橋本努著『ロスト近代−資本主義の新たな駆動因』(2012)

ロスト近代 資本主義の新たな駆動因

勤労精神の喪失(ロスト)、欲望の喪失(ロスト)。劣化していく日本社会。ポスト近代社会の煮詰まった停滞を破り、3・11後の危機を第二の文明開化へと転換する。気鋭の社会学者による、渾身の書下ろし現代社会論。

はじめに
第1章 近代・ポスト近代・ロスト近代
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　1 不可能性の時代?
　2 「近代」の駆動因
　3 「ポスト近代」の駆動因
　4 「ロスト近代」の駆動因
　5 自然の本来的価値を求めて
第2章 ロスト近代 表層から深層へ
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　1 社会の新たな変動がはじまった
　2 自己愛消費の終焉
　3 情報無料化の時代
　4 第三領域の失効
　5 シンボリックに発見される「貧困」
　6 象徴的「貧困」を克服するために
第3章 格差社会論 ゼロ年代の中心
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　1 ゼロ年代の格差論を振り返る
　2 論者たちのスタンスからみえてくるもの
　3 高齢化ゆえの帰結
　4 「ポスト近代」社会の成功ゆえの帰結
　5 鈍化した経済ゆえの帰結
　6 「ロスト近代」の視点で考える
第4章 北欧型新自由主義の到来
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　1 新自由主義化によって成功した北欧諸国
　2 新自由主義の諸相
　3 ロスト近代の社会秩序
第5章 ローマ・クラブ型恐慌への不安と希望
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　1 サブプライムは問題の本質ではない
　2 新自由主義と新重商主義
　3 社会構造の理論
　4 ローマ・クラブ型恐慌
第6章 グローバル化の逆説
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　1 グローバリズムの歴史――過去二〇年間を振り返る
　2 新自由主義の変容
第7章 3・11大震災と原発事故を考える
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　1 文明の視点で考える
　2 無責任の体制としての福島第一原発事故
　3 安楽の全体主義を超えて
第8章 グリーン・イノベーション論
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　1 原子力エネルギーからの脱却
　2 自然エネルギー導入をめぐる思想理念
　3 自然エネルギー促進のための制度理念
　4 国と地方の役割分担
第9章 ロスト近代の原理
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　1 アリストテレス主義の拡張
　2 バイオミミクリー
　3 環境市民:新たなロマン主義の誕生
　4 高貴な野生人としての環境市民

49 アンダーソン『フリー〈無料〉からお金を生み出す新戦略』

フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略

53「「記号」を消費するのではなく、「価値解釈」を消費する。こうした「記号消費」から「価値消費」への転換」
70 スティグレール「寄与経済」
77 佐藤『不平等社会日本』

不平等社会日本―さよなら総中流 (中公新書)

86 橋本『新しい階級社会』

新しい階級社会 新しい階級闘争 [格差]ですまされない現実

133 ライシュ『勝者の代償』

勝者の代償―ニューエコノミーの深淵と未来

171 『ソーシャル・インクルージョン―格差社会の処方箋』

ソーシャル・インクルージョン―格差社会の処方箋

181 ロサンヴァロン『連帯の新たなる哲学』

連帯の新たなる哲学―福祉国家再考

188「北欧型の新自由主義は、リベラリズムのように、たんにスタートラインにおける「機会の形式的ないし実質的な平等」を求めるのではない。あるいは新しい共和主義のように、「機会」を共同体的価値によって制約しようとするのでもない。北欧型の新自由主義は、「機会」というものができるだけ活用されるように、人々の潜在能力を活性化しようとする」
213 二宮『新自由主義の破局と決着』

新自由主義の破局と決着―格差社会から21世紀恐慌へ