吉増剛造著『詩とは何か』(2021)

 

現代における「詩」の本質とは? 世界最高峰の詩人の1人、吉増剛造が60年の詩業の果てに辿り着いた境地を縦横無尽に語り尽くす。
現代最高の詩人による究極の詩論、ついに登場! 世界大戦、原爆、そして3.11。数多の「傷」を閲した現代における詩の意味を問う。いわゆる詩人の範疇を超え、カフカベケット石牟礼道子などの「書いたもの(エクリチュール)」へ。さらには文学さえも越え、ジョナス・メカスの映画、ゴッホの絵画、そして音楽にまで。縦横無尽に芸術ジャンルを横断し、あらゆる芸術行為の中に「詩」の真髄を見出す。詩の根源、すなわち「芸術」の根源へと肉迫する稀有の作品。

序――こわいようなタイトルのこの本に

第一部 詩のさまざまな「姿」について
第一章 詩のほんとうの「しぐさ」
第二章 「戦後詩」という課題
第三章 根源の詩人たち
第四章 純粋な「音」のままで立ち上がる「詩」

第二部 詩の持つ力とは何か
第五章  詩における「若さ」、「歪み」
第六章 「バッハ、遊星、0(ゼロ)のこと」など
第七章 根源的なハーモニーへ

第三部 実際に「詩」を書くときのこと(Q&A) 

おわりに――記憶の未来について
ほんの少し、爆発的で、ときに全力疾走もする即興的な「詩」の根拠――あとがきに代えて