ダニエル・J・ケヴルズ著,西俣総平訳『優生学の名のもとに-「人類改良」の悪夢の百年』(1985=1993)

 

IQテストや家系調査によって「劣等者」「欠陥者」を決め、隔離や強制断種まで行った英米の苦い歴史…。遺伝子操作の時代に蘇ろうとする暗い影に警鐘を鳴らす。

優生学創始者―フランシス・ゴールトン
生物測定学の創始者―カール・ピアソン
偉大なる思想の信奉者―チャールズ・ダヴェンポート
優生思想の普及
優生運動の堕落と欠点
種の再生への道
さまざまな優生立法
高まる優生学への批判
偽りの生物学
ライオネル・ペンローズコルチェスター調査
優生学の改革運動
素晴らしき新生物学
人類遺伝学の確立
イギリス学派の最盛期
血液・ビッグサイエンス・生化学
染色体―製本のミス
新しい優生学
人間の遺伝への干渉
神の抹殺
解説 日本における優生思想・優生運動の軌跡

137「イギリスとアメリカにおける優生運動とは、つまるところ中流階級中流階級上層の人間に、産業界の大立者と低収入の下層階級ーその国の人であれ外国生まれであれーの間に位置する一種の特権的な位置を与える役割を果たしたといえる」

462 ウィルソン『人間の本性について』