長谷正人著『ヴァナキュラー・モダニズムとしての映像文化』(2017)

ヴァナキュラー・モダニズムとしての映像文化

ヴァナキュラー・モダニズムとしての映像文化

写真やジオラマ,映画,テレビなどといった複製技術による映像文化が切り開く「自由な活動の空間」の可能性を,高踏的なモダニズムではなく,ヴァナキュラー・モダニズム――日常生活の身体感覚に根差した――の視点から探究する,横断的映像文化論の試み.

序 論

第1部 ジオラマ化する世界
1  創造とは何か?:フーコーキアロスタミデリダ
2 『明るい部屋』を読み直す:写真,バルト,時間
3  ヴァナキュラー・モダニズムとしての心霊写真
4  カール・エイクリー/杉本博司の生態ジオラマ
5  ジオラマとしてのクロード・モネの庭園
6  イーストウッド父親たちの星条旗』,あるいはジオラマの内と外
7  ヴァナキュラー・イメージとメディア文化:シミュラークルとしての「ルー大柴

第2部 戦後日本映画とポストモダン
8  小津安二郎と戦後日本社会の変容:反=接吻映画としての『晩春』
9  長谷川伸と股旅映画:暮らしの倫理と映画
10 高倉健と消費社会:転換期の日本映画
11 日本映画のポストモダン鈴木清順相米慎二澤井信一郎

第3部 テレビというヴァナキュラーな公共圏
12 テレビ,生活革命,子どもの民主主義
13 クイズ化するテレビ,あるいはテレビの文化人類学
14 山田太一,あるいは「愚痴の公共圏」の可能性
15 山田太一,「パーソナルな文化」としてのテレビドラマ
16 永六輔,アマチュアリズムと放送の民主主義
17 大量消費社会とパーソナル文化

あとがき

14, 27 クリフォード『文化の窮状』

文化の窮状―二十世紀の民族誌、文学、芸術 (叢書・文化研究)

文化の窮状―二十世紀の民族誌、文学、芸術 (叢書・文化研究)

52, 64 小池『心霊写真』
心霊写真 (宝島社新書)

心霊写真 (宝島社新書)

69 宮本『モダンの黄昏』
モダンの黄昏―帝国主義の改体とポストモダニズムの生成

モダンの黄昏―帝国主義の改体とポストモダニズムの生成

107 松本『全国アホ・バカ分布考』
全国アホ・バカ分布考―はるかなる言葉の旅路 (新潮文庫)

全国アホ・バカ分布考―はるかなる言葉の旅路 (新潮文庫)

163, 173 斉藤「高倉健の曖昧な肉体」『男たちの絆、アジア映画』177, 199 北野『日本映画はアメリカでどう観られてきたか』
日本映画はアメリカでどう観られてきたか (平凡社新書)

日本映画はアメリカでどう観られてきたか (平凡社新書)

180, 199 四方田『日本映画のラディカルな意志』
日本映画のラディカルな意志

日本映画のラディカルな意志

190, 201 御園生「少女・謎・マシンガン」『映画の声』 206 難波『テレビ・コマーシャルの考古学』
テレビ・コマーシャルの考古学―昭和30年代のメディアと文化―

テレビ・コマーシャルの考古学―昭和30年代のメディアと文化―

207 吉見『リアリティ・トランジット』