北田暁大, 栗原裕一郎, 後藤和智著『現代ニッポン論壇事情 社会批評の30年史』(2017)

 

この30年、日本の論壇はどのように在ったのか。たとえば、「若者論」。バッシングから擁護へと大きく舵を切った「若者論」の背景には、年長世代の粗雑で自己肯定的な「世代論」があった。昨今のリベラル知識人のSEALDsへの前のめりな評価は、そのような若者の「政治利用」の帰結でもあるのではないか?
本書で批判の俎上にあげられているのは、柄谷行人上野千鶴子内田樹高橋源一郎宮台真司小熊英二古市憲寿など。60年代・70年代・80年代生まれと、世代が異なる個性的な論客3人が現代ニッポンの言論空間を語り尽くす刺激的な鼎談。

第一章 若者論のゆくえ
第二章 文化と政治――社会運動の源流
第三章 トランプが日本のリベラルに突きつけるもの