文学

東浩紀著『セカイからもっと近くに -現実から切り離された文学の諸問題』(2013)

セカイからもっと近くに 現実から切り離された文学の諸問題 作者:東 浩紀 東京創元社 Amazon 想像力と現実が切り離された時代に、文学にはいったい何ができるだろう。ライトノベル・ミステリ・アニメ・SF、異なるジャンルの作家たちは、遠く離れてしまった創…

松尾大著『〈序文〉の戦略 ー文学作品をめぐる攻防』(2024)

〈序文〉の戦略 文学作品をめぐる攻防 (講談社選書メチエ) 作者:松尾 大 講談社 Amazon 文学作品が刊行されたあと非難や攻撃や異議を受けるというのは今日でも目にする光景です。学術的な論文や書籍でも、文学作品でも、盗用の疑惑をもたれたり、実際に告発…

トマス・M・ディッシュ著,浅倉久志,小島はな訳『SFの気恥ずかしさ』(2005=2022)

SFの気恥ずかしさ 作者:トマス・M・ディッシュ 国書刊行会 Amazon 『歌の翼に』『いさましいちびのトースター』の奇才トマス・M・ディッシュのSF評論集、ついに登場! SFの限界と可能性を論じた名講演「SFの気恥ずかしさ」をはじめ、新世代SF作家を批判し…

沼野充義編著『やっぱり世界は文学でできている 対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義2』(2013)

やっぱり世界は文学でできている: 対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義2 作者:沼野充義 光文社 Amazon 東京大学教授の沼野充義(ロシア文学)と最前線で活躍する作家・学者たちが「新しい世界文学」について熱く語り合う! 世界文学とは、もはや読むべき価値のある…

ウィリアム・シェイクスピア著,松岡和子訳『シェイクスピア全集Ⅰ ハムレット』(1996)

シェイクスピア全集 (1) ハムレット (ちくま文庫) 作者:W. シェイクスピア 筑摩書房 Amazon デンマークの王子ハムレットは、父王の亡霊から、叔父と母の計略により殺されたことを知らされ、固い復讐を誓った。悩み苦しみながらも、狂気を装い、ついに復讐を…

廣野由美子著『シンデレラはどこへ行ったのかー少女小説と『ジェイン・エア』』(2023)

シンデレラはどこへ行ったのか 少女小説と『ジェイン・エア』 (岩波新書 新赤版 1989) 作者:廣野 由美子 岩波書店 Amazon 『赤毛のアン』『若草物語』『リンバロストの乙女』『あしながおじさん』などの少女小説に描かれる、強く生きる女性主人公の物語はい…

J.L.ボルヘス著,鼓直訳『伝奇集』(1944=1993)

伝奇集 (岩波文庫) 作者:J.L. ボルヘス 岩波書店 Amazon 夢と現実のあわいに浮び上がる「迷宮」としての世界を描いて現代文学の最先端に位置するボルヘス(一八九九―一九八六).われわれ人間の生とは,他者の夢見ている幻に過ぎないのではないかと疑う「円…

クラリッセ・リスペクトル著,福嶋伸洋訳『星の時』(1977→1997=2021)

星の時 作者:クラリッセ・リスペクトル 河出書房新社 Amazon 地方からリオのスラム街にやってきた、コーラとホットドッグが好きなタイピストは、自分が不幸であることを知らなかった――。「ブラジルのヴァージニア・ウルフ」による、ある女への大いなる祈りの…

土田知則「『読むことのアレゴリー」を読む」『千葉大学人文研究』 33 267-295, 2004

【リンク】 ハンデルマン『誰がモーセを殺したか―現代文学理論におけるラビ的解釈の出現』 誰がモーセを殺したか―現代文学理論におけるラビ的解釈の出現 (叢書・ウニベルシタス) 作者:スーザン A.ハンデルマン 法政大学出版局 Amazon

ポール・ド・マン著,土田知則訳『読むことのアレゴリー』(1979=2012→2022)

読むことのアレゴリー (講談社学術文庫) 作者:ポール・ド・マン 講談社 Amazon 批評界に大きな衝撃を与えるとともに、文学批評はもちろん、哲学・思想の領域にも深い影響を与えた巨人ポール・ド・マン(1919-83年)。ド・マンを領袖とする「イェール学派」は、…

蓮實重彥著『言葉はどこからやってくるのか』(2020)

言葉はどこからやってくるのか: 小説・随想・論文 作者:重彦, 蓮實 青土社 Amazon 「バルトのように、記号としての言語を呼吸しながら、それを括弧に括ったりせず、それをいたわりつつ酷使せずに書くことができたら……」書くことに向かうすべての人へ。 Ⅰ1 三…

多和田葉子著,関口裕昭訳『パウル・ツェランと中国の天使』(2023)

パウル・ツェランと中国の天使 作者:多和田 葉子 文藝春秋 Amazon コロナ禍のベルリン。若き研究者のパトリックはカフェで、ツェランを愛読する謎めいた中国系の男性に出会う。“死のフーガ”“糸の太陽たち”“子午線”……2人は想像力を駆使しながらツェランの詩…

金井久美子,金井美恵子著『鼎談集 金井姉妹のマッド・パーティーへようこそ』(2021)

鼎談集 金井姉妹のマッド・ティーパ-ティーへようこそ 作者:金井久美子,金井美恵子 中央公論新社 Amazon 蓮實重彦、大岡昇平、西江雅之、篠山紀信ら9人のゲストを迎えてくり広げられる知的興奮に満ちた鼎談集。相手への敬意と、尊敬とちょっぴりの揶揄……。会…

青木耕平、加藤有佳織、佐々木楓、里内克巳、日野原慶、藤井光、矢倉喬士、吉田恭子著『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』(2020)

現代アメリカ文学ポップコーン大盛 作者:青木耕平,加藤有佳織,佐々木楓,里内克巳,日野原慶,藤井光,矢倉喬士,吉田恭子 書肆侃侃房 Amazon 「web侃づめ」の人気連載ついに書籍化。ブラック・ライブズ・マター(BLM)、ノーベル文学賞を受賞したばかりの詩人ル…

青山南編訳『パリ・レビュー・インタビューⅡ 作家はどうやって小説を書くのか、たっぷり聞いてみよう!』(2015)

作家はどうやって小説を書くのか、たっぷり聞いてみよう! (パリ・レヴュー・インタヴュー II) 岩波書店 Amazon 「ときどき運良く自分の力以上のものが書けたりする。」(ヘミングウェイ)「わたしは無教養な技術屋だからさ。」(ヴォネガット)――ガルシア=マルケ…

ヴァージニア・ウルフ著『自分だけの部屋』(1929=1988)

自分だけの部屋 【新装版】 作者:ヴァージニア・ウルフ みすず書房 Amazon 「女性が小説なり詩なりを書こうとするなら、年に500ポンドの収入とドアに鍵のかかる部屋を持つ必要がある」(V・ウルフ) 経済的自立と精神的独立を主張し、想像力の飛翔と軽妙な語…

北村紗衣著『批評の教室-チョウのように読み、ハチのように書く』(2021)

批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く (ちくま新書)作者:北村紗衣筑摩書房Amazon

『早稲田文学 2021年秋号』「特集 ホラーのリアリティ」

早稲田文学 2021年秋号 (単行本) 作者:早稲田文学会 筑摩書房 Amazon ❖座談会 虚実の皮膜で恐怖する──実話怪談と心霊ドキュメンタリーの現在 / 佐々木敦+寺内康太郎+吉田悠軌 「ホラゲ実況」はどこへいくのか?──VR、個人制作、スナックホラー / 市松…

佐々木敦著『それを小説と呼ぶ』(2020)

それを小説と呼ぶ 作者:佐々木敦 講談社 Amazon 「批評」の終幕、そして「小説」の到来。小説という問題、その思考の足跡をすべて刻む。『新しい小説のために』、『これは小説ではない』に続く、文芸批評家としての最後の主著。 第一章 方法序説第二章 世界…

佐々木敦著『「批評」とは何か?-批評家養成ギブス』(2008)

「批評」とは何か? : 批評家養成ギブス (BRAINZ叢書) 作者:佐々木敦 発売日: 2015/04/17 メディア: Kindle版 音楽批評、映画批評、文芸批評…そして批評の言葉はジャンルを「貫通」する本気で書きたい人のための「批評」入門。

冲方丁著『冲方丁のライトノベルの書き方講座』(2005→2008)

冲方丁のライトノベルの書き方講座 (宝島社文庫) 作者:冲方丁 発売日: 2008/05/12 メディア: 文庫 ライトノベル作家になるためにはどうすればいいのか?優れたライトノベルを書くためにはどうすればいいのか?―そんな作家志望者の疑問に、エンタテインメントの…

マーティン・ガードナー著, 高山宏訳『詳注アリス 完全決定版』(2015=2019)

詳注アリス 完全決定版 作者:マーティン・ガードナー,ルイス・キャロル 発売日: 2019/12/18 メディア: 単行本 キャロルの手紙や日記、歴史資料や学問的解釈etc…を駆使して付けられた、300以上の注釈を収録。これまで世界中の画家が描いてきた100枚以上の「ア…

山下泰平著『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』(2019)

「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本 作者:山下 泰平 発売日: 2019/04/26 メディア: 単行本 漱石・鴎外を人気で圧倒しながら今では知名度ゼロの“明治娯楽物語”。その…

井上俊「社会学と文学」『社会学評論』2008年, 59巻, 1号, p.2-14

【本文】

田泰昊「メディアミックスに関する日本出版人の認識と実践に関する質的研究 ーライトノベル編集者を中心に」『年報カルチュラル・スタディーズ』2018年, 6巻, p.145-168

【本文】 本稿は、日本のコンテンツ産業の特徴であるメディアミックスが、実際にどのように動 いているかについて考察するものである。特にメディアミックスの現場で活動している実 務者(KADOKAWA のライトノベル編集者)たちが、自分の職業とメディアミッ…

オード・ロカテッリ著, 大森晋輔訳『二十世紀の文学と音楽』(2001=2019)

二十世紀の文学と音楽 (文庫クセジュ) 作者:オード・ロカテッリ 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2019/10/05 メディア: 新書 いつの時代も文学と音楽は互いに影響を与え合ってきた。本書は、いずれの領域においても数々の実験的試みがなされ、創造的な可能…

斎藤美奈子著『日本の同時代小説』(2018)

日本の同時代小説 (岩波新書) 作者: 斎藤美奈子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/11/20 メディア: 新書 この商品を含むブログ (4件) を見る メディア環境の急速な進化,世界情勢の転変,格差社会の深刻化,そして戦争に大震災──.創作の足元にある社…

池内紀著『闘う文豪とナチス・ドイツ-トーマス・マンの亡命日記』(2017)

闘う文豪とナチス・ドイツ - トーマス・マンの亡命日記 (中公新書) 作者: 池内紀 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2017/08/18 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 大作『ブッデンブローク家の人々』で若くして名声を獲得し、五十四歳でノーベ…

モーゼス・フィンリー著『オデュッセウスの世界』(1954→78=94)

オデュッセウスの世界 (岩波文庫)作者: M.I.フィンリー,M.I. Finley,下田立行出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1994/07/18メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る イギリスの歴史家フィンリー(1912‐86)の、明快で読みものとしても…

上岡伸雄著『テロと文学ー9.11後のアメリカと世界』(2016)

テロと文学 9.11後のアメリカと世界 (集英社新書)作者: 上岡伸雄出版社/メーカー: 集英社発売日: 2016/01/15メディア: 新書この商品を含むブログ (3件) を見る 21世紀を占う上で大きな転機となった9・11は、対テロ戦争や宗教問題を通じて、今なお政治や文化…