動揺するキリスト教信仰に対し、魂の不死性を信じる心霊主義が登場! ブラバツキーをはじめクルックス、ウォレスら科学者も心霊研究を行った世紀末の大変動期の英国社会を追う。
日本語版への序
はじめに ヴィクトリア時代・エドワード時代の英国第Ⅰ部 舞台背景
1章 主役は霊媒たち
アマチュアとプロフェッショナル/優れた霊媒ダニエル・D・ホーム/
若く美しい女性霊媒の出現/奇術かペテンか、心霊主義ブームの波紋
2章 交霊会の会員たち
政治家、弁護士、著述家:専門職の中流階級/勤勉なる労働者階級とオーウェン主義/
心霊主義に関する出版ラッシュ/ロンドンに集う団体と協会の出現第Ⅱ部 代用宗教
「キリスト教の危機」と「唯物論への反感」
3章 心霊主義とキリスト教
心霊主義は悪魔からの発信か/英国国教会のキリスト教心霊主義/
教会の役割を問う/反キリスト教心霊主義の挑戦/「新しい天啓」を求める共通の基盤
4章 心霊研究と不可知論
宇宙の疑問符とシジウィックの知的探究/〈心霊研究協会(SPR)〉の先駆者たち/
〈SPR〉初期の緊張関係/結論の出ない探究/すべての宗教の大前提
5章 神智学とオカルト
東洋の魅惑/心霊主義との親近性/H・P・ブラヴァツキーと〈SPR〉/
著名な英国神智学者たち/マグダラのマリア/神智学という科学、宗教、哲学第Ⅲ部 擬似科学
「科学」であることの信用
6章 心の概念を求めて
心身問題/骨相学とメスメリズム/非正統のパートナー/
心理学と心霊研究の接近/心のひだを探るガーニーとマイヤーズ
7章 進化という難問
進化する脳・永遠の脳/『創造の自然史の痕跡』と「超・現世」/
紳士と動物の間で:生理学者ロマーニズの信念/C・ダーウィンと交霊会/
ウォレスの心霊主義信仰/キリンの首はなぜ長いのか/
「人間の進化」と道のより高度な法則
8章 物理学と心霊現象
絶対性の終焉/開かれた心を持つ人々/高名な科学者にして心霊研究者/
自然の謎に憧れ続けた生涯/バレットの「透視と読心術」研究/超越的自己が潜んでいる/
魂の不死性を信じたロッジ/エーテルの宇宙とアインシュタインの科学