政治

網谷龍介「20世紀ヨーロッパにおける政党デモクラシーの現実モデル ―H. ケルゼンの民主政論を手がかりに―」『年報政治学』2016年, 67巻, 2号, p.78-98

【本文】 本論文は, 議会制デモクラシーをめぐるわれわれの理解について, 歴史的な視点から再検討を行うものである。現在, 民主政の経験的研究においては, 「競争」 を鍵となるメカニズムとするのが通例である。本論文はこのような想定を相対化し, 「競争」 …

粕谷祐子「「一票の格差」をめぐる規範理論と実証分析 ―日本での議論は何が問題なのか―」『年報政治学』2015年, 66巻, 1号, p.90-117

【本文】 In Japan, malapportionment—the high level of disparity in the size of the population, and thus the weight of votes, across electoral districts—has been a national concern for several decades. Through a review of both normative the…

田村哲樹「観察可能なものと観察不可能なもの ―規範・経験の区別の再検討―」『年報政治学』2015年, 66巻, 1号, p.37-60

【本文】 Scholars of politics have been familiar with normative-empirical distinction. Yet this article reconsiders this divide through exploring another classification in terms of the “observable” and the “unobservable”. According to this…

田畑真一「代表関係の複数性 ―代表論における構築主義的転回の意義―」『年報政治学』2017年, 68巻, 1号, p.181-202

【本文】 本稿の目的は, 「代表関係の複数性」 を強調する近年の代表論を 「構築主義的転回」 という観点から捉え, その理論的射程を検討することにある。まず, 従来の代表論の特徴をH・ピトキンの代表論に確認し, そこでの本人―代理人関係という構図を乗り…

善教将大, 秦正樹「なぜ「わからない」 が選択されるのか : ─サーベイ実験による情報提示がDKに与える影響の分析─」『年報政治学』2017年, 68巻, 1号, p.159-180

【本文】 本稿の目的は, 政治意識調査における 「わからない (「DK」)」 の発生メカニズムを, サーベイ実験により明らかにすることである。先行研究ではDKの規定要因として政治関心や政治知識の欠如が指摘されてきたが, 本稿は回答者に情報を与えることがか…

石川敬史「アメリカ革命期における主権の不可視性」『年報政治学』2019 年, 70巻, 1号, p.96-116

【本文】 一七七六年にイギリス領北アメリカ植民地がヨーロッパ諸国に公表した 「独立宣言」 は、イギリス本国において一六八八年の名誉革命を経て形成された議会主権が植民地にも及ぶという主張に対する異議申し立てであった。 一七八三年のパリ条約で独立…

森川友義「「進化政治学」とは何か?」『年報政治学』2008年, 59巻, 2号, p.2_217-2_236

【本文】 In recent years, so-called “Evolutionary Political Science” has drawn much attention from political scientists in the United States as well as in Europe. Little is known, however, about the overall framework of the approach, as it…

早川誠「非主権的政治体は可能か ―政治思想におけるcommunitas communitatumをめぐって」『年報政治学』2019年, 70巻, 1号, p. 1_36-1_55

【本文】 本論文の目的は、主権国家とは異なる非主権的政治体の可能性を、20世紀初頭のイギリス多元的国家論と現代イギリスの多文化主義論の比較を通じて、探ることにある。また非主権的政治体との対比によって、主権国家の一側面を明らかにすることも試みる…

ジョナサン・ハイト著, 高橋洋訳『社会はなぜ左と右にわかれるのか-対立を超えるための道徳心理学』(2012=2014)

社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学 作者:ジョナサン・ハイト 発売日: 2014/04/24 メディア: 単行本 リベラルはなぜ勝てないのか?政治は「理性」ではなく「感情」だ―気鋭の社会心理学者が、哲学、社会学、人類学、進化理論などの…

安高啓朗「ネオリベラリズムの生命力 ―世界金融危機後のアメリカにみるネオリベラリズムの行為遂行的効果」『年報政治学』2017年, 68巻, 1号, p.1_57-1_79

【本文】 世界金融危機後も依然として強い影響力を保ち続けているネオリベラリズム (新自由主義) の持続性は, 近年の研究における一つの焦点となっている。本稿は, ネオリベラリズムがどのように危機後も生き延びたか, またオルタナティヴな構想が真剣な議論…

鈴木一人「主権と資本 ―グローバル市場で国家はどこまで自律性を維持出来るのか」『年報政治学』2019年, 70巻, 1号, p.1_56-1_75

【本文】 主権国家システムと資本主義システムは近代のシステムの両輪として発達した。しかし、ニクソンショックによって変動相場制へと移行したことで自由な資本移動が可能となり、それが主権国家の自律的な経済財政政策を困難にさせるようになってきた。開…

ジョナサン・ウルフ著, 大澤津, 原田健二朗訳『「正しい政策」がないならどうすべきか-政策のための哲学』(2011=2016)

「正しい政策」がないならどうすべきか: 政策のための哲学 作者:ジョナサン ウルフ 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2016/10/28 メディア: 単行本 伝統的な哲学は、正義の理論や共通善の説明を作り上げ、それが多くの政策課題についてもつ含意を示すとい…

ウェンディ・ブラウン著, 中井亜佐子訳『いかにして民主主義は失われていくのか-新自由主義の見えざる攻撃』(2015=2017)

いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃 作者:ウェンディ・ブラウン 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2017/05/26 メディア: 単行本 いまや新自由主義は、民主主義を内側から破壊している。新自由主義は政治と市場の区別を取り…

ジェームズ・C・スコット著, 清水展, 日下渉, 中溝和弥訳『実践 日々のアナキズム-世界に抗う土着の秩序の作り方』(2012=2017)

実践 日々のアナキズム――世界に抗う土着の秩序の作り方 作者: ジェームズ・C.スコット,清水展,日下渉,中溝和弥 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/09/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る アナキズムとは特別な政治運動でも革命で…

マイケル・L・ロス著, 松尾昌樹, 浜中新吾訳『石油の呪い-国家の発展経路はいかに決定されるのか』(2012=2017)

石油の呪い――国家の発展経路はいかに決定されるか 作者: マイケル・L ロス,松尾昌樹,浜中新吾 出版社/メーカー: 吉田書店 発売日: 2017/02/03 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 中東地域ではなぜ民主化が進展しないのか―…

ロバート・ノジック著, 嶋津格訳『アナーキー・国家・ユートピア-国家の正当性とその限界』(1974=1998)

アナーキー・国家・ユートピア―国家の正当性とその限界 作者: ロバート・ノージック,嶋津格 出版社/メーカー: 木鐸社 発売日: 1995/01/01 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 65回 この商品を含むブログ (46件) を見る 序…(i) 謝辞…(x) 第一部 自然状態の…

大屋雄裕著『自由か、さもなくば幸福か?ー21世紀の〈あり得べき社会〉を問う』(2014)

自由か、さもなくば幸福か?: 二一世紀の〈あり得べき社会〉を問う (筑摩選書) 作者: 大屋雄裕 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2014/03/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (47件) を見る 20世紀の苦闘と幻滅を経て、私たちの社会は、どこへ向かお…

ポール・コリアー著, 甘糟智子訳『民主主義がアフリカ経済を殺す-最底辺の10億人の国で起きている真実』(2009=2010)

民主主義がアフリカ経済を殺す 作者: ポール・コリアー,甘糟智子 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 2010/01/14 メディア: 単行本 購入: 4人 クリック: 92回 この商品を含むブログ (33件) を見る 最貧のアフリカ諸国では深刻な危機がなんと民主主義によって…

安藤馨, 大屋雄裕著『法哲学と法哲学の対話』(2017)

法哲学と法哲学の対話 作者: 安藤馨,大屋雄裕 出版社/メーカー: 有斐閣 発売日: 2017/04/21 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (4件) を見る 「法学」において法哲学の占めるべき位置はあるか,どこに。その内部での議論は実定法学に何…

井上達夫著『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください-井上達夫の法哲学入門』(2015)

リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください--井上達夫の法哲学入門 作者: 井上達夫 出版社/メーカー: 毎日新聞出版 発売日: 2015/06/15 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (21件) を見る 偽善と欺瞞とエリート主義の「リベラル…

M・I・フィンリー著, 柴田平三郎著『民主主義−古代と現代』(1985=1991→2007)

民主主義―古代と現代 (講談社学術文庫)作者: M.フィンリー,柴田平三郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/03/09メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブログ (15件) を見る ギリシアのアテナイ民主制の実態を分析する理想の政治形態とはど…

庄司克宏著『欧州ポピュリズム−EU分断は避けられるか』(2018)

欧州ポピュリズム (ちくま新書)作者: 庄司克宏出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2018/05/09メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見る 欧州連合(EU)が、ポピュリズム危機に揺れている。反移民の声は衰えず、ポピュリズム政党への支持は増え続け…

國分功一郎著『近代政治哲学ー自然・主権・行政』(2015)

近代政治哲学:自然・主権・行政 (ちくま新書)作者: 國分功一郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2015/04/08メディア: 新書この商品を含むブログ (13件) を見る 我々がいま生きているこの政治体制は、近代の政治哲学が構想したものだ。ならば、政治哲学やそ…

エルンスト・カッシーラー著, 宮田光雄訳『国家の神話』(1946=1960→2018)

国家の神話 (講談社学術文庫)作者: エルンスト・カッシーラー,宮田光雄出版社/メーカー: 講談社発売日: 2018/02/11メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る 「シンボル(象徴)」を軸にして科学、哲学、文化論を横断する数々の大著をものした、比類な…

杉田敦著『政治的思考』(2013)

政治的思考 (岩波新書)作者: 杉田敦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/01/23メディア: 新書購入: 2人 クリック: 31回この商品を含むブログ (27件) を見る 政治が混迷し不信感が高まっている今こそ,政治をどのように考え,いかに行動するかが問われてい…

中島岳志, 島薗進著『愛国と信仰の構造ー全体主義はよみがえるのか』(2016)

愛国と信仰の構造 全体主義はよみがえるのか (集英社新書)作者: 中島岳志,島薗進出版社/メーカー: 集英社発売日: 2016/02/17メディア: 新書この商品を含むブログ (8件) を見る 政教分離の現代日本で国家神道と国体論が復活する? この「ぼんやりした不安」に…

齋藤純一著『不平等を考える: 政治理論入門』(2017)

不平等を考える: 政治理論入門 (ちくま新書1241)作者: 齋藤純一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2017/03/06メディア: 新書この商品を含むブログ (8件) を見る この二〇年あまり、多くの国で格差の拡大が進んだ。経済は停滞し、国家の再分配政策も機能して…

待鳥聡史著『アメリカ大統領制の現在−権限の弱さをどう乗り越えるか』(2016)

アメリカ大統領制の現在 権限の弱さをどう乗り越えるか (NHKブックス)作者: 待鳥聡史出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2016/09/21メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (5件) を見る 誰が大統領になっても直面する深刻なディレンマとは?「…

大竹弘二「カール・シュミットと決断の根拠」『政治思想研究』第16号, 2016年.

【pdf】 64「だがシュミットにすれば、いくら法律の条文を厳密に読解して、その裏にある意志を推し量ろうとしても、それでは決して正しい判決は下せない。法律に先立ってそれを作った者の意志が存在するというのは「フィクション」にすぎない。書記のシュミ…

杉田敦「「再帰的近代」における代表制の再評価―早川誠『代表制という思想』『政治思想研究』第16号, 2016年

【pdf】代表制という思想 (選書“風のビブリオ”)作者: 早川誠出版社/メーカー: 風行社発売日: 2014/07/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る