蓮實重彦著『「赤」の誘惑―フィクション論序説』（2007）

「赤」の誘惑―フィクション論序説

漱石、子規、鴎外、ポー、ドイル、ハメットなど多くの名作の中にひっそりと生れ、作者と読者を静かに誘い、やがて炎の如く世界を染め上げる色=「赤」。この魔性の色と「フィクション」との、驚きに満ちた関係性が徹底的に考察され、ギリシャ的な図式や多くの理論家の呪縛から読者を解放する。フィクション論の決定版。

序章 「誘惑」から「擁護」へ
1 「赤」の誘惑
2 理論と混乱
3 可能世界と構造分析
4 少壮歴史家の書斎で
5 編みものをする女
6 ギャラリーから市街電車へ
7 「類推の魔」
8 地球儀と証言
9 「緋色の糸」に導かれて
10 「赤」の擁護
終章 仮象、出来事、フィクション

43「フィクションの論理的身分」

表現と意味―言語行為論研究

47

フィクションとディクション―ジャンル・物語論・文体 (叢書 記号学的実践)

51

テクストの快楽

52

物語の詩学 ─続・物語のディスクール 叢書記号学的実践 (3)

62 ジャン＝マリ・シェフェール「フランスにおける数少ない本格的なフィクション論」

フィクション論への誘い―文学・歴史・遊び・人間

70

物語における読者

可能世界・人工知能・物語理論 (叢書 記号学的実践)

70 マルセル・エメ『狼』
90 青空文庫【リンク】

かのように

103 久保昭博
112

ミメーシス―ヨーロッパ文学における現実描写〈上〉 (ちくま学芸文庫)

灯台へ/サルガッソーの広い海 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-1)

123

近代人の模倣

135

フィクションの美学

142

理論への抵抗

157

ミモロジック―言語的模倣論またはクラテュロスのもとへの旅 (叢書 記号学的実践)

211

緋色の研究 (新潮文庫)

221 谷崎潤一郎『白昼鬼語』

谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫 た 28-2)

238

盗まれた手紙

257

表象の奈落―フィクションと思考の動体視力