都甲幸治著『今を生きる人のための世界文学案内』(2017)

今を生きる人のための世界文学案内 (立東舎)

今を生きる人のための世界文学案内 (立東舎)

僕を熱くさせる小説は、ほとんど全てこの本に書いてある。都甲幸治のベスト書評集。とにかく面白い本を、国・言語にかかわらずひたすら読みまくる。そしてその本について書きまくる。これは、そんな「狂喜の読み屋」の戦いの記録だ。現代日本の最重要翻訳家・都甲幸治。彼の膨大な原稿から厳選したベスト書評集。読書日記、長短様々な書評、自伝的なエッセイなどから、現代の世界文学のありかたが見えてくる! 村上春樹騎士団長殺し』についての書き下ろし書評も掲載。世界文学の今を知るための、最新ブックガイドが登場。

まえがき
1 2015年以降の読書日記
2 日本、アメリカ、そして
語りかけてくる言葉――村上春樹騎士団長殺し
閉じた家、開いた家――坂口恭平の小説
ラテンアメリカを引き継ぐ――ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』と北米の魔術的リアリズム
3 世界文学をひたすら読む
涙の擁護――舌津智之『抒情するアメリカ――モダニズム文学の明滅』
英語の中の東欧系文学
死の帝国——ロベルト・ボラーニョ『第三帝国
作家たちの声を聴く——青山南編訳『作家はどうやって小説を書くのか、じっくり聞いてみよう! 』
新しいサリンジャー像——ケネス・スラウェンスキー『サリンジャー 生涯91年の真実』
あらかじめ失われた父を求めて――ジョン・アーヴィング『また会う日まで』
文学の再発明――ドン・デリーロ『ボディ・アーティスト』
沈黙の言葉――ポール・オースター『幻影の書』
偽装された自伝――ポール・オースター『写字室の旅』
アメリカの崩壊――ゲイリー・シュタインガート『スーパー・サッド・トゥルー・ラブ・ストーリー
三の物語――カレン・テイ・ヤマシタ『熱帯雨林の彼方へ』
新たなフランツ・ファノン——タナハシ・コーツ『世界と僕のあいだに』
すべては繋がり、循環する——いしいしんじ『海と山のピアノ』
暴力と絶望――星野智幸『呪文』
奇妙な師弟関係の中で——又吉直樹『火花』
サリンジャーを書き直す——円城塔『バナナ剥きには最適の日々』
外側の眼――筒井康隆『世界はゴ冗談』
肯定の力——岩城けい『Masato』
反転する河原と一般社会——木村友祐『野良ビトたちの燃え上がる肖像』
4 英語を生きる
英語を生きる
トランプと人種差別――南北アメリカ文学に見る排除
前山君のこと
5 僕の好きな翻訳文学40冊
あとがき

ケレット『突然ノックの音が』
バドニッツ『元気で大きいアメリカの赤ちゃん』
ヘモン『愛と障害』
印グランダー『アンネ・フランクについて語るときに僕たちの語ること』
サンブラ『盆栽/木々の私生活』
リー『黄金の少年、エメラルドの少女』
ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』既読
ジュライ『いちばんここに似合う人
アレクシー『はみだしインディアンのホントにホントの物語』
ボラーニョ『野生の探偵たち』
ペレーヴィン『宇宙飛行士オモン・ラー』
ジョンソン『ジーザス・サン』既読
ディン『血液と石鹸』
アディーチェ『アメリカにいる、きみ』
プルー『ブロークバック・マウンテン
デイヴィス『ほとんど記憶のない女』
ファンテ『天使はポケットに何も持っていない』
ベンダー『燃えるスカートの少女』
ソウンダース『パストラリア』
デリーロ『ボディ・アーティスト』
ムーア『アメリカの鳥たち』
ラニューク『ファイト・クラブ
イシグロ『充たされざる者
タブッキ『レクイエム』
シスネロス『マンゴー通り、ときどきさよなら』
ブコウスキー『くそったれ!少年時代』
ヤマシタ『熱帯雨林の彼方へ』
ロス『背信の日々』
ダイベック『シカゴ育ち』
スピーゲルマン『マウス』
エリクソン『黒い時計の旅』
カーヴァー『大聖堂』
オブライエン『本当の戦争の話をしよう』
アトウッド『侍女の物語
オースター『幽霊たち』
クッツェー『マイケル・K』
ガルシア=マルケスエレンディラ
プイグ『ブエノスアイレス事件』
ボルヘス『砂の本』
ブローティガン『ビッグ・サーの南軍将軍』