空井護著『デモクラシーの整理法』(2020)

 

政治の主役である私たちは、デモクラシーについて十分に納得できているか。政治とは何かから始め、デモクラシーとはいかなる政治の仕組みか、「古典風」と「現代風」という二つのタイプをいかに使い分けるかを、筋道を立てて解き明かしていく。多義的になりがちなデモクラシーをスッキリと整理して理解するコツを伝授する骨太な一冊。

序 章
 一 本書の目的
 二 本書の構成

第一章 収納――政府・政治・政治体制
 一 政府と政府的共同体
 二 政策と政治
 三 政治体制と政治体制型
 
第二章 整理Ⅰ――デモクラシーの組み立て
 一 ふたつのデモクラシー
 二 古典デモクラシー
 三 現代デモクラシー
 四 デモクラシーと自由の関係

第三章 整理Ⅱ――民主体制の整列
 一 序列の解消
 二 民主体制の使い分け
 三 デフォルトとしての混合型民主体制

終 章
 一 デモクラティズムの諸相――整理法の整理のために
 二 ふたたび本書の目的について――結語にかえて

引用・参照文献
あとがき

31 マンサー・オルソン, "Dictatorship, Democracy, and Development" 「居座り盗賊集団」論,「この論文の主眼は、そのタイトルに示されるように、盗賊集団による「独裁制」から「デモクラシー」への移行をもたらし、さらにそのもとで経済的な「発展」が可能になるロジックを明らかにすることにあった」