ピエール・ブルデュー, ジャン・クロード・パスロン著『再生産―教育・社会・文化』(1970=1991)

再生産 〔教育・社会・文化〕 (ブルデュー・ライブラリー)

再生産 〔教育・社会・文化〕 (ブルデュー・ライブラリー)

『遺産相続者たち』('64)にはじまる教育社会学研究を理論的に総合する文化的再生産論の最重要文献。象徴暴力の諸作用とそれを蔽い隠す社会的条件についての一般理論を構築。「プラチック」論の出発点であり、ブルデュー理論の主軸。

第1部 象徴的暴力の理論の基礎
 1 教育的働きかけの二重の恣意
 2 教育的権威
 3 教育的労働について
 4 教育システムについて
第2部 秩序の維持
 1 文化資本と教育的コミュニケーション
 2 教養人的伝統と社会の自己保存
 3 排除と選別
 4 独立による従属
付論 高等教育進学機会の構造の変化―変形か、それとも転移か

24「AP(教育的働きかけ)にかんする社会学理論は、もっぱら、押しつけの恣意と押しつけられた恣意を区別することにより、次の二つの理論的虚構のあいだの関係の社会学的含意を明らかにすることにある。つまり、この押しつけを純粋な力関係であるとし、それを客観的真理と考えることの虚構、および押しつけられた意味を徹頭徹尾恣意的な文化とみなし、それを客観的真理と考えることの虚構のあいだの関係がそれである」