久保田晃弘,畠中実著『メディアアート原論』(2019)

 

メディアアート原論

メディアアート原論

  • フィルムアート社
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メディア・アートは、なぜそう呼ばれているのか?
ポストインターネット状況を経た、21世紀の芸術精神を探る!

次世代クリエーターのために、インテリジェントでコアな情報をコンパクトに提供する「Next Creator Book」がデザインを一新してリブート!

現在、メディア・アートという名称は、単にメディア・テクノロジーを使用した美術作品の総称というだけにとどまらず、技術を応用したデモンストレーションなども含めて幅広く使用されています。
そしてメディア・アートは、「ポスト・インターネット・アート」やデジタル・ファブリケーション、デザイン、現代美術などさまざまな領域と接続しており、多くの人の関心を集めています。また、ライゾマティクスをはじめとしたテクノロジー×エンターテイメントの活動にも注目が集まっています。

しかし、メディア・アートを明確に定義することは難しく、メディア・アートをめぐる言説に関しても複数が錯綜している状態です。
本書は、最先端の工学に明るく、創作者としても活躍中の久保田晃弘さんと日本のメディア・アートのメッカ、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で20年間メディア・アートの現場に携わってきた畠中実さんという第一人者の二人が、メディア・アートに関する論点をわかりやすく整理・解説した入門書です。
メディア・アートの歴史や重要なキーワードを学ぶにはうってつけの一冊となっています。
芸術表現の可能性を切り開く、メディア・アートの世界へようこそ。

Introduction メディア・アートとはどのような芸術か ―アート、テクノロジー、サイエンスの諸相 畠中実

Discussion 1 「ニューメディア」アートの時代(2008年まで) 久保田晃弘+畠中実

メディア・アートという言葉
はじめにデータありき
メディア・アートの時代精神
メディア論の役割

作品の優劣を超えて
なぜ「原論」なのか
ネット・アートの重要性
最先端という保守
もうヒーローは要らない

Discussion 2 ポスト「インターネット」アートへ(2008-2018年) 久保田晃弘+畠中実

ポストインターネット状況
2007年に何が起こったのか
メディア論のアップデート
メディアのテトラッド
知能というメディア

メディアとオブジェクト
展開された場における支持体
鑑賞者中心主義
ポストインターネットと教育

Discussion 3 ニュー「メディア・アート」(2018年から) 久保田晃弘+畠中実

リセットされたメディア・アート
歴史のなかのメディア・アート
アートの再定義
社会の受け止め方

支持体としての芸術
芸術観のアップデート
ソフトウェアと人間
コードのための芸術
類推の芸術

バイオアート 増田展大
メディアの拡張と自然観の変容

短いコードを擁護する In Defence of the Short Code 久保田晃

keywords
ハイブリッド・アート 畠中実
インタラクティヴ・アート 畠中実
ヴァーチュアル・リアリティ 畠中実
インディペンデント・メディアとしてのメディア・アート 畠中実
ハッキング 久保田晃
エンターテインメントとゲーム・アート 久保田晃弘+畠中実
インターフェイス 水野勝仁
イメージ・オブジェクト 水野勝仁
ライブ・コーディング 久保田晃

History メディア・アート年表

あとがき