海野敏著『バレエの世界史-美を追求する舞踏の600年』(2023)

 

バレエはルネサンス期イタリアで誕生し、今なお進化を続けるダンスの一種だ。当初、王侯貴族が自ら踊り楽しんだが、舞台芸術へと転換。観客も貴族からブルジョワジー、市民へと拡大する。十九世紀の西欧とロシアで成熟し、世界へ広がった。ダ・ヴィンチ制作の舞台装置、ルイ十四世が舞った「太陽」役、チャイコフスキーの三大バレエ、シャネルやピカソが参加したバレエ・リュス、そして日本へ――六百年の歴史を通観する。

第1章 都市貴族の余興として生まれたバッロールネサンス期イタリア。
第2章 フランス宮廷の祝典から誕生したバレエーヴァロワ朝フランス。
第3章 宮廷の儀式・儀礼から劇場芸術へーブルボン朝フランス。
第4章 オペラと一体化したバレエの流行ーロココ
第5章 オペラからの独立と演劇的改革ー啓蒙思想期のヨーロッパ。
第6章 ロマンティック・バレエの降盛ー産業革命期のヨーロッパ。
第7章 クラシック・バレエの確立ー帝政末期のロシア。
第8章 総合芸術となったバレエーバレエ・リュスの活躍。
第9章 二十世紀バレエの飛躍ー振付家・ダンサー・バレエ団。
第10章 バレエ界の最前線ーテクノロジーと社会正義。
終章 バレエの美を支えるもの