佐々木敦著『ニッポンの文学』(2016)

批評家・佐々木敦氏による『ニッポンの思想』『ニッポンの音楽』から連なる待望の3冊目。今回のテーマは「文学」。各主要文芸誌でも精力的にすぐれた論考を発表している著者が、あらためて「日本」の「文学」を解き明かします。戦後、とりわけ70年代末からの日本の文学シーンにはどのようなことがあり、どのような歴史があるのか。つまり、ニッポンの小説はどのような歴史=物語を持っているのか。前2冊と同じく、80年代(70年代末)から始まるディケイド論で論じていきます。「文学」と呼ばれている小説と、一般的には「文学」と見なされていない小説とを、全く同等に扱うという視点で日本の小説史をたどり直す試みは、今までなされて来ませんでした。狭義の「文学」と他のジャンル小説を同一平面上で語ってゆくことで、「芥川賞/直木賞」という制度によって今なお維持されている「文学」の聖性を相対化しようとするのが本書の目的です。

プロローグ 「芥川賞」と「直木賞
第1章 村上春樹はなぜ「僕」と言うのか?
第2章 「八〇年代」と作家たち
第3章 「英語」から遠く離れて
第4章 かなり偏った「日本ミステリ」の歴史
第5章 さほど偏っていない「日本SF」の歴史
第6章 サブカルチャーと(しての)「文学」
第7章 ポストバブルの「九〇年代」
第8章 「ゼロ年代」―ジャンルの拡散
エピローグ 「文学」はどこにいくのか?

49
赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)

赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)

56
文学の輪郭 (講談社文庫)

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58
死霊(1) (講談社文芸文庫)

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5960
桃尻娘 (講談社文庫)

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73
アメリカの鱒釣り (新潮文庫)

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75
枯木灘 (河出文庫)

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77
虹の彼方 (集英社文庫)

虹の彼方 (集英社文庫)

86112
若い読者のための短編小説案内 (文春文庫)

若い読者のための短編小説案内 (文春文庫)

115 ドナルド・バーセルミトマス・ピンチョンジョン・バースジョン・ホークスロバート・クーヴァー『帰れ、カリガリ博士』1964、『口に出せない週間、奇妙な行為』1968、『罪深き愉しみ』1974、『雪白姫』1967、『死父』1975
118 田中小実昌, 哲学を読む小説
ないものの存在

ないものの存在

126 片岡義男152
新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)

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152156
バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)

バイバイ、エンジェル (創元推理文庫)

159
〈戯れ〉という制度

〈戯れ〉という制度

ポスト・モダニズム批判―拠点から虚点へ (〈現在〉との対話 (1))

ポスト・モダニズム批判―拠点から虚点へ (〈現在〉との対話 (1))

163
新装版 密閉教室 (講談社文庫)

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新装版 8の殺人 (講談社文庫)

新装版 8の殺人 (講談社文庫)

164
倒錯のロンド (講談社文庫)

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187
百億の昼と千億の夜 (ハヤカワ文庫JA)

百億の昼と千億の夜 (ハヤカワ文庫JA)

189
消滅の光輪 上

消滅の光輪 上

231 保坂和志
252 麻耶雄嵩
隻眼の少女 (文春文庫)

隻眼の少女 (文春文庫)

254 京極夏彦
文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

296
かめくん (河出文庫)

かめくん (河出文庫)

298
グラン・ヴァカンス 廃園の天使?

グラン・ヴァカンス 廃園の天使?

319 本谷有希子