園田茂人「食文化の変化にみる東アジアのグローバル化 ーアジアバロメーターのデータ分析から」『社会学評論』2009年, 60巻, 3号, p.396-414

【本文】 東アジアのグローバル化を論じる際に,文化,とくに食文化の変容に焦点が当てられるのは稀で,特定の料理がどのように受容されるにいたるかを研究した例は少なくないものの,各地でどのような食が好まれているかを分析した実証研究は皆無に等しい.…

ジャン=ジャック・ヴュナンビュルジェ著,川那部和恵訳『聖なるもの』(1981→2015=2018)

聖なるもの (文庫クセジュ) 作者:ジャン=ジャック・ヴュナンビュルジェ 発売日: 2018/02/21 メディア: 新書 本書は、聖の実践と理論をもとに、聖なるものに関する経験、制度および概念論を大きく通観する。学術的参照範囲は広く、これまで人文科学系の諸分野…

南谷えり子,井伊あかり著『ファッション都市論-東京・パリ・ニューヨーク』(2004)

東京・パリ・ニューヨーク ファッション都市論 (平凡社新書) 作者:えり子, 南谷,あかり, 井伊 発売日: 2004/10/01 メディア: 新書 世界のファッション先端都市―東京・パリ・ニューヨーク。パリは「ファッションの都」として君臨しているが、そこに住む人は「…

小河原あや「ヒッチコック『ロープ』の長廻し移動撮影とショット繋ぎにおける「精神/道徳的」表現 ーロメール&シャブロルの議論を導き手に」『映像学』2014年, 93巻, p.23-40,94-95

【本文】 Hitchcock's famous use of long takes and a tracking camera in Rope (1948) was criticized by Truffaut and others as being a rejection of montage. Hitchcock himself considered the film 'pure cinema' - the movement of camera and perf…

江本紫織「能動的プロセスとしての写真 ーコンテクストに対する有機的関わりの点から」『映像学』2016年, 96巻, p.110-129

【本文】 これまで写真は、コンテクストやプロセスに対して受動的な位置付けを与えられてきた。その要因となってきたのは、撮影・呈示におけるコード化、観賞でのコンテクストによる意味の規定である。しかし誰もが写真の撮影者・呈示者・観者になり、それぞ…

鈴木啓文「カサヴェテス作品に見る揺れ動く情動、変様する身体 ーもう一つのスピノザ-ドゥルーズ的な映画身体」『映像学』2018年, 100巻, p.73-91

【本文】 従来、映画のショック体験がしばしば論じられてきた。対して、本論は触発し変様する映画身体の体験を考える。そのためにまず、ショック体験やイメージの強度的体験を重視するドゥルーズの『シネマ』とドゥルーズ的な映画身体論を確認する。そのうえ…

岡島紳士, 岡田康宏著『グループアイドル進化論-「アイドル戦国時代」がやってきた!』(2011)

グループアイドル進化論 (マイナビ新書) 作者:岡島 紳士,岡田 康宏 発売日: 2011/01/24 メディア: Kindle版 80年代のおニャン子クラブから、モーニング娘。を経て、AKB48へ。時代とともに移り変わってきた人気グループアイドルの成り立ちと変遷を追うことで…

河村裕樹「精神医療の社会学的記述にむけて ー参与者の志向に即した記述」『現代社会学理論研究』2019年, 13巻, p.83-95

【本文】 近年、精神医学的な知識や医療をめぐって大きな変化が生じている。ひとつには地域移行が、もうひとつには精神医療の参与者と精神医学的な知識とのかかわり方の変容があげられる。本稿ではこうした変容を受け、社会学は精神医療や精神医学的知識につ…

安部孝典「トリュフォー映画における死のイメージ再考」『映像学』2020年, 104巻, p.179-197

【本文】 フランソワ・トリュフォーの映画で描かれる人物の死は、写真や肖像画のような不動化されたイメージとしばしば関連づけられ論じられてきた。しかし、トリュフォー作品に見られる死のイメージは静的なイメージだけではなく、ある種の運動状態にあるイ…

真鍋公希「『空の大怪獣ラドン』における特撮の機能 ー怪獣映画の「アトラクション」をめぐって」『映像学』2018年, 99巻, p.25-45

【本文】 円谷英二が特技監督を務めた『空の大怪獣ラドン』(1956 年、以下『ラドン』)は、公開当時から高く評価されている作品である。しかし、特撮映画に関する先行研究は『ゴジラ』(1954 年)ばかり注目してきたため、本作はほとんど分析されてこなかっ…

小池勝也「室町期鶴岡八幡宮寺における別当と供僧」『史学雑誌』2015年, 124巻, 10号, p.1699-1735

【本文】 The aim of the present article is to examine the historical development of the Tsuruoka Hachiman Shrine (present day Kamakura, Kanagawa Prefecture) during the Muromachi period, a subject that has not been given serious attention f…

スベン・クラーマー 「「宗教都市」天理市の誕生 その問題点と市町村合併史上の意味」『史学雑誌』2017年, 126巻, 8号, p.54-76

【本文】 1953年10月から実施された「昭和の大合併」は日本の第2次大規模市町村合併政策である。それは各都道府県の市町村を対象にし、市町村の数を3分の1に減らすという目標で実施された。主な目的は戦後の地方行政団体(兼自治体)の財政危機の解決だとさ…

ジェイミー・バートレット著, 秋山勝訳『操られる民主主義-デジタル・テクノロジーはいかにして社会を破壊するか』(2018=2018→2020)

操られる民主主義 デジタル・テクノロジーはいかにして社会を破壊するか 作者:ジェイミー・バートレット 発売日: 2018/09/25 メディア: Kindle版 いつのまにか「私の考え」が誘導されていた?SNSが人びとの抑えられた感情を増幅し、ビッグデータが自由な判断…

三田知実「衣料デザインのグローバルな研究開発拠点としての都市細街路 ―東京都渋谷区神宮前における住宅街からの変容過程―」『日本都市社会学会年報』2013年, 2013巻, 31号, p.61-76

【本文】 The purpose of this paper is to describe the process in which residential close alleys developed into the global hub for clothing design by using the case study of Jingu-mae, in Shibuya, Tokyo, and to discuss this transformation f…

桑原夏子「最古の聖母晩年伝壁画のテキスト研究 ーローマ、フォルトゥーナ・ヴィリーレ 神殿あるいはサンタ・マリア・デ・セクンディチェリオ聖堂壁画(872年─882年)」『美学』2017年, 68巻, 2号, p.25-

【本文】 My paper shows one of the textual sources for the wall painting of the temple of Fortuna Virile (the church of Santa Maria di Secundicerio) (Italy, Rome, 872-882) which presents the Marian cycle with her last days, the story of St…

譲原晶子「バレエにおけるアラベスクとグロテスク」『美学』2018年, 69巻, 1号, p.121-

【本文】 The arabesque, a figure symbolic of ballet, was first defined as body attitude by Italian ballet master Calro Blasis. Falcone discusses a strong influence on Blasis’ theory from artists who took inspiration from the frescoes of He…

玉田健太「夢の交点/欲望の対立 ヴィンセント・ミネリ ー『ボヴァリー夫人』のニューロティック・ワルツ」『映像学』2016年, 96巻, p.48-67

【本文】 本論文はヴィンセント・ミネリ監督による1949 年公開のハリウッド映画『ボヴァリー夫人』について論じる。本作は先行研究において、ヒロインであるエマの欲望とその抑圧を中心に論じられてきた。それに対して本論文は、フローベールによる原作小説…

毛塚和宏「個人主義の浸透は恋愛結婚の普及に寄与したか ー選好の進化アプローチによる説明」『社会学評論』2017年, 68巻, 2号, p.194-212

【本文】 本稿の目的は「個人主義の浸透により恋愛結婚が普及した」という個人主義仮説を, フォーマル・アプローチによって検討することで, 新たな理論的説明を提示することである. 個人主義仮説は, 「家」や「分」を重視するような集団主義的な人々は見合い…

馬定延「スクリーンとポストプロダクション:現代美術の映像表現をめぐって」『映像学』2019年, 102巻, p.6-13

【本文】

関口敦仁「“ザイケン”からみる日本の現代美術での映像表現の受容」『映像学』2019年, 102巻, p.14-23

【本文】

平井秀幸「ポスト・リスクモデルの犯罪者処遇へ? (課題研究:犯罪社会学におけるリスク社会論の意義)」『犯罪社会学研究』2016年, 41巻, p.26-46

【本文】 理論犯罪学の伝統的理解では,規律から管理へと犯罪統制トレンドが変化するなかで,リスクは犯罪者処遇ではなく犯罪予防やリスク人口層の管理と結びつくようになっているとされる.しかし,そうした理解は経験的・理論的に見て必ずしも妥当なもので…

ネイト・シルバー著, 川添節子訳『シグナル&ノイズ -天才データアナリストの「予測学」』(2012=2013)

シグナル&ノイズ 天才データアナリストの「予測学」 作者:ネイト・シルバー 発売日: 2013/11/28 メディア: 単行本 「私たちはシグナルを探そうとしてノイズを集めている」米大統領選で「オバマの勝利」を完璧に予測し、世界を騒然とさせた希代のデータアナリ…

田中智仁「万引きの被疑者に対するセレクティブ・サンクション ー文化的側面と保安警備業務に着目した考察」『犯罪社会学研究』2018年, 43巻, p.42-56

【本文】 2010年から全ての万引きが警察へ通報されることになったが,万引き対策には多様な価値観が反映されており,店舗内処理も残存している.本稿の目的は,万引き対策の歴史的変遷を概観し,文化的側面と保安警備業務に着目した上で,万引きに関する有識…

周[イ]生, 小泉國茂「冷蔵庫を事例とした日中間のグローバルリサイクルシステムの環境影響評価」『政策科学』立命館大学政策科学会, 2005年, 13巻, 1号, p.43-52

【本文】 アジアの経済発展と共に貿易構造の多角化が進み、消費国と生産国間の資源循環量が激増している。生産国で生産され、消 費国で廃棄物となった資源が、生産国に循環することによって新たな枯渇性資源採掘が抑制され、資源問題と環境問…

網谷龍介「20世紀ヨーロッパにおける政党デモクラシーの現実モデル ―H. ケルゼンの民主政論を手がかりに―」『年報政治学』2016年, 67巻, 2号, p.78-98

【本文】 本論文は, 議会制デモクラシーをめぐるわれわれの理解について, 歴史的な視点から再検討を行うものである。現在, 民主政の経験的研究においては, 「競争」 を鍵となるメカニズムとするのが通例である。本論文はこのような想定を相対化し, 「競争」 …

阪口祐介「犯罪リスク知覚の規定構造 ー国際比較からみる日本の特殊性」『社会学評論』2008年, 59巻, 3号, p.462-477

【本文】 本稿は,いかなる社会的属性を持つ人びとが犯罪被害のリスクを感じており,それはなぜなのか,について明らかにする.1960年代から欧米ではじまる犯罪不安の実証研究は,女性,高齢者,低階層の人びとが犯罪被害のリスクを感じやすいことを明らかに…

佐藤友哉著『灰色のダイエットコカコーラ』(2007)

灰色のダイエットコカコーラ (星海社文庫) 作者:佐藤 友哉 発売日: 2013/11/08 メディア: 文庫 「覇王」として君臨した祖父の高みに至るべく、「特別な自分」を信じ続けようとする「僕」。北海道の片隅で炸裂する孤独な野望の行き着く先は、「肉のカタマリ」…

小林麻衣, 堀毛一也, 北村英哉「学業場面における誘惑対処方略の有効性の検討」『心理学研究』2018年, 88巻, 6号, p.525-534

【本文】 This two-part study aimed to examine the effects of temptation coping strategies on self-control when faced with a conflict between academic goals and temptations. The results of Study 1 indicated that the general use of temptatio…

ヤマザキマリ著『国境のない生き方-私をつくった本と旅』(2015)

国境のない生き方 -私をつくった本と旅-(小学館新書) 作者:ヤマザキマリ 発売日: 2015/04/17 メディア: Kindle版 14歳で欧州一人旅、17歳でイタリア留学。住んだところは、イタリア、シリア、ポルトガル、アメリカ。旅した国は数知れず。ビンボーも挫折…

内田遼介, 寺口司, 大工泰裕「運動部活動場面での被体罰経験が体罰への容認的態度に及ぼす影響」『心理学研究』2020年, 91巻, 1号, p.1-11

【本文】 Corporal punishment in the setting of extracurricular school sport activities (bukatsu in Japan) has attracted public attention since 2013. Previous research studies attempted to characterize the actual conditions of corporal puni…