政治責任を問うことも、それを看過することも日常になってしまったいま、私たちは「政治に無責任はつきものなのだ」という諦念を追認するしかないのか。自己責任論と政治不信の渦中で政治責任を取らせることは可能なのか。H・アーレントや丸山眞男などを参照しつつ、政治責任をめぐるもどかしさの根源を理論的に究明する。
はじめに
第1章 無責任な政治のなかの責任
1 現代政治の責任
2 責任と日本戦後政治史
3 信頼が欠如した現代政治
第2章 責任がある
1 政治責任の形態論
2 権力と責任
3 政治責任としての戦争責任
第3章 責任を取る
1 政治責任は結果責任?
2 アカウンタビリティと政治責任
3 責任を取る政治の構想
第4章 無責任から責任へ
1 政治問題としての無責任
2 無責任な政治
3 なぜ政治責任が取られないのか
第5章 政治責任の未来
1 責任の自覚
2 あらためて自己責任を考える
3 民主主義の責任
あとがき