多和田葉子著,関口裕昭訳『パウル・ツェランと中国の天使』(2023)

 

コロナ禍のベルリン。若き研究者のパトリックはカフェで、ツェランを愛読する謎めいた中国系の男性に出会う。“死のフーガ”“糸の太陽たち”“子午線”……2人は想像力を駆使しながらツェランの詩の世界に接近していく。世界文学の旗手とツェラン研究の第一人者による「注釈付き翻訳小説」。