ミシェル・フーコーとは何者なのか。常に変化した思想家の変わらぬ核心には、真理をめぐる〈哲学〉が存在した。「私は哲学者ではない」と語ったフーコー自身の言葉に抗いながら「言語」「存在(論)」「歴史」というフーコーの重要概念を読み解いていく本書は、異色のフーコー論にして、現代思想の到達点である。
はじめに
第1部 言 語
第1章 〈知の考古学〉
1 考古学という方法
2 言説の理論あるいは「社会形成体」と「言説形成体」
3 言表なるもの
4 〈知の考古学〉における「真理」
第2章 ソフィストとパレーシアスト──古代の真理ゲーム
1 「真のなかにいる」と「真理のなかにいる」──アリストテレスを読むフーコー
2 ソフィストと最初の「ソフィスト」
3 オイディプスの「半分ゲーム」
4 イオンの「半分ゲーム」第2部 存 在
第3章 フィクション、真理、主体
1 パレーシアから〈奇怪な存在論〉としての文学へ──「ニーチェ講義」を経由して
2 フィクションである言語、非存在である存在──「距たり・アスペクト・起源」
3 フィクション、寓話、経験、真理──「寓話の背後」
4 主体とその真理──「外の思考」(1)
5 バンヴェニストの影──「外の思考」(2)
6 一九六七年の合流
第4章 歴史の分割と「存在関数」
1 哲学のはじまり──イポリットの影
2 ニーチェと系譜学の概念
3 言表と言説、再び第3部 真理─政治─歴史
第5章 一九七〇年代の「転換」
1 真理と誤謬と規範──カンギレムの影
2 「真理の政治学」──デュメジルの影
3 人間学から「生物」学へ、あるいは白痴の「放下」
4 〈性の歴史〉と〈統治性の歴史〉
5 中間地帯〈かつet〉で起きること
6 真理ゲーム──デュメジルとともに注
あとがき
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