栗原裕一郎著『〈盗作〉の文学史ー市場・メディア・著作権』(2008)

〈盗作〉の文学史

〈盗作〉の文学史

つくづく人間(作家)は面白い。盗作、パクリ、剽窃、無断引用、著作権侵害、作家のモラル…をめぐって繰り広げられたドタバタ(悲喜劇)を博捜し、事件としてでっち上げられる過程を冷静に考察した“盗作大全”。すべての作家、作家志望者、文学愛好家必読必携の書。

序 章 盗作前史-偽版・代作・著作権
第一章 メディアの事件としての盗作疑惑
 1.「男根の男根」的事件―倉橋由美子『暗い旅』
 2.都市伝説の真相―庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』
第二章 新人賞と盗作事件
 1.丸写しで新人賞をもらった男―有城達二「殉教秘聞」
 2.盗作というイメージの体現者―西村みゆき「針のない時計」
 3.小説に描かれた盗作事件―木幡亮介「永遠に一日」
第三章 オリジナルという“データ”
 1.超訳という創作方法―大藪春彦「街が眠る時」
 2.三好徹『乾いた季節』
 3.すべての文章はデータでしかない?―山崎豊子不毛地帯』『大地の子
 4.中河与一『天の夕顔』
 5.丹羽文雄蓮如
第四章 素材と創作のあいだ
 1.ノンフィクションという被害者の発見―宮原昭夫『誰かが触った』
 2.「作家のモラル」というニュース性―綱淵謙錠「怯」
 3.歴史的事実をめぐる困難―立松和平光の雨
第五章 作品の自立と模倣の可能性
 1.『黒い雨』狂想曲―井伏鱒二『黒い雨』
 2.模倣が切りひらいた地平―寺山修二「チェホフ祭」
第六章 異メディア間における盗作疑惑
 1.マンガの二次創作?―鷺沢萌「川べりの道」
 2.翻案という難問―山口玲子『女優貞奴』とNHKドラマ『春の波涛』)
第七章 インターネットという新しい告発装置
 1.メディアに翻弄された「インターネットの女王」―田口ランディ
 2.マスメディアから集合知(痴)へ―篠原一と飛鳥部勝則
第八章 その他の事件

37 紅野「漱石、代作を斡旋する」『投機としての文学』

投機としての文学―活字・懸賞・メディア

投機としての文学―活字・懸賞・メディア

41 大東『文学の誕生』
文学の誕生―藤村から漱石へ (講談社選書メチエ)

文学の誕生―藤村から漱石へ (講談社選書メチエ)

45 山本『文学者はつくられる』
文学者はつくられる (未発選書)

文学者はつくられる (未発選書)

275 大塚『物語の体操』福井『著作権とは何か』
著作権とは何か―文化と創造のゆくえ (集英社新書)

著作権とは何か―文化と創造のゆくえ (集英社新書)