読書

ロイ・リチャード・グリンカー著,高橋洋訳『誰も正常ではない-スティグマは作られ、作り変えられる』(2021=2022)

誰も正常ではない――スティグマは作られ、作り変えられる 作者:ロイ・リチャード・グリンカー みすず書房 Amazon 正常・異常をめぐるスティグマは、ただ漫然と生じたものではない。科学や医学はつねに権威をもって「異常」とすべきもののカテゴリーを作りだし…

ドン・ウィンズロウ著,田口俊樹訳『業火の市』(2021=2022)

業火の市 (ハーパーBOOKS) 作者:ドン ウィンズロウ ハーパーコリンズ・ジャパン Amazon 1986年アメリカ東海岸。ダニーは通称ドッグタウンを仕切るアイルランド系マフィア・ファミリーの片隅に身を置いているが、昔からの仲間と平穏に暮らしている。とこ…

ステファニー・ケルトン著,土方奈美訳『財政赤字の神話-MMTと国民のための経済の誕生』(2020=2020)

財政赤字の神話: MMTと国民のための経済の誕生 作者:ステファニー・ケルトン 早川書房 Amazon 政府は通貨の発行体であり、無限の支出能力を持つ。緊縮なんてもってのほか、国民の幸福のための財政出動を! MMT(現代貨幣理論)の主唱者が財政赤字にまつわ…

藤原辰史著『トラクターの世界史-人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち』(2017)

トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち (中公新書) 作者:藤原辰史 中央公論新社 Amazon 19世紀末にアメリカで発明されたトラクター。直接土を耕す苦役から人類を解放し、作物の大量生産を実現。近代文明のシンボルとしてアメリカは民間主導、…

金井久美子,金井美恵子著『鼎談集 金井姉妹のマッド・パーティーへようこそ』(2021)

鼎談集 金井姉妹のマッド・ティーパ-ティーへようこそ 作者:金井久美子,金井美恵子 中央公論新社 Amazon 蓮實重彦、大岡昇平、西江雅之、篠山紀信ら9人のゲストを迎えてくり広げられる知的興奮に満ちた鼎談集。相手への敬意と、尊敬とちょっぴりの揶揄……。会…

田島悠来編『アイドル・スタディーズ -研究のための視点、問い、方法』(2022)

アイドル・スタディーズ――研究のための視点、問い、方法 作者:田島 悠来,上岡 磨奈,石井 純哉,香月 孝史,青田 麻未,関根 禎嘉,大尾 侑子,陳 怡禎,松本 友也,中村 香住 明石書店 Amazon これまでの研究動向を整理しつつ、最新の研究事例や実践を紹介すること…

古田徹也著『それは私がしたことなのか -行為の哲学入門』(2013)

それは私がしたことなのか: 行為の哲学入門 作者:古田徹也 新曜社 Amazon 自然法則に支配され,運に翻弄されているかに見える人間。意のままにならないこの世界で,われわれはどこまで自由なのか。「私」という不完全な行為者の意思,責任,倫理を問い直し,…

ベン・グリーン,中村健太郎,酒井康史訳『スマート・イナフ・シティ -テクノロジーは都市の未来を取り戻すために』(2019=2022)

スマート・イナフ・シティ: テクノロジーは都市の未来を取り戻すために 作者:ベン・グリーン 人文書院 Amazon 過剰なテクノロジー信仰がもたらす「技術中心の」スマート・シティを回避するにはどうすべきか。 序謝辞 1章 スマート・シティ---水平線上の新時…

辻仁成著『なぜ、生きてみるのかと考えてみるのが今かもしれない』(2020)

なぜ、生きているのかと考えてみるのが今かもしれない 作者:辻 仁成 あさ出版 Amazon フランス在住の作家・辻仁成氏が、新型コロナの感染拡大とともに変化する生活の様子をしたためたDesing Storiesのブログを緊急出版!新型コロナによって、「生」や「死」、…

青木耕平、加藤有佳織、佐々木楓、里内克巳、日野原慶、藤井光、矢倉喬士、吉田恭子著『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』(2020)

現代アメリカ文学ポップコーン大盛 作者:青木耕平,加藤有佳織,佐々木楓,里内克巳,日野原慶,藤井光,矢倉喬士,吉田恭子 書肆侃侃房 Amazon 「web侃づめ」の人気連載ついに書籍化。ブラック・ライブズ・マター(BLM)、ノーベル文学賞を受賞したばかりの詩人ル…

本格ミステリ作家クラブ選・編『ベスト本格ミステリ2018』(2018)

ベスト本格ミステリ2018 (講談社ノベルス) 作者:大山誠一郎,法月綸太郎,東川篤哉,水生大海,西尾維新,城平京,有栖川有栖 講談社 Amazon 2017年に発表された本格ミステリの短編と評論から、本格ミステリのプロフェッショナルが選びぬいたベスト作品集!――今…

『ユリイカ 2022年9月号』「特集 Jホラーの現在-伝播する映画の恐怖」

ユリイカ2022年9月号 特集=Jホラーの現在 ―伝播する映画の恐怖― 作者:高橋洋,大島清昭,小中千昭,佐々木友輔,田辺青蛙,かぁなっき,寺内康太郎,皆口大地 青土社 Amazon ❖インタビュー恐怖の感覚のありか / 高橋洋 聞き手=宮本法明 ❖どこから来たのか、どこへ…

小泉義之著『哲学原理主義』(2022)

哲学原理主義 作者:小泉義之 青土社 Amazon 政治や歴史といった概念と、倫理や刑法といったルールと、生老病死や福祉といった現実と、言葉や文学といったイメージと、予断も間断もなく向き合いつづけてきた哲学者の集大成。「もっと高いもの」を求め、あらゆ…

塩田武士著『騙し絵の牙』(2017→2019)

騙し絵の牙 (角川文庫) 作者:塩田 武士 KADOKAWA Amazon 出版界と大泉洋という二つの「ノンフィクション」を題材に書く社会派にして本格ミステリー 『罪の声』を発表し、社会派ミステリーの新たな旗手に名乗り出た、塩田武士。第七回山田風太郎賞を受賞し「…

青山南編訳『パリ・レビュー・インタビューⅡ 作家はどうやって小説を書くのか、たっぷり聞いてみよう!』(2015)

作家はどうやって小説を書くのか、たっぷり聞いてみよう! (パリ・レヴュー・インタヴュー II) 岩波書店 Amazon 「ときどき運良く自分の力以上のものが書けたりする。」(ヘミングウェイ)「わたしは無教養な技術屋だからさ。」(ヴォネガット)――ガルシア=マルケ…

飯田泰之著『ゼロから学ぶ経済政策ー日本を幸福にする経済政策のつくり方』(2010)

ゼロから学ぶ経済政策 日本を幸福にする経済政策のつくり方 (角川oneテーマ21) 作者:飯田 泰之 角川書店(角川グループパブリッシング) Amazon 経済政策の基本である「成長政策」「安定化政策」「再分配政策」を、日銀の政策や年金問題など具体例をもとにわか…

戸田山和久著『知識の哲学』(2002)

知識の哲学 (哲学教科書シリーズ) 作者:戸田山 和久 産業図書 Amazon これまでの知識の哲学を解体し、自然現象としての知識を捉える新たな認識論のパラダイムを構築する、ユニークな教科書。 第1部 知識の哲学が生まれる現場1(なにが知識の哲学の課題だっ…

ジュディス・バトラー,エルネスト・ラクラウ,スラヴォイ・ジジェク著,竹村和子,村山敏勝訳『偶発性・ヘゲモニー・普遍性-新しい対抗政治への対話』(2000=2002→2019)

偶発性・ヘゲモニー・普遍性 ―新しい対抗政治への対話― 新装版 作者:ジュディス・バトラー,エルネスト・ラクラウ,スラヴォイ・ジジェク 青土社 Amazon 新しい民主主義のための政治理論をいかに創造するか。フェミニズム、クィア理論のバトラー、ポスト・マル…

藤沢数希著『ぼくは愛を証明しようと思う。』(2015→2018)

ぼくは愛を証明しようと思う。 (幻冬舎文庫) 作者:藤沢数希 幻冬舎 Amazon 「恋愛なんて、ただの確率のゲーム。正しい方法論があるんだ」。恋人に捨てられ、気になる女性には見向きもされない二十七歳の弁理士、渡辺正樹は、クライアントの永沢にそう告げら…

ガイ・ドイッチャー著,椋田直子訳『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』(2010=2012→2022)

言語が違えば、世界も違って見えるわけ (ハヤカワ文庫NF) 作者:ガイ ドイッチャー 早川書房 Amazon <言語が変われば、見る空の色も変わる>古代ギリシャの色彩から、未開社会のひとびとの空間感覚、母語が知覚に影響する脳の仕組みまでーー言語が世界観を変…

三谷太一郎著『日本の近代とは何であったか-問題視的考察』(2017)

日本の近代とは何であったか――問題史的考察 (岩波新書) 作者:三谷 太一郎 岩波書店 Amazon 政党政治を生み出し、資本主義を構築し、植民地帝国を出現させ、天皇制を精神的枠組みとした日本の近代。バジョットが提示したヨーロッパの「近代」概念に照らしなが…

加藤文元著『数学する精神-正しさの想像、美しさの発見』(2007)

数学する精神 増補版 正しさの創造、美しさの発見 (中公新書) 作者:加藤文元 中央公論新社 Amazon 数学における「正しさ」とは何だろうか。公式や証明は絶対的に正しいもので、揺るぎない「神の知」だと思っている人も少なくないだろう。しかし数学を創った…

鷹鳥屋明著『私はアラブの王様たちとどのように付き合っているのか?』(2021)

私はアラブの王様たちとどのように付き合っているのか? (星海社 e-SHINSHO) 作者:鷹鳥屋明 講談社 Amazon “中東きっての有名日本人”の稀有な実体験から知る、私たちの知らないアラブ世界 豪奢な石油王、ラクダとともに生きる砂漠世界、はたまた暗殺者が横行…

横倉祐貴,ジェフリ・フォーセット,土井琢身,瀧雅人著,初田哲夫,坪井俊編『数理は世界を創造できるか-宇宙・生命・情報の謎にせまる』(2021)

数理は世界を創造できるか: 宇宙・生命・情報の謎にせまる 作者:横倉 祐貴,ジェフリ フォーセット,土井 琢身,瀧 雅人 東京大学出版会 Amazon 数理的な視点で探ると新たな世界がみえてくる!? ブラックホールにリンゴを入れるとどうなるの? ヒトの設計図はゴ…

築地正明著『わたしたちがこの世界を信じる理由-『シネマ』からのドゥルーズ入門』(2019)

わたしたちがこの世界を信じる理由: 『シネマ』からのドゥルーズ入門 作者:築地正明 河出書房新社 Amazon ドゥルーズの映画論にして哲学的な頂点「シネマ」を論じながら、この世界と闘い、この世界を信じるための思考と倫理をさぐる俊英のデビュー作。「シネ…

関めぐみ著『〈女子マネ〉のエスノグラフィー-大学運動部における男同士の絆と性差別』(2018)

〈女子マネ〉のエスノグラフィー(大学運動部における男同士の絆と性差別) 作者:関 めぐみ 晃洋書房 Amazon 女性とスポーツの新たな関係はつくりだせるのか? 〈女子マネ〉の経験をエスノグラフィーとして描くことで,その多様性を伝え,社会的に付与されている…

稲田豊史著『映画を早送りで観る人たちーファスト映画・ネタバレーコンテンツ消費の現在形』(2022)

映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~ (光文社新書) 作者:稲田 豊史 光文社 Amazon なぜ映画や映像を早送り再生しながら観る人がいるのか――。なんのために? それで作品を味わったといえるのか?著者の大きな違和感と…

小川哲著『ゲームの王国』(2017→2019)

ゲームの王国 上 (ハヤカワ文庫JA) 作者:小川 哲 早川書房 Amazon ゲームの王国 下 (ハヤカワ文庫JA) 作者:小川 哲 早川書房 Amazon サロト・サル―後にポル・ポトと呼ばれたクメール・ルージュ首魁の隠し子とされるソリヤ。貧村ロベーブレソンに生を享けた、…

空井護著『デモクラシーの整理法』(2020)

デモクラシーの整理法 (岩波新書 新赤版 1859) 作者:空井 護 岩波書店 Amazon 政治の主役である私たちは、デモクラシーについて十分に納得できているか。政治とは何かから始め、デモクラシーとはいかなる政治の仕組みか、「古典風」と「現代風」という二つの…

アシュリー・ミアーズ著,松本裕訳『グローバル・パーティーサーキットの社会学』(2020=2022)

VIP――グローバル・パーティーサーキットの社会学 作者:アシュリー・ミアーズ みすず書房 Amazon 元モデル研究者が超富裕層のパーティー界に潜入し、「モデルとボトル」の世界を分析。いかにして女性美は男のステータスに転換されるか? 「蚊に刺され、午後の…