政治

網谷龍介「20世紀ヨーロッパにおける政党デモクラシーの現実モデル ―H. ケルゼンの民主政論を手がかりに―」『年報政治学』2016 年 67 巻 2 号 p. 2_78-2_98

【リンク】 本論文は, 議会制デモクラシーをめぐるわれわれの理解について, 歴史的な視点から再検討を行うものである。現在, 民主政の経験的研究においては, 「競争」 を鍵となるメカニズムとするのが通例である。本論文はこのような想定を相対化し, 「競争…

土倉莞爾「ポピュリズムは民主主義の敵であるか? : カス・ミュデ+クリストバル・ロビラ・カルトワッセル『ポピュリズム : デモクラシーの友と敵』を読む」 『關西大學法學論集』第75巻第2号 (2025/7)

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ピーター・ターチン著,濱野大道訳『エリート過剰生産が国家を滅ぼす』(2023=2024)

エリート過剰生産が国家を滅ぼす 作者:ピーター ターチン 早川書房 Amazon 学歴に見合うポストや報酬が得られず不満を抱いたエリートたちが反エリートに転化するとき、社会は崩壊に向かう――。数理モデルを用いて歴史にパターンを見出す「歴史動力学」の第一…

國分功一郎,大竹弘二著『統治新論: 民主主義のマネジメント』(2015)

統治新論 民主主義のマネジメント (atプラス叢書) (atプラス叢書 9) 作者:大竹 弘二,國分 功一郎 太田出版 Amazon 国家といかにつきあうか 主権、憲法、民主主義、新自由主義……を歴史的な根源から問い直す、二一世紀の政治哲学! ラディカルであるというのは…

トマス・リッド著,松浦俊輔訳『アクティブ・メジャーズ -情報戦争の百年秘史』(2020=2021)

アクティブ・メジャーズ: 情報戦争の百年秘史 作者:トマス・リッド 作品社 Amazon 私たちは、偽情報の時代に生きている――。ポスト・トゥルース前史となる情報戦争の100年を描出する歴史ドキュメント。解説=小谷賢(日本大学危機管理学部教授) 情報攪乱、誘…

西山隆行「2024年アメリカ大統領選挙の分析」『成蹊法学』102 (2025/7)

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小宮山功一朗,小泉悠著『サイバースペースの地政学』(2024)

サイバースペースの地政学 (ハヤカワ新書) 作者:小宮山 功一朗,小泉 悠 早川書房 Amazon 「千葉や北海道に、なぜ巨大データセンターが続々建つのか?」 「世界のインターネットは574本の海底ケーブルに依存!?」 「ロシア秘密海中工作部隊の真の狙いとは?…

市川周佑「官房長官国務大臣化の政治過程 佐藤栄作内閣における内閣官房強化の試み」『日本史研究』707 (2021)

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アンジェラ・ネイグル 著,大橋完太郎訳『普通の奴らは皆殺し -インターネット文化戦争オルタナ右翼、トランプ主義者、リベラル思想の研究』(2017=2025)

普通の奴らは皆殺し: インターネット文化戦争 オルタナ右翼、トランプ主義者、リベラル思想の研究 作者:アンジェラ・ネイグル 合同会社Type Slowly Amazon なぜリベラルは敗北するのか?なぜトランプは大統領になれるのか?オルタナ右翼はリベラルが生み出し…

李舜志著『テクノ専制とコモンへの道 ー民主主義の未来をひらく多元技術PLURALITYとは?』(2025)

テクノ専制とコモンへの道 民主主義の未来をひらく多元技術PLURALITYとは? (集英社新書) 作者:李舜志 集英社 Amazon 世界は支配する側とされる側に分かれつつある。その武器はインターネットとAIだ。シリコンバレーはAIによる大失業の恐怖を煽り、ベー…

フアン・リンス著,横田正顕訳『民主体制の崩壊 -危機・崩壊・再均衡』(1978=2020)

民主体制の崩壊 危機・崩壊・再均衡 (岩波文庫) 作者:フアン リンス 岩波書店 Amazon デモクラシーは、危機を昂進させる政治過程を経て崩壊していく。その分析枠組を提示した古典的研究。 第1章 序論 競争的デモクラシーの崩壊;死産した、あるいは包囲され…

伊藤理史「有権者の大阪全体利益志向が大阪維新支持態度に与える効果 ―調整変数としてのIR誘致への支持―」『フォーラム現代社会学』2025 年 24 巻 p. 1-12

【リンク】 本稿の目的は、有権者の大阪全体利益志向とIR誘致への支持の関係に注目して、大阪維新が比較的高い支持を得ている理由を解明することである。従来その理由については、有権者が大阪維新を「大阪全体の利益代表」と認知しているためだと説明されて…

坂井亮太「政治理論における想像力と実現可能性の両立:モデルの哲学を参照した両立策の提示」『年報政治学』 (2023-Ⅱ) 268-293 2023年

【リンク】 政治理論において思考実験を含むモデルを用いた分析は、理論家が現実から離れて想像力を得るためのツールとなってきた。しかし、政治的想像力と実現可能性を両立させることの困難は、政治的リアリズム、理想・非理想理論、認識的デモクラシー論批…

石田健著『カウンターエリート』(2025)

カウンターエリート (文春新書) 作者:石田 健 文藝春秋 Amazon トランプ ヴァンス 石丸伸二 尹錫悦…… なぜ破壊者は台頭するのか。 「何かが間違っている」。そう主張し、政府やメディアなどを「既得権益化したエリート」として批判する“カウンターエリート”…

松下隆志「すばらしい新ロシア世界?戦時下のロシアにおける新たな愛国文化の台頭と展望」『ロシア・東欧研究』2024 年 2024 巻 53 号 p. 29-44

【リンク】 Since the beginning of Russia’s military invasion of Ukraine on February 24, 2022, Russian culture has undergone significant transformations. During the third term of the Putin administration in the 2010s, particularly after the…

廣江倫子「香港国家安全維持法における4つの犯罪 国家分裂・国家政権転覆・テロ活動・外国との結託」『華南研究』10 (2024)

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パトリック・J・デニーン著,角敦子訳『リベラリズムはなぜ失敗したのか』(2018=2019)

リベラリズムはなぜ失敗したのか GENERIC Amazon 多くの民主主義国家で不平等が拡大し、強権政治が台頭し、リベラリズムが機能不全となっている。注目の政治学者が政治、経済、教育、テクノロジーといった様々な分野で見られる問題を検証し、失敗の原因と是…

Gordon Pennycook, Jabin Binnendyk, and David G. Rand「Overconfidently Conspiratorial: Conspiracy Believers are Dispositionally Overconfident and Massively Overestimate How Much Others Agree With Them」『Personality and Social Psychology Bulletin』May, 2025

【リンク】 There is a pressing need to understand why people believe in conspiracies. Although past work has focused on needs and motivations, we propose an alternative driver of belief: overconfidence. Across eight studies with 4,181 U.S.…

永見瑞木「「グローバルな視座」は政治思想史に何をもたらすか? ーアメリカ建国を見つめる同時代フランスの議論 から考える」『政治思想研究』2024 年 24 巻 p. 7-26

【リンク】 本稿は、「グローバルな視座」が政治思想史に何をもたらすのかを批判的に検討する。近年、グローバル・ヒストリーの潮流が政治思想史にも影響を与えており、国家中心主義的な枠組みの見直しが進んでいる。しかし、こうした「国際論的転回」が無批…

田村哲樹「熟議民主主義は自由民主主義的か? ー「熟議システム」概念の射程」『政治思想研究』2013 年 13 巻 p. 135-161

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井関竜也「政治学における司法部門研究の現状と課題」『法学論叢』191巻, 2号, pp.50-75, 2022

【リンク ①】 【リンク ②】

ムバンギジ・オドマロ, サリ・ヴィック・ルクワゴ, 野呂瀨葉子訳 「ウガンダにおけるデジタル権威主義 ハイブリッド独裁国家におけるソーシャルメディアを巡る駆け引き」 『防衛学研究』70号 (2024)

【リンク】

Olle Folke , Moa Frödin Gruneau , Johanna Rickne「Family Matters ーHow Romantic Partners Shape Politicians' Careers」『Elements in Gender and Politics』2025

【リンク】 This Element studies how career support from romantic partners affects career patterns and costs in politics. It argues that a lower level of career support from romantic partners leads to a lower likelihood for political promot…

内藤正博 「カール・シュミットと脱政治化の問題」 『待兼山論叢. 哲学篇』58 (2025/3)

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小林 大祐 「若者層の投票行動と社会に関する情報をインターネットから得ている程度との関連についての調査報告-第50回衆議院議員総選挙における国民民主党への投票行動を中心に-」 『金沢大学人間科学系研究紀要』Vol.17 (2025/3)

【リンク】 本稿は,若年層の投票行動と社会に関する情報を入手する手段においてインターネットが占める程度との関連について,2024年10月に実施された第50回衆議院議員総選挙の比例代表選挙における投票行動についての調査票調査の結果を用いて速報的に報告…

田中拓道「今なお「政治」が重要なのか? ―比較福祉国家研究の30年を振り返る」『比較政治研究』2025 年 11 巻 p. 39-57

【リンク】 エスピン=アンデルセンによって福祉レジーム論が提唱されて以降、政治経済学や比較政治学による福祉国家研究が隆盛となった。本論文では過去30年間の主要な研究をレビューし、政治分析の変遷と今日の課題を指摘した。福祉国家に関する政治分析の…

境家史郎, 依田浩実「ネオ55年体制の完成」『選挙研究』2022 年 38 巻 2 号 p. 5-19

【リンク】 2021年総選挙は,「ネオ55年体制」と呼ぶべき,近年の日本政治の状況を象徴する選挙であった。政党システム面から見た場合,ネオ(そして旧)55年体制は(1)一党優位であり,(2)与野党第一党がイデオロギー的に分極化している点に特徴がある…

酒井大輔著『日本政治学史 ー丸山眞男からジェンダー論、実験政治学まで』(2024)

日本政治学史 丸山眞男からジェンダー論、実験政治学まで (中公新書) 作者:酒井大輔 中央公論新社 Amazon 「科学としての政治学」は、どのよう道程をたどったのか―。本書は、敗戦直後に学会を創り、行動論やマルクス主義の成果を摂取した政治学が、先進国化…

北岡伸一著『覇権なき時代の世界地図』(2024)

覇権なき時代の世界地図(新潮選書) 作者:北岡伸一 新潮社 Amazon 米中の拮抗、G7主導体制の後退、権威主義や独裁国家の台頭、ウクライナやパレスチナの戦争、影響力を増すグローバルサウス――「自由・民主主義・法の支配」が脅かされる危機の時代に、日本が…

ミランダ・フリッカー著,飯塚理恵訳『認識的不正義 -権力は知ることの倫理にどのようにかかわるのか』(2007=2023)

認識的不正義 作者:ミランダ・フリッカー,佐藤邦政,飯塚理恵 勁草書房 Amazon 黒人であることで警官から疑われる場合のように、聞き手の偏見のせいで話し手が過度に低い信用性しか受け取れない「証言的不正義」。セクハラの概念が存在しない時代にそれに苦し…