メディア環境の急速な進化,世界情勢の転変,格差社会の深刻化,そして戦争に大震災──.創作の足元にある社会が激変を重ねたこの50年.「大文字の文学の終焉」が言われる中にも,新しい小説は常に書き続けられてきた! 今改めて振り返る時,そこにはどんな軌跡が浮かぶのか? ついに成る,私たちの「同時代の文学史」.
はじめに
1 一九六〇年代 知識人の凋落
2 一九七〇年代 記録文学の時代
3 一九八〇年代 遊園地化する純文学
4 一九九〇年代 女性作家の台頭
5 二〇〇〇年代 戦争と格差社会
6 二〇一〇年代 ディストピアを超えてあとがき
本書に登場する主な作家
主な参考文献
50 山崎朋子『サンダカン八番娼館』
68 大岡昇平『レイテ戦記』
72 井上ひさし『青葉繁れる』
75 村上龍『限りなく透明に近いブルー』
76 三田誠広『僕って何』(1977)
83 金井美恵子『愛の生活』(1967)
84 見延典子『もう頬づえはつかない』(1978)
85 埴谷雄高『死霊』
94 片岡義男『スローなブギにしてくれ』(1976)
95 村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』 (1980)
99 大江健三郎『万延元年のフットボール』(1967)
100 『同時代ゲーム』(1979)
110 小林恭二『ゼウスガーデン衰亡史』(1987)
113 堀田あけみ『1980 アイコ 16歳』(1981)
123 古井由吉『円陣を組む女たち』(1970)
『槿』(1983)
126 山口百恵『蒼い時』(1981)
129 酒見健一『後宮小説』(1989)
134 笙野頼子『なにもしてない』(1991)
148 佐藤亜紀『戦争の法』(1992)
155 保坂和志『プレーンソング』(1990)
162 矢作俊彦『あ・じゃ・ぱん』
186 佐藤友哉『灰色のダイエットコカコーラ』(2007)
251 星野智幸『呪文』(2015)
253 島田雅彦『虚人の星』(2015)