- 作者: ヘイドン・ホワイト,岩崎稔
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 2017/09/29
- メディア: 単行本
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歴史学に衝撃をもたらした“伝説の名著“ 翻訳不可能と言われた問題作が43年を経て、遂に邦訳完成!
[日本語版序文]
ようやく! そして、メタヒストリーを再考することの意味について[四〇周年記念版への前書き]
「きみが手にしているすべてが歴史だ」(マイケル・S・ロス)四〇周年記念版への序文
一九七三年版への序文
序論●歴史の詩学
歴史学的作品の理論
プロット化による説明
形式的論証による説明
イデオロギー的意味による説明
歴史叙述のスタイルという問題
喩法の理論
一九世紀の歴史意識の諸段階■第1部■受け入れられた伝統――啓蒙と歴史意識の問題
第1章●隠喩とアイロニーのはざまの歴史的想像力
はじめに
啓蒙の歴史叙述の弁証法
歴史叙述の伝統的な概念
歴史、言語、プロット
懐疑主義とアイロニー
啓蒙以前の歴史叙述の主要形式
ライプニッツと啓蒙
歴史の場
啓蒙の歴史叙述の到達点
啓蒙の歴史叙述に対するヘルダーの叛乱
ヘルダーの歴史理念
ヘルダーからロマン主義と観念論へ第2章●ヘーゲル――歴史の詩学とアイロニーを超える方法
はじめに
言語、芸術、歴史意識
歴史、詩、レトリック
可能なプロットの構造
包摂的なプロット構造としての悲劇と喜劇
即自的歴史と対自的歴史
即自かつ対自的歴史
構造としての《歴史の場》
国家、個人、悲劇的歴史観
過程としての《歴史の場》
悲劇から喜劇へ
世界史というプロット■第2部■一九世紀の歴史記述における四種類の「リアリズム」
第3章●ミシュレ─―ロマンスとしての歴史的リアリズム
はじめに
一九世紀における歴史学の古典
歴史哲学に抗する
歴史叙述
隠喩的様式における「リアリズム」としてのロマン主義的歴史学
「存在の混沌」としての歴史の場
ミシュレ─―隠喩として説明され、ロマンスとしてプロット化された歴史叙述第4章●ランケ─―喜劇としての歴史的リアリズム
はじめに
ランケの歴史学的方法の認識論的基礎
喜劇としての歴史過程
歴史的分析の「文法」
歴史的事件の「構文論」
歴史解釈の「意味論」
ランケにおける歴史的理念(イデー)の保守的含意
喜劇としてプロット化された歴史
歴史的方法として有機体論を本格的に弁護すること
小括第5章●トクヴィル――悲劇としての歴史的リアリズム
はじめに
弁証法に抗って
二つの様式における詩と歴史
自由主義の仮面
社会的調停の歴史叙述
歴史過程の「構文論」
アメリカの歴史の「意味論」
ヨーロッパ史というドラマ
リベラルな視点、保守的な語調
アイロニーの視座から見る悲劇的対立
革命というドラマのアイロニー的解決
アイロニー的視点がもつイデオロギー的意味に抵抗する試み
ゴビノー批判
アイロニーへの転落
小括第6章●ブルクハルト――風刺劇としての歴史的リアリズム はじめに
ブルクハルト――アイロニー的世界観
世界観としてのペシミズム――ショーペンハウアーの哲学
歴史意識の基盤としてのペシミズム
風刺劇的スタイル
歴史過程の「構文論」
歴史の「意味論」
「風刺(サトゥーラ)」のプロット構造
隠喩に抗って
アイロニーとしてのリアリズム
歴史と詩
小括■第3部■一九世紀後期の歴史哲学における「リアリズム」の拒否
第7章●歴史意識と歴史哲学の再生
第8章●マルクス――換喩の様式における歴史の哲学的弁護
はじめに
マルクスについて研究するという問題
歴史をめぐるマルクスの思想の核心
分析の基礎モデル
歴史的実存の「文法」
歴史過程の「構文論」
歴史の「意味論」
具体的な歴史的出来事に適用されたマルクスの方法
茶番劇としての歴史
小括第9章●ニーチェ――隠喩の様式における歴史の詩的弁護
はじめに
神話と歴史
記憶と歴史
道徳と歴史
真理と歴史
小括第10章●クローチェ――アイロニーの様式における歴史の哲学的弁護
はじめに
批評としての歴史哲学
「芸術の一般概念のもとに包摂される歴史」という試論について
歴史意識の美学
歴史的知の本性――共通感覚が与える正当化
歴史学的知の逆説的な本性
クローチェの歴史観念のイデオロギー的意味
適用された批評の方法――アイロニーの馴致効果
クローチェ対マルクス
クローチェ対ヘーゲル
クローチェ対ヴィーコ
ブルジョア・イデオロギーとしての歴史学結論
[日本語版解説]
メタヒストリーとは、いかなる問いなのか? (岩崎稔)参考文献一覧
1.本文内で分析された著作
2.歴史学・歴史哲学・批判理論に関する本文内で言及した著作
3.ヘイドン・ホワイトの著作(単著、共著、共編著)
4.ヘイドン・ホワイトの著作・論文の翻訳
5.ヘイドン・ホワイト論