読書

大岡信著『新潮美術文庫 25 ドガ』(1974)

ドガ (新潮美術文庫 25) 作者:大岡 信 新潮社 Amazon 劇的な波瀾もなく孤独な生涯を送ったドガは、洗濯女、踊り子、競馬などの油絵やパステルに、自然の瞬間的形象を不滅化した。その秘められた内面の過程を解明する。

クレア・マックール, レイチェル・ワイズマン著,木下頌子訳『オックスフォードの女性哲学者たち -もうひとつの20世紀哲学史』(2022=2025)

オックスフォードの女性哲学者たち:もうひとつの20世紀哲学史 作者:クレア マックール;レイチェル ワイズマン 青土社 Amazon 戦時下の大学で哲学に再び命を吹き込んだのは、4人の女性たちだった。第二次世界大戦前夜、4人の女性たち——アンスコム、マード…

舟津昌平著『Z世代化する社会 -お客様になっていく若者たち』(2024)

Z世代化する社会―お客様になっていく若者たち 作者:舟津 昌平 東洋経済新報社 Amazon 「近頃の若者は・・・」と嘆くあなたも「Z世代化」している!? ゆとり世代の東大講師がコミカルに語る衝撃の若者論 はじめに──Z世代を語る意味第1章 Z世代の住処──…

高橋明也著『もっと知りたいマネ ー生涯と作品』(2010)

もっと知りたいマネ 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション) 作者:高橋 明也 東京美術 Amazon □西欧の美術を根本から変革した近代の立役者の一人、マネ。その横顔は気さくで快活、誰もが好きにならずにいられない洗練されたパリジャン、そして画壇屈…

中川右介著『松田聖子と中森明菜 -1980年代に起きたアイドル革命』(2025)

松田聖子と中森明菜 1980年代に起きたアイドル革命 (朝日新書) 作者:中川右介 朝日新聞出版 Amazon 相反する思想と戦略をもち、80年代消費社会で圧倒的に支持された二人の歌姫。背後で蠢くレコード会社や芸能プロ、作詞家、作曲家らの野望の間をすり抜けて、…

ピーター・ボグダノヴィッチ著,井上正昭訳『映画監督に著作権はない フリッツ・ラング』(1967=1995)

映画監督に著作権はない (リュミエール叢書 22) 作者:フリッツ ラング,ピーター ボグダノヴィッチ 筑摩書房 Amazon 若くして戦前ドイツの巨匠となりながらナチスの協力要請を逃れたラングが、亡命先で撮った二十二本の「アメリカ映画」について、ボグダノヴ…

松本透著『もっと知りたいカンディンスキー ー生涯と作品』(2016)

もっと知りたいカンディンスキー 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション) 作者:松本 透 東京美術 Amazon 抽象表現の開拓者の1人であった画家カンディンスキー。ミュンヘン、モスクワ、ワイマール、パリ…。2つの世界大戦と革命をくぐり抜けたカンディ…

北山忍著『文化が違えば、心も違う? ー文化心理学の冒険』(2025)

文化が違えば、心も違う?: 文化心理学の冒険 (岩波新書) 作者:北山 忍 岩波書店 Amazon 文化が違えば人の考え方も変わる。では、文化の違いはどこから生まれる? 文化はこころにどのような影響を与えている? 人類の歴史や地球の生態から、脳神経や遺伝情報…

姫野カオルコ著『彼女は頭が悪いから』(2018→2021)

彼女は頭が悪いから (文春文庫) 作者:姫野 カオルコ 文藝春秋 Amazon 2019年に上野千鶴子さんの東大入学祝辞や様々な媒体で取り上げられた話題作が文庫で登場!横浜市青葉区で三人きょうだいの長女として育ち、県立高校を経て中堅の女子大学に入った美咲と、…

荻上チキ著『もう一人、誰かを好きになったとき -ポリアモニーのリアル』(2023)

もう一人、誰かを好きになったとき―ポリアモリーのリアル― 作者:荻上チキ 新潮社 Amazon 相手の合意を得たうえで、ふたり以上の恋人やパートナーを持つ――そのような関係性をポリアモリーという。不倫や浮気とは何が異なる? 嫉妬の感情は生まれないのか? 子…

杉本穂高著『映像表現時代の映画論』(2023)

映像表現革命時代の映画論 (星海社 e-SHINSHO) 作者:杉本穂高 講談社 Amazon 私たちが観ているのは実写か、アニメーションか? みなさんが好きな映画は実写作品ですか、それともアニメーション作品ですか? これまで私たちは、映像作品を「実写」と「アニメ…

ピーター・ターチン著,濱野大道訳『エリート過剰生産が国家を滅ぼす』(2023=2024)

エリート過剰生産が国家を滅ぼす 作者:ピーター ターチン 早川書房 Amazon 学歴に見合うポストや報酬が得られず不満を抱いたエリートたちが反エリートに転化するとき、社会は崩壊に向かう――。数理モデルを用いて歴史にパターンを見出す「歴史動力学」の第一…

鴻巣友季子著『文学は予言する』(2022)

文学は予言する(新潮選書) 作者:鴻巣友季子 新潮社 Amazon トランプ政権誕生で再びブームとなったディストピア小説、ギリシャ神話から18世紀の「少女小説」まで共通する性加害の構造、英語一強主義を揺るがす最新の翻訳論――カズオ・イシグロ、アトウッドか…

稲生平太郎, 高橋洋著『映画の生体解剖 ―恐怖と恍惚のシネマガイド』(2014)

映画の生体解剖~恐怖と恍惚のシネマガイド~ 作者:稲生 平太郎,高橋 洋 洋泉社 Amazon 言及される作品数800本以上!本書は映画という「何か」を見てしまった2人による衝撃の「目撃報告」である。フリッツ・ラング、ヒッチコック、ブライアン・デ・パルマ、デ…

石川淳著『鷹』(1974=2012)

鷹 (講談社文芸文庫) 作者:石川淳 講談社 Amazon らば百年目である。もうその靴音が背後に迫って来るようであった。いや、ばたばたという靴音を聞いた。「謀叛人。」その声が巷に木魂した。「おれは追跡されている。」足は夢中で駆け出していた。しかし、ど…

國分功一郎,大竹弘二著『統治新論: 民主主義のマネジメント』(2015)

統治新論 民主主義のマネジメント (atプラス叢書) (atプラス叢書 9) 作者:大竹 弘二,國分 功一郎 太田出版 Amazon 国家といかにつきあうか 主権、憲法、民主主義、新自由主義……を歴史的な根源から問い直す、二一世紀の政治哲学! ラディカルであるというのは…

江藤淳, 蓮實重彦著『オールド・ファッション ―普通の会話』(1988=2019)

オールド・ファッション 普通の会話 (講談社文芸文庫) 作者:江藤淳,蓮實重彦 講談社 Amazon 一九八五年四月八日。東京ステーションホテルにて、日本を代表する批評家が初対峙する。夕食とともに開幕した“普通の会話”ならぬ前代未聞の“知の饗宴”は、食後のブ…

トマス・リッド著,松浦俊輔訳『アクティブ・メジャーズ -情報戦争の百年秘史』(2020=2021)

アクティブ・メジャーズ: 情報戦争の百年秘史 作者:トマス・リッド 作品社 Amazon 私たちは、偽情報の時代に生きている――。ポスト・トゥルース前史となる情報戦争の100年を描出する歴史ドキュメント。解説=小谷賢(日本大学危機管理学部教授) 情報攪乱、誘…

立野井一恵著『日本の最も美しい図書館』(2015)

日本の最も美しい図書館 作者:立野井 一恵 エクスナレッジ Amazon 一度は訪れたい日本の美しすぎる図書館歴史的な建物を今も使い続けているレトロ図書館からモダニズム図書館、最新の図書館まで読書に集中できなくなるほどに美しい41館を厳選しました。

キム・ヨンデ著, 桑畑優香訳『BTSを読む ーなぜ世界を夢中にさせるのか』(2019=2020)

BTSを読む なぜ世界を夢中にさせるのか 作者:キム ヨンデ 柏書房 Amazon 韓国が生み、世界が育てたボーイズグループ「BTS(防弾少年団)」。いまや世界各地に熱狂的なファン「ARMY」を持つ彼らの音楽と人気を論じる初の本格的BTS評論。 米韓で活躍する韓国人…

佐藤信夫著『レトリック感覚』(1986→1992)

レトリック感覚 (講談社学術文庫 1029) 作者:佐藤 信夫 講談社 Amazon アリストテレスによって弁論術・詩学として集成され、近代ヨーロッパに受け継がれたレトリックは、言語に説得効果と美的効果を与えようという技術体系であった。著者は、さまざまの具体…

橋本麻里,山本貴光著『図書館を建てる、図書館で暮らす -本のための家づくり』(2024)

図書館を建てる、図書館で暮らす―本のための家づくり― 作者:橋本麻里,山本貴光 新潮社 Amazon 2019年末に建ちあがった、膨大な蔵書を収める家〈森の図書館〉。2人の施主が、普請のプロセスや、そこで過ごすなかで考えたことをつづり、デジタルだけでは実現で…

リチャード・ランガム著, 依田卓巳訳『善と悪のパラドックス ーヒトの進化と〈自己家畜化〉の歴史』(2019=2020)

善と悪のパラドックス 作者:リチャード・ランガム,依田卓巳 NTT出版 Amazon 最も温厚で最も残忍な種=ホモ・サピエンス。協力的で思いやりがありながら、同時に残忍で攻撃的な人間の特性は、いかにして育まれたのか? 世界を舞台に活躍する人類学者が、〈…

久保明教著『内在的多様性批判 ーポストモダン人類学から存在論的転回へ』(2025)

内在的多様性批判: ポストモダン人類学から存在論的転回へ 作者:久保 明教 作品社 Amazon 「みんなちがって、みんないい」とは、いかなることでありうるのか?最注目の俊英による人類学的考察。 序論 このバラバラな世界をバラバラなままつなぐために第1章 …

前田和男著『男はなぜ化粧をしたがるのか』(2009)

男はなぜ化粧をしたがるのか (集英社新書) 作者:前田 和男 集英社 Amazon 化粧など、一過性の流行、風俗とみる向きもあるが、ことが男のということになると、俄然、歴史にかかわる重大事にもなってくる。歴史は教科書に載るほどの出来事の積み重ねだけではな…

酒井順子著『オリーブの罠』(2014)

オリーブの罠 (講談社現代新書) 作者:酒井順子 講談社 Amazon 『オリーブ』とは「モテの戦場」からの解放だった――女子高生時代から『オリーブ』愛読者であり執筆者でもあった著者が、少女達を夢中にさせ、その人生観にも影響を与えた伝説の雑誌を振り返る。…

堀越謙三著, 高崎俊夫編『インディペンデントの栄光 ユーロスペースから世界へ』(2022)

インディペンデントの栄光 ユーロスペースから世界へ (単行本) 作者:堀越 謙三 筑摩書房 Amazon カラックス、キアロスタミ、カウリスマキらの映画製作、配給など、国内外で活躍する堀越謙三。その戦略や後進育成など、インディーズと歩んだすべてを語る。 敗…

中村好文著『住宅巡礼』(2000)

住宅巡礼 作者:中村好文 新潮社 Amazon ル・コルビュジエ、フランク・ロイド・ライト……巨匠建築家の実力は個人住宅にこそ発揮された。家を美しく快適にするための独創はどこにあるのか。カメラとスケッチブックを片手に世界各地を訪ねた住宅建築家の、ワクワ…

ウィリアム・ヘンリー・マシューズ著, 和泉雅人, 宇沢美子訳『迷宮と迷路の文化史』(1922=2022)

迷宮と迷路の文化史 作者:ウィリアム・ヘンリー・マシューズ 東京堂出版 Amazon 古代ギリシア・ローマより現代まで、思想・文学・宗教・芸術などにおいて繰り返しモチーフとなってきた「迷宮」イメージ。ヨーロッパの精神文化、芸術文化を知る上で欠かすこと…

佐藤八寿子著『〈ていねいな暮らし〉の系譜 -花森安治とあこがれの社会史』(2025)

〈ていねいな暮らし〉の系譜: 花森安治とあこがれの社会史 (パルマコン・ミクロス10) 作者:佐藤八寿子 創元社 Amazon 羨望と同時に嫉妬をもかきたてる〈ていねいな暮らし〉は、現代日本特有の文化なのだろうか。花森安治の足跡から中華圏における流行まで、…