売日: 2019/07/24 メディア: Kindle版 〈文化〉と〈政治〉をめぐる問いを深化させてきたカルチュラル・スタディーズの大いなる蓄積の後に、どのような批判的な知を構築し直せるのか? そして、新自由…

山下泰平著『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』(2019)

「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本 作者:山下 泰平 発売日: 2019/04/26 メディア: 単行本 漱石・鴎外を人気で圧倒しながら今では知名度ゼロの“明治娯楽物語”。その…

江永泉, 木澤佐登志, ひでシス, 役所暁著『闇の自己啓発』(2021)

闇の自己啓発 作者:江永 泉,木澤 佐登志,ひでシス,役所 暁 発売日: 2021/01/21 メディア: Kindle版 現代思想やインターネットカルチャーの最深部を駆けめぐり、未知なる事物と出会うとき、私たちの世界観・人生観は一変する!話題騒然のnote連載読書会「…

牧野智和「「自己」のハイブリッドな構成について考える」『ソシオロゴス』2017年, 41号, p.36-57

【pdf】 自己のあり方、その行為者性のあり方に「モノ」はいかに関係するのか。本稿ではアクターネットワーク理論(ANT)と統治性研究を手がかりにして、自己とモノ、人間と非人間の関係性を考察する視点の錬磨を試みるものである。人間と非人間の関係は科学…

斎藤幸平著『人新世の「資本論」』(2020)

人新世の「資本論」 (集英社新書) 作者:斎藤幸平 発売日: 2020/10/16 メディア: Kindle版 人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利…

ジョナサン・クレーリー著, 石谷治寛訳『24/7 -眠らない社会』(2013=2015)

24/7 :眠らない社会 作者:ジョナサン・クレーリー 発売日: 2015/03/12 メディア: 単行本 資本主義は睡眠を終わらせる。現代社会の「知覚の危機」を考察する長編エッセイ。いまや情報管理社会は、人々の睡眠時間をコントロールするまでに至っている。人々は24…

宮入恭平著『ライブハウス文化論』(2008)

ライブハウス文化論 (青弓社ライブラリー 53) 作者:宮入 恭平 発売日: 2008/05/23 メディア: 単行本 夢を追う若者たちから団塊世代までが集うライブハウス。ロック喫茶・ジャズ喫茶に出自をもち、1960年代にはカウンター・カルチャーを支える一方で、80年代…

鳩飼未緒「日活ロマンポルノと女性観客ー『実録阿部定』が示す親和性」『映像学』2016年, 96巻, p.27-47

【本文】 本稿は日活ロマンポルノの田中登監督作、『実録阿部定』(1975 年)を論じる。異性愛者の男性観客をターゲットに製作され、同時代的にはほぼ男性のみに受容された本作が、想定されていなかった女性観客との親和性を持ち、家父長主義的なジェンダー…

吉田豪著『サブカル・スーパースター鬱伝』(2012→2014)

サブカル・スーパースター鬱伝 (徳間文庫カレッジ) 作者:吉田 豪 発売日: 2014/11/07 メディア: 文庫 昭和平成世紀末、ゼロ年代にIT世代、戦後団塊高度成長、バブル崩壊経済低迷、日本中のあれこれが変革するなか、若者文化の一翼をになったサブカルチャー。…

宮入恭平著『ライブカルチャーの教科書ー音楽から読み解く現代社会』(2019)

ライブカルチャーの教科書 音楽から読み解く現代社会 作者:恭平, 宮入 発売日: 2019/07/29 メディア: 単行本 日本の音楽シーンを牽引するライブ文化。その要点を読み解くために「メディア」「産業」「法律」「教育」などの視点を解説したうえで、フェスやレ…

紙屋牧子「最初期の「皇室映画」に関する考察: 隠される/晒される「身体」」『映像学』2018年, 100巻, p.32-52

【本文】 本稿は最初期の皇室映画(天皇・皇族を被写体とした映画)に焦点をあてる。昭和天皇(当時は皇太子)が1921年に渡欧した際、国内外の映画会社・新聞社によって複数の「皇太子渡欧映画」が撮影され、それが画期的だったということは、これまで皇室研…

安生正著『生存者ゼロ』(2013→2014)

生存者ゼロ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) 作者:安生 正 発売日: 2014/02/06 メディア: 文庫 北海道根室半島沖に浮かぶ石油掘削基地で職員全員が無残な死体となって発見された。陸上自衛官三等陸佐の廻田と感染症学者の富樫らは、政府から被害拡大…

東浩紀著『ゲンロン戦記ー「知の観客」をつくる』(2020)

ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる (中公新書ラクレ) 作者:東浩紀 発売日: 2020/12/11 メディア: Kindle版 「数」の論理と資本主義が支配するこの残酷な世界で、人間が自由であることは可能なのか? 「観客」「誤配」という言葉で武装し、大資本の罠、ネッ…

井上宏「大阪の「笑いの文化」について : 大阪人の生活文化と笑い」『フォーラム現代社会学』2006年, 5巻, p.57-68

【本文】 大阪とはどんな街なのか、「文化」の側面から考えるとき、「笑いの文化」を抜きにして大阪を論じることはできない。大阪では、漫才や落語、喜劇などの「笑いの芸能文化」が盛んであるばかりでなくて、大阪人の生活のなかに、暮らしの仕方の中に「笑…

ベンジャミン・ジェイコブス著, 向井和美訳『アウシュヴィッツの歯科医』(1995=2017)

アウシュヴィッツの歯科医 作者:ベンジャミン・ジェイコブス 発売日: 2018/10/19 メディア: Kindle版 1941年、ポーランドの小さな村のユダヤ人家庭で暮らしていた21歳の青年がナチス・ドイツの強制収容所へ送られる。歯科医の勉強を始めて1年目の彼に…

圓田浩二「ポケモンGO大規模イベントで地域興し・観光誘致は可能か? : ポケモンGOの社会学(5) 」『沖縄大学法経学部紀要』no.30, p.25-39

【本文】 本稿ではポケモンGOを利用した「地域興し・観光誘致は可能か?」という問題を考察する。地方自治体は、各地でポケモンGOのもつ知名度とユーザー数の多さを利用して、地域限定短期集中型イベントを行っている。筆者のフィールド調査と、ネットの記事…

吉武理大「離婚の世代間連鎖とそのメカニズム ―格差の再生産の視点から」『社会学評論』2019年, 70巻, 1号, p.27-42

【本文】 米国の家族研究では,親の離婚経験が,子どもの教育達成や社会経済的地位達成の不利,成人期の貧困や格差の再生産につながりうること,子ども自身の離婚という形で離婚の世代間連鎖が生じていることが明らかになっている.日本でも近年離婚を経験す…

ジム・トンプスン著,三川基好訳『ポップ1280』(1964=2000→2006)

ポップ1280(新装版) (海外文庫) 作者:ジム・トンプスン 発売日: 2019/08/02 メディア: 文庫 ポッツヴィル、人口1280。この田舎町の保安官ニックには、心配事が多すぎる。考えに考えた結果、自分にはどうすればいいか皆目見当がつかない、という結論を得た。…

鈴木鉄忠「惑星社会における「日常生活の網の目」の探究─“うごきそのものへ”にむけた方法論の検討─」『中央大学社会科学研究所年報』2017年, 21巻, pp.97-116

【本文】 This article tries to elaborate a methodological framework for understanding the potential for social movement in networks of everyday life. Based on the discussion of the “planetary society(” Melucci 1996) ⊖a society completely i…

伊藤守著『情動の社会学-ポストメディア時代における”ミクロ知覚”の探求』(2017)

情動の社会学 ―ポストメディア時代における“ミクロ知覚"の探求― 作者:伊藤守 発売日: 2017/10/07 メディア: 単行本(ソフトカバー) 私たちはなぜ、感情に支配されてしまうのか。多様なコミュニケーションツールがあまねく浸透したポストメディア社会。そこ…

マーク・チャンギージー著,柴田裕之訳『ヒトの目、驚異の進化-視覚革命が文化を生んだ』(2009=2012→2020)

ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ (ハヤカワ文庫NF) 作者:マーク・チャンギージー 発売日: 2020/03/05 メディア: Kindle版 アルファベットや漢字など世界各地の文字から、字形を構成するL、X、Kほか19の「文字素」を抽出し出現頻度を解析した著…

富永健一「産業主義の思想と戦後日本の社会」『社会学評論』2008年, 59巻, 1号, p.75-93

【本文】 1. 産業主義ないし産業社会という語は,サン-シモンが彼の思想のキイ・ワードとして作り出したもので,フランス革命(イギリス産業革命がこれに先行していた)後に建設されるべき,産業に基礎をおいた新しい社会体制を意味した.コントはサン-シモ…

蓮實重彥著『見るレッスン-映画史特別講義』(2020)

見るレッスン 映画史特別講義 (光文社新書 1107) 作者:蓮實 重彥 発売日: 2020/12/15 メディア: 新書 見る上で重要なのは、異質なものに晒され、葛藤すること。映画は自分の好きなものを、他人の視点など気にせずに自由に見ればいい。ただし、優れた映画には…

『ユリイカ 2020年12月号』「特集 偽書の世界-ディオニソス文書、ヴォイニッチ写本から神代文字、椿井文書まで」

ユリイカ 2020年12月号 特集=偽書の世界 ーディオニュシオス文書、ヴォイニッチ写本から神代文字、椿井文書までー 作者:馬部隆弘,小澤実,原田実,乗代雄介,呉座勇一 発売日: 2020/11/27 メディア: ムック 古代、中世、近代、歴史の間に間に、偽書は突如現われ…

入江由規「「ゲスト」へと変貌したオタクたち : アニメ聖地巡礼者の交流から」『フォーラム現代社会学』2014年, 13巻, p.58-70

【本文】 本稿の目的は、なぜ、アニメやゲーム、コミックの舞台を訪れる「聖地巡礼者」が、これまで「変わり者」と見なされることの多かった、アニメやゲーム、コミックを愛好するオタクであるにもかかわらず、それらに必ずしも関心のある訳ではない、作品の…

鹿島あゆこ「『時事漫画』にみる「サラリーマン」の誕生」『フォーラム現代社会学』2018年, 17巻, p.78-92

【本文】 サラリーマンという言葉の一般への普及は大正期から昭和初期といわれている。本稿の目的は、この普及に一役買ったといわれる『時事漫画』の検討を通じて、当該時期におけるサラリーマンイメージの形成と展開を明らかにすることである。『時事漫画』…

松田美佐「「遠征」をめぐる人間関係 ― Twitter上で親しくなる過程と社会的場面の切り分けを中心に―」『中央大学社会科学研究所年報』 2019年, 23巻, p.215-232

【本文】 This paper analyses the interviews of university students who engage in ‘Ensei (fan tourism)’, while focusing on their interpersonal relationships. These students mainly use Twitter to get information regarding events and their ti…