春日武彦著『恐怖の正体ートラウマ・恐怖症からホラーまで』(2023)

 

うじゃうじゃと蠢く虫の群れ、密集したブツブツの集合体、鋭い尖端、高所や閉所、人形、ピエロ、屍体――。なぜ人は「それ」に恐怖を感じるのか。人間心理の根源的な謎に、精神科医・作家として活躍する著者が迫る。恐怖に駆られると、なぜ時間が止まったように感じるのか。グロテスクな描写から目が離せなくなる理由とは。自らの死を考えるときの恐ろしさ等々、「得体の知れない何か」の正体に肉薄する。

第1章 恐怖の生々しさと定義について

第2章 恐怖症の人たち

第3章 恐怖の真っ最中

第4章 娯楽としての恐怖

第5章 グロテスクの宴

第6章 死と恐怖