なぜ映画や映像を早送り再生しながら観る人がいるのか――。
なんのために? それで作品を味わったといえるのか?
著者の大きな違和感と疑問から始まった取材は、
やがてそうせざるを得ない切実さがこの社会を覆っているという
事実に突き当たる。一体何がそうした視聴スタイルを生んだのか?
いま映像や出版コンテンツはどのように受容されているのか?
あまりに巨大すぎる消費社会の実態をあぶり出す意欲作。
序章 大いなる違和感
第1章 早送りする人たち
――鑑賞から消費へ第2章 セリフで全部説明してほしい人たち
――みんなに優しいオープンワールド第3章 失敗したくない人たち
――個性の呪縛と「タイパ」至上主義第4章 好きなものを貶されたくない人たち
――「快適主義」という怪物第5章 無関心なお客様たち
――技術進化の行き着いた先おわりに