人類

西江雅之著『異郷 西江雅之の世界』(2012)

異郷 西江雅之の世界 作者:西江 雅之 美術出版社 Amazon 西江雅之氏は、日本で初めてスワヒリ語の辞典を独力でつくった文化人類学者・言語学者です。アフリカ、カリブ諸島、インド洋諸島の辺境を中心に、小さなカバン1つだけ持って、どんな土地でも、どんな…

梶丸岳「掛け合い歌が駆動するソサイエティ 秋田県の掛け合い歌「掛唄」の場をめぐって」『文化人類学』2018年, 82巻, 4号, p.464-481

【本文】 societyにはあるまとまりを持った人々の統合体という意味と、人々の相互行為を指す意味があ り、日本語では前者を狭義の「社会」、後者を「社交」と呼び分けることができる。社交は社会を 考えるうえで本質的な重要性を持っている。本稿は会話分析…

田中雅一「<格子>と<波>とナショナリズム ー巨大な遺体安置所でLove Tripを聴きながら考えたこと」『文化人類学』2018年, 82巻, 4号, p.425-445

【本文】 本講演の目的は、ここで<格子>と<波>と名付ける二つの社会関係のモードを論じ、それら がどのような形で国家による統治やナショナリズムに関わるのかを考察することである。一方に、 <格子>モードとして、生者を「生ける屍」に変貌させるアー…

森口岳「女たちは踊ることができるか? ーカンパラのバーガールのシティズンシップとその「主体性」への再考」『文化人類学』2018年, 83巻, 2号, p.213-232

【本文】 本稿で取り扱うのはアフリカの貧困女性たちのウガンダ、カンパラの都市社会において、家族的なものと性的なものの二つのシティズンシップと、その二つの領域を行き来するバーガールたちの「主体性」をめぐる諸実践についてである。 カンパラの郊外…