梶丸岳「掛け合い歌が駆動するソサイエティ 秋田県の掛け合い歌「掛唄」の場をめぐって」『文化人類学』2018年, 82巻, 4号, p.464-481

【本文】 societyにはあるまとまりを持った人々の統合体という意味と、人々の相互行為を指す意味があ り、日本語では前者を狭義の「社会」、後者を「社交」と呼び分けることができる。社交は社会を 考えるうえで本質的な重要性を持っている。本稿は会話分析…

田中雅一「<格子>と<波>とナショナリズム ー巨大な遺体安置所でLove Tripを聴きながら考えたこと」『文化人類学』2018年, 82巻, 4号, p.425-445

【本文】 本講演の目的は、ここで<格子>と<波>と名付ける二つの社会関係のモードを論じ、それら がどのような形で国家による統治やナショナリズムに関わるのかを考察することである。一方に、 <格子>モードとして、生者を「生ける屍」に変貌させるアー…

佐藤俊樹「データを計量する社会を推論する 「新たな」手法が見せる社会科学と社会」『社会学評論』2017年, 68巻, 3号, p.404-423

【本文】 最近注目されている統計的因果推論やベイズ統計学は, 効果量 (効果サイズ) の分析などとともに, 社会学にも大きな影響をあたえうる. これらは基本的な考え方ではウェーバーの適合的因果や理解社会学と共通しており, 量的データにもテキスト型データ…

高橋信著『マンガでわかる統計学 回帰分析編』(2005)

マンガでわかる統計学 回帰分析編 作者:信, 高橋,いろは, 井上,トレンドプロ 発売日: 2005/09/01 メディア: 単行本 本書は、回帰分析と重回帰分析とロジスティック回帰分析を解説した書籍です。 プロローグ:ノルンへようこそ第1章 基礎知識第2章 回帰分析第…

森口岳「女たちは踊ることができるか? ーカンパラのバーガールのシティズンシップとその「主体性」への再考」『文化人類学』2018年, 83巻, 2号, p.213-232

【本文】 本稿で取り扱うのはアフリカの貧困女性たちのウガンダ、カンパラの都市社会において、家族的なものと性的なものの二つのシティズンシップと、その二つの領域を行き来するバーガールたちの「主体性」をめぐる諸実践についてである。 カンパラの郊外…

齋藤圭介「質的比較分析 (QCA) と社会科学の方法論争」『社会学評論』2017年, 68巻, 3号, p.386-403

【本文】 社会科学の分野において, 政治学者を中心に1990年代後半から定量的研究と定性的研究のあいだで方法論についての論争が生じた. 定量的な方法論が定性的なものよりも科学的であるという主張にたいし, 定性的研究者は反論する過程で方法論・手法を洗練…

岩村忍著『暗殺者教国-イスラム異端派の歴史』(1964→1981→2001)

暗殺者教国―イスラム異端派の歴史 (ちくま学芸文庫) 作者:岩村 忍 発売日: 2001/07/01 メディア: 文庫 ニザリ・イスマイリ教国を奇怪という言葉だけで片付けるわけにはいかない。暗殺を政治手段とするこの王国は、10世紀末から13世紀央まで、バグダードのカ…

木原圭翔「『サイコ』における予期せぬ秘密『ヒッチコック劇場』と映画観客」『映像学』2017年, 97巻, p.24-43

【本文】 リンダ・ウィリアムズが2000年に発表した「規律訓練と楽しみ――『サイコ』とポストモダン映画(“Discipline and Fun: Psycho and Postmodern Cinema”)」は、ミシェル・フーコーによる「規律訓練(discipline)」の概念を援用しながら『サイコ』(Ps…

北田暁大「分野別研究動向(理論) 領域の媒介」『社会学評論』2007 ,年58, 巻 1号, p.78-93

【本文】 富永健一編,2006,『理論社会学の可能性』新曜社. 理論社会学の可能性―客観主義から主観主義まで 発売日: 2006/01/30 メディア: 単行本 数土直紀,2006,「分野別研究動向(数理)」『社会学評論』57(2):436-53.【本文】 吉田民人,2004,「新…

宮川雅充, 井勝久喜, 諸岡浩子, 廣田陽子, 土生真弘 , 青山勳「環境配慮行動および社会活動の実践と生き方志向との関係 -岡山県の大学生を対象とした質問紙調査-」『吉備国際大学研究紀要』2010年, 20号, p.47-55

【本文】

長谷正人「分野別研究動向 (文化) ー「ポストモダンの社会学」から「責任と正義の社会学」へ」『社会学評論』2006年, 57巻, 3号, p.615-633

【本文】 成実弘至 『問いかけるファッション』 問いかけるファッション―身体・イメージ・日本 メディア: 単行本 竹内洋『大学という病―東大紛擾と教授群像』 「戦前の東大経済学部の紛擾を,大森義太郎という(蓮實重彦的な意味で)「凡庸」な学者を狂言回し…

田畑真一「代表関係の複数性 ―代表論における構築主義的転回の意義―」『年報政治学』2017年, 68巻, 1号, p.181-202

【本文】 本稿の目的は, 「代表関係の複数性」 を強調する近年の代表論を 「構築主義的転回」 という観点から捉え, その理論的射程を検討することにある。まず, 従来の代表論の特徴をH・ピトキンの代表論に確認し, そこでの本人―代理人関係という構図を乗り…

善教将大, 秦正樹「なぜ「わからない」 が選択されるのか : ─サーベイ実験による情報提示がDKに与える影響の分析─」『年報政治学』2017年, 68巻, 1号, p.159-180

【本文】 本稿の目的は, 政治意識調査における 「わからない (「DK」)」 の発生メカニズムを, サーベイ実験により明らかにすることである。先行研究ではDKの規定要因として政治関心や政治知識の欠如が指摘されてきたが, 本稿は回答者に情報を与えることがか…

石川敬史「アメリカ革命期における主権の不可視性」『年報政治学』2019 年, 70巻, 1号, p.96-116

【本文】 一七七六年にイギリス領北アメリカ植民地がヨーロッパ諸国に公表した 「独立宣言」 は、イギリス本国において一六八八年の名誉革命を経て形成された議会主権が植民地にも及ぶという主張に対する異議申し立てであった。 一七八三年のパリ条約で独立…

林凌「消費空間としての郊外を作り上げる―日本の小売店舗郊外化における知識ネットワークの役割―」『年報社会学論集』2017年, 2017巻, 30号, p.110-121

【本文】 This paper explains the role of knowledge networks in the suburbanization of chain stores by focusing on the discourse in retail consultants' contributions to trade magazines in the early 1960s. Previous studies had been unable to…

川山竜二「反省理論と科学システムの衝突―機能システムの内部構造論に向けて―」『年報社会学論集』2018年, 2018巻, 31号, p.36-47

【本文】 This study examines the relationship between reflexivity in functional systems and science as a functional system from the viewpoint of functional differentiation. We discuss the internal structure of functional systems and the co…

Jeconiah Louis Dreisbach「MNL48 and the Idol Culture Phenomenon: An Emerging Manifestation of Japanese Soft Power in the Philippines」『Educatum Journal of Social Sciences』 4(1), p.60-66.

【本文】 AKS, the talent agency that manages idol groups in Japan, announced in 2016 that they will be establishing AKB48 sister groups in Thailand (BNK48), the Philippines (MNL48), and Taiwan (TPE48). The Groups of 48, commonly referred t…

北田暁大「「ポスト構築主義」としての「プレ構築主義」ーWeberとPopperの歴史方法論を中心に」『社会学評論』2004年, 55巻, 3号, p.281-297

【本文】 「過去 (歴史) は記述者が内在する〈現在〉の観点から構築されている」という歴史的構築主義のテーゼは, 公文書の検討を通じて歴史命題の真偽を探究し続けてきた実証史学に, 少なからぬインパクトを与えた.「オーラル・ヒストリーをどう位置づける…

中河伸俊「構築主義とエンピリカル・リサーチャビリティ」『社会学評論』2004年, 55巻, 3号, p.244-259

【本文】 社会的構築のメタファーが流布するとともに, その意味するところは多義化し, 探究の方法上の指針としてだけでなく, 批判のための一種の「イズム」として使われるようにもなっている.そうした「構築」系の “バベルの塔” 状況を整理するために, 本稿…

竹村和子「修辞的介入と暴力への対峙 〈社会的なもの〉はいかに〈政治的なもの〉になるか」『社会学評論』2004年, 55巻, 3号, p.172-188

【本文】 本論は, 本質主義と構築主義の二項対立を脱構築し, 現在の性制度に政治的介入をする可能性を探ろうとしたものである.社会構築主義は社会を本質化する傾向があるという前提のもとに, 本質主義そのものを従来の捉え方から置換しようとする動きが最近…

野村 佳絵子, 黒田浩一郎「戦後日本の健康至上主義 健康に関する書籍ベストセラーの分析を通して」『社会学評論』2005年, 55巻, 4号, p.449-467

【本文】 日本では, 1970年代の半ば頃から, 人びとの健康への関心が高まり, それまでよりも多くの人びとが健康を維持・増進するための行動を心がけるようになったといわれている.周知のとおり, これらの現象は「健康ブーム」と呼ばれている.医療社会学では, …

深田三徳「法の支配をめぐる諸問題の整理と検討」『法哲学年報』2006年, 2005巻, p.7-17, 200

【本文】 “The Rule of law” has been used in different meanigs. But this is a legal and political ideal or principle, and there are three kinds of the rule of law. First is the rule of law in the modern constitutional laws of Western countr…

阿部利洋「東南アジア・メコン地域におけるアフリカ人サッカー選手 ―役割期待・リスク・戦略―」『フォーラム現代社会学』2019年, 18巻, p.31-44

【本文】 国際的な文脈におけるアフリカ人プロサッカー選手の活躍により、アフリカ人移民選手に注目するサッカー社会学の研究が増えてきた。こうした先行研究の多くには欧州市場を対象とし、そこにおける移民供出国と受け入れ国の間の経済格差を批判的に検討…

高橋信著『マンガでわかる統計学 因子分析編』(2006)

マンガでわかる統計学 因子分析編 作者:高橋 信,井上 いろは,トレンド・プロ 発売日: 2006/10/26 メディア: 単行本 『マンガでわかる統計学』『マンガでわかる統計学回帰分析編』それぞれの登場人物が総登場。前2作をお読みいただいた方は必読です。 プロロ…

池田裕「自己利益と福祉国家への支持 ―経済発展と所得格差の役割―」『フォーラム現代社会学』2019年, 18巻, p.3-17

【本文】 自己利益の仮定によれば、社会経済的に不利な立場にある人ほど、福祉国家から利益を得る可能性が高いので、福祉国家を支持する傾向が強い。それゆえに、女性は男性よりも福祉国家に好意的であり、職業的地位が高い人ほど福祉国家に好意的でないと考…

Alvaro David Hernandez Hernandez「ファン研究における理論の紹介 : 文化産業と大衆社会への批判から、ファン文化におけるナルシシズムへの批判まで」『社会学雑誌』神戸大学社会学研究会, 2019年, 35/36巻, p.226-247

【本文】

篠原雅武著『人新世の哲学-思弁的実在論以後の「人間の条件」』(2018)

人新世の哲学: 思弁的実在論以後の「人間の条件」 作者:雅武, 篠原 発売日: 2018/01/22 メディア: 単行本 人類の活動による大規模な環境変動は地球の姿を変え、地質学的に新たな時代「人新世」に突入している、ノーベル賞受賞科学者クルッツェンはそう述べた…

ピフォー ガルベス, マルセロ「日本におけるイスパノアメリカ人日本文化ファンの実践とアイデンティティー -ファン文化の内部的な分離と共通点の事例-」『教育・社会・文化 : 研究紀要』京都大学大学院教育学研究科 教育社会学講座, 2020年, 20巻, p.29-48

【本文】

佐々木啓, 田上大輔「〈秩序〉と〈規範〉をめぐる一考察 —エスノメソドロジーとヴェーバー社会学の視点から—」『年報社会学論集』2015年, 2015巻, 28号, p.100-111

【本文】 This paper demonstrates the relationship between ethnomethodology and Max Weber's sociology. Ethnomethodology has often been criticized by other sociologists for its research policy and attitudes. To counter such criticism, first …

福永真弓「生に「よりそう」―環境社会学の方法論とサステイナビリティ―」『環境社会学研究』2014年, 20巻, p.77-99

【本文】 本稿の目的は,サステイナビリティという概念に環境社会学がどのように向きあうべきなのか,その概念において何を独自に示すことができるのか,を考えることである。本稿ではそのためにまず,サスティナビリティがたんなる言葉としてではなく,統治…