宝塚歌劇のファン同士のいい席をめぐる駆け引きやスター・生徒へのさまざまな距離感を描きながら、非合理に見えるファンの行動がきわめて合理的に成り立っていてある「秩序」を形成していることを明らかにする。ファンがスターを作る過程に迫るファン文化論。
序章 宝塚歌劇団の転換――一九九〇年代から二〇〇〇年代へ
第1章 宝塚スターシステムとファンクラブ
1 トップスターというポジション
2 二つの序列――スター路線と年功
3 トップレース――人事の暗号を読む
4 新専科制度第2章 ファンクラブの活動内容――ファンクラブ側から見て
1 ファンクラブの組織活動とその役割
2 チケットの確保と配券
3 チケット出し
4 拍手を仕切る
5 総見の設定
6 楽屋入り・出待ちガード
7 お茶会と親睦会
8 会服とグッズ
9 その他の業務
10 ファンクラブの序列第3章 ファンクラブ会員の役割――ファン側の視点
1 なぜファンクラブに入るか
2 チケットの魅力
3 拍手への参加
4 総見への参加
5 ガードへの参加
6 サヨナラ公演のガード
7 お茶会
8 会報とグッズ
9 合同イベント
10 ファン同士のコミュニケーション第4章 舞台と客席をつなぐファンクラブ
1 ショーと前方席の関係
2 お披露目からサヨナラ公演千秋楽まで第5章 ファンクラブの意味
1 秩序が守られる仕組み
2 近さと遠さ
3 魔法が解けるとき参考文献
あとがき
12 ジェニファー・ロバートソン『踊る帝国主義―宝塚をめぐるセクシュアルポリティクスと大衆文化 』2000