蓮實重彥著『見るレッスン-映画史特別講義』(2020)

 

見るレッスン 映画史特別講義 (光文社新書 1107)

見るレッスン 映画史特別講義 (光文社新書 1107)

  • 作者:蓮實 重彥
  • 発売日: 2020/12/15
  • メディア: 新書
 

見る上で重要なのは、異質なものに晒され、葛藤すること。映画は自分の好きなものを、他人の視点など気にせずに自由に見ればいい。ただし、優れた映画には必ずハッとする瞬間があり、それを逃がしてはならない。映画が分かるということは安心感をもたらすが、そこで満足するのではなく、その安心を崩す一瞬にまずは驚かなければならない。そして、驚きだけを求めてはいけないし、安心ばかりしているのも否。その塩梅は、画面と向き合う孤独というものを体験することのみで得られる。どのような瞬間に目を見開き、驚くべきかは実際にある程度分かるものであり、その会得のために見ることのレッスンは存在する。サイレント、ドキュメンタリー、ヌーベル・バーグ、そして現代まで120年を超える歴史を、シネマの生き字引が初めて新書で案内。

はじめに 安心と驚き
第一講 現代ハリウッドの希望
第二講 日本映画 第三の黄金期
第三講 映画の誕生
第四講 映画はドキュメンタリーから始まった
第五講 ヌーベル・バーグとは何だったか?
第六講 映画の裏方たち
第七講 映画とは何か
あとがき