宮島喬編著『講座社会学7 文化』(2000)

講座社会学〈7〉文化

講座社会学〈7〉文化

脱工業化する現代社会で,人々は文化に新たな価値を見いだしている.もともと社会の構造を再生産するものである文化の両義的な状況を現代日本社会のなかで明らかにし,宗教,教育などの在り方を含めて解明する.

1章 総論 現代の文化研究の課題 宮島 喬
2章 若者文化の析出と融解――文化志向の終焉と関係嗜好の高揚 山田真茂留
3章 学歴エリート・教養・文化資本  竹内 洋
4章 消費社会の政治学――1970年代女性雑誌の分析をつうじて 坂本佳鶴惠
5章 家郷解体後の宗教世界の変貌  西山 茂
6章 日本社会におけるジェンダーの再生産  杉原名穂子
7章 社会の文化的再生産と変動 宮島 喬

79 ブルデュー「(学生は)教養のある文化とかなり接したために、つまらない話題を口に出せなくなり、言ってはならない事柄をあれこれ知るようになるのですが、かといって語るべきことが他にあるわけではない」
84「現代の学歴エリートのキョウヨウ主義は学歴資本のハビトゥス戦略である」「学歴によって差異化し、大衆文化によって同化する二重戦略である」
85「学者型は「メッキをぬった平民」「成り上がりの平民」としてよりも差異化だけを繰り出す「書生ぽさ」や「青くささ」として貶価され、「清濁合わせのむ」「庶民らしさ」をもつ「人物」が評価される」