舌津智之著『抒情するアメリカ―モダニズム文学の明滅』(2009)

抒情するアメリカ モダニズム文学の明滅

抒情するアメリカ モダニズム文学の明滅

常に抑圧の宿命を引き受け、まさにそれがゆえに繰り返し回帰してくる「抒情するアメリカ」。その伝統を、メルヴィル、ノリス、キャザー、ハーストン、T・ウィリアムズ、カポーティ、そしてビーチ・ボーイズに読み込み、そのモダニスティックな文学的微光の明滅を跡づける。アメリカ文学界屈指の俊英の初のアメリカ文学論集。

序 アメリカ文学と抒情
第一部 モダニスト・ロマンティックス
 第一章 センチメンタル・メルヴィル――『白鯨』と異性愛の回帰
 第二章 モダニスト・ノリス――『オクトパス』と詩情の回帰
 第三章 越境する記憶――キャザーにおける南部の抑圧
第二部 モダニズムズの振幅
 第四章 回帰するハーレム――ハーストンとミュージカル
 第五章 涙のゆらめき――ウィリアム・サローヤンモダニズム
 第六章 『夜の森』の獣たち――ジュナ・バーンズとヘミングウェイ
 第七章 青いジャンルの誘惑――『欲望という名の電車』とエドガー・アラン・ポウ
第三部 拡大モダニズムの射程
 第八章 侵犯するモダニズム――テネシー・ウィリアムズとT・S・エリオット
 第九章 喪失のパリンプセスト――カポーティと南部抒情文学
 第十章 もう一度/もう二度と――ビーチ・ボーイズの明暗法(キアロスクーロ)
 あとがき
引用楽曲・引用文献・索引