長尾剛著『テレビゲーム風雲録-インベーダーからドリームキャストまで』(1999)

 

わずか15年にして、巨大ビジネスに成長したテレビゲーム業界の興亡。『ゼルダの伝説』の宮本茂、『ドラゴンクエスト』の堀井雄二、『バーチャファイター』の鈴木裕、『ゼビウス』の遠藤雅伸、『ダービースタリオン』の薗部博之…超一流ゲーム作家の主張を織りまぜて分析する、コンピュータ・アミューズメントの現代史。

序章・テレビゲームの揺藍
1984ファミコン時代がやって来た
1985・『スーパーマリオブラザース』革命
1986・ゲームキャラクタービジネスの黎明
1987・モニターのなかの女たち―脱衣式麻雀ゲームを中心に
1988・文芸としての『ドラゴンクエスト
1989・バブルと『テトリス』の頃
1990・スーパーファミコンの宇宙へ
1991・ゲームボーイ湾岸戦争
1992・『ダービースタリオン』走る!〔ほか〕

 

安壇美緒著『天龍院亜希子の日記』(2018)

 

天龍院亜希子の日記

天龍院亜希子の日記

  • 作者:安壇 美緒
  • 発売日: 2018/03/05
  • メディア: 単行本
 

人材派遣会社に勤める田町譲。平凡な男のブラックな日常生活を勇気づけるのは、幼い頃に憧れていた野球選手と、長らく会っていない元同級生の日記だった―。第30回小説すばる新人賞受賞作。

 

『ユリイカ』12, 2019「特集 Vaporwave」

 

2010年代初頭の登場以来、インターネットを中心としてカルト的な人気を博している音楽ジャンル、Vaporwave。80~90年代のポップスやフュージョン、ミューザック(商業用音楽)をサンプリングし、エフェクトを重ねることで生み出される独特の音に、いわゆる“なつかしの”CMやアニメの画像をコラージュしたアートワーク/MVを加えたその音楽は、Web上を蒸気のように漂いながら消費社会における〈失われた未来〉をシニカルに上演する。音楽要素の分析から哲学・現代思想、美学的側面まで、Vaporwaveの現在の様態に迫る特集号。

特集*Vaporwave――Oneohtrix Point Never、Vektroidから猫 シ Corp.、ESPRIT 空想、2814まで…WEBを回遊する音楽

 

❖インタビュー1
Eccojamsと非正統の詩学 / ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(聞き手=編集部)

❖訳出
Vaporwaveとヴァーチャルプラザのポップアート / アダム・ハーパー(訳=Chocolat Heartnight)
「Vaporwaveとヴァーチャルプラザのポップアート」解題 / Chocolat Heartnight

❖沸騰と拡散
「幻」だけが生き延びて「僕たち」は「僕」になっていた / tomad
新傑作ラベルとネオガイアの伝説 / hitachtronics(New Masterpiece)
バック・トゥ・2012!!!!!!!!!!!――令和元年に振り返るヴェイパ元年 / 小鉄昇一郎
群れる、並み(蒸れる、波) / 入江陽
Untitled / エース明

❖インタビュー2
2つの夜韻を行き来する / Night Tempo(聞き手・構成=天野龍太郎)

❖漂流する未来
身体に悪い蒸気の文化 / さやわか
未来のユートピア的ノスタルジー的遠方――ヴェイパーウェイヴは代替現実の夢を視る / 木澤佐登志
加速主義の/減速的な美学 / 河南瑠莉
幽霊、こころ、レトロダクション / 原島大輔

❖創作と善
雨、繫ぎ止める記録(ZINE) / Colstrains
二〇一九年一〇月の100% ElectroniCON 2 / ΔKTR
スタディ / AOTQ
漫画とvaporwave / 植木浮絵

❖音の在処
Vaporwaveについて、私は(ほぼ)何も知らない / 佐々木敦
闘争領域B A C K W A R D / 三田格
空間ならざる空間の響き――エコージャムズと零度の空間 / imdkm
Vaporwaveと俗流アンビエント――ニュー・エイジの消費主義的異形をめぐって / 柴崎祐二
不思議のフォーク・ミュージック / 久保田晃
Vaporwaveが依拠するプラットフォーム――インターネットの余地は残るのか? / 日高良祐

❖座談会
円環に留まる倫理――Vaporewave 2.0と男性原理 / 仲山ひふみ×銭清弘×山形一生

❖短篇小説
Windows96 / 樋口恭介

❖#Vaporwave is (not) Dead
Vaporwaveと「シコリティ」の美学 / 松下哲也
Future Funkとアニメーション――ふたつの夢の分析 / 難波優輝
不安を与えるミームたち――さらにもう一つの(悪趣味な)Vaporwave史 / 銭清弘
ヴェイパーウェイヴほめご…大絶賛キャンペーン(くたばれジョージ・クラントン!) / 伏見瞬

❖資料
Vaporwave入門ガイド / sute_aca

 

■私が出会った人々*最終回
故旧哀傷・清水康雄 / 中村稔

■詩
Happy Bag 他一篇 / 犬飼愛生

■今月の作品
村崎カイロ・スズキあおぞら・千種創一・かるべまさひろ・ゆずりはすみれ
選=水無田気流

■われ発見せり
紋切り型を愛するということ / 高石凌馬

 

木下古栗著『人間界の諸相』(2019)

 

人間界の諸相

人間界の諸相

  • 作者:木下 古栗
  • 発売日: 2019/01/25
  • メディア: 単行本
 

菱野時江とは何者なのか…。謎に満ちた日常が繰り広げられる!異才木下古栗が描くエンタメ風小説! 

淑女の嗜み
創造的破壊
鳥貴族
DREAM ON
遠隔操作
位置情報
お茶会
visionary
活字市場
或るリスクテイカーの死
市場原理
mimēsis
毛のない猿の蛮行
幻の淑女

 

『現代思想』5, 2020, vol.48-7「緊急特集 感染/パンデミック-新型コロナウイルスから考える」

 

新型コロナウイルスをめぐる報道が目下加熱しているが、感染症との闘いとその共存は、人類史のなかで一大テーマとなってきた。 本特集では感染症とその対策をめぐる現場の最前線から、パンデミックをめぐる人類史、そして患者の隔離政策やワクチン接種などをめぐる統治、感染をめぐる表現などを追い、検討する。

緊急特集*感染/パンデミック――新型コロナウイルスから考える

 

【議論】
G・アガンベン/J‐L・ナンシー/R・エスポジト/S・ベンヴェヌート / 高桑和巳・伊藤潤一郎訳 

パンデミックの/と思想】
監視と処罰ですか? いいですねー、お願いしまーす! / S・ジジェク松本潤一郎訳 
コモン/ウイルス / 水嶋一憲 
恵まれたる者、呪われたる者 / 小泉義之 

【医療の現在地】
感染までのディスタンス / 美馬達哉
感染症の疫学とアウトブレイク対応 / 津田敏秀 
国際共同臨床試験の倫理 / 栗原千絵子+齊尾武郎 
へき地や離島での感染症対策と保健活動 / 青木さぎ里 

【生政治のゆくえ】
戦争・権力・感染 / 木澤佐登志 
フーコーにおける感染症と安全 / 西迫大祐 
COVID-19 時代のリスク / 粥川準二 

【対策をめぐって】
予防接種をめぐる決断と責任 / 手塚洋輔 
感染予防とイベント自粛の倫理学 / 玉手慎太郎 
「科学」的「占い」に抗う大衆動員の予防について / 羽根次郎 
広範囲の都市化を通じたウイルスの伝播 / 平田周 

【感染を描く世界史】
感染症と文明、その中国的文脈について / 飯島渉 
一三─一四世紀アフロ・ユーラシアにおけるペストの道 / 諫早庸一 
コロナから発される問い / 塚原東吾 

【日本の感染症史】
二一世紀の疫因論 / 香西豊子 
ハンセン病「隔離」とは何か / 廣川和花 
清潔の指標 / 川端美季 

【感染をとらえる〈ことば〉】
コレラ放射能・流言 / 越野剛 
新型コロナ騒動から日本エイズ文学を考える / C・ローウィー 

【感染をめぐる人類学】
鼻口のみを覆うもの / 住田朋久 
エイズパンデミックと生き方の変容 / 新ヶ江章友 
「人間以上」の世界の病原体 / 奥野克巳 

【暮らしの危機から考える】
パンデミックで人びとを破滅させてはならない / Ⅴ・プラシャド+M・ベルトルディ/粟飯原文子訳 
グローバリゼーションと「危機」の経済的位相 / 中山智香子 
終わりなき点検と調整 / 田中祐理子 

【病とともにある「日常」
なぜ病んだ人たちが謝らないといけないの / チョハン・ジニ/影本剛訳 
病者のユートピア / 有薗真代 
パンデミックに浸蝕される「日常」 / 山田陽子 
たったひとりにさせない/ならないために / 山家悠平 

 

【連載●デミウルゴス●第一三回】
鼎制(一) / 磯崎新 

【連載●ポスト・ヒューマニティーズへの百年●第五回】
意識のオデュッセイア / 浅沼光樹 

【研究手帖】
「他者」ではない他者 / 本多真隆

 

高山一実著『トラペジウム』(2018→2020)

 

トラペジウム (角川文庫)

トラペジウム (角川文庫)

 

高校1年生の東ゆうは「絶対にアイドルになる」ため、己に4箇条を課して高校生活を送るが――。現役トップアイドルが、アイドルを目指すある女の子の10年間を描いた感動の青春小説!著者が親友たちへの想いを綴った「あとがき」に加え、雑誌連載時のカラーイラスト全18点を特別収録。

 

万田邦敏著『再履修 とっても恥ずかしゼミナール』(2009)

 

再履修とっても恥ずかしゼミナール

再履修とっても恥ずかしゼミナール

  • 作者:万田 邦敏
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

◎1980年代に「月刊イメージフォーラム」誌で連載した傑作エッセイ「とっても恥ずかしゼミナール」を中心に、映画の魅力や映画作りの裏側をユーモアたっぷりに紹介した批評・エッセイを、授業形式で読む。
ゴダールイーストウッド小津安二郎など、1979年から2009年までに発表された、様々な映画監督・作品についての批評、講義録等を多数収録。
黒沢清の長編デビュー作『女子大生・恥ずかしゼミナール』(『ドレミファ娘の血は騒ぐ』)の撮影日誌を単行本初収録。
◎映画監督/黒沢清青山真治塩田明彦、脚本家/高橋洋、小説家・ミュージシャン/中原昌也との対談・座談会記事を収録。

・ 本ゼミを履修するみなさまへ・ 本ゼミを履修するみなさまへ・ 前期課程 宣戦布告  とっても恥ずかしゼミナール1 私はこうして恥ずかしさを克服した  とっても恥ずかしゼミナール2 明大騒動舎は学生自主映画界のシーラカンスか?  課外授業1 同世代作家たち  パロディアス・ユニティ 匿名的時空へ向けて/蓮實重彦現象 ハスミ光線のかなたに/「小津らしさ」のグロテスク 周防正行「サラリーマン教室・係長は楽しいな」  とっても恥ずかしゼミナール3 『バイオレント・サタデー』こそ八四年のベストワンだ  とっても恥ずかしゼミナール4 そんな出鱈目の遙か彼方に『カポネ大いに泣く』がある  課外授業2 イーストウッドブレッソンスピルバーグ  『シティヒート』『ビバリーヒルズ・コップ』における二大スター+レイノルズ考/一九八五年ベスト・ワン映像 クリント・イーストウッド『ペイルライダー』/ブレッソン研究 『ラルジャン』にないもの/シネマ・クエスト スピルバーグと○○○  とっても恥ずかしゼミナール5 上映会で最前列に並ぶ連中の職業的な馴合精神を排す  とっても恥ずかしゼミナール6 映画のTV放映における過剰な親切ぶりは腹立たしい  課外授業3 テレビ批評  正しいテレビとのつき合い方/デビット・ビンセントくんの熱意に潜むとは何か/テレビの「ゆく年・くる年」現象に逆らう/テレビは続くよどこまでも  第3章『英和対訳袖珍辞書』とMedhurst『英漢字典』―抽象語の訳語比較を中心に―  とっても恥ずかしゼミナール7 『ドレミファ娘』は多くの人々に捧げられる映画である  課外授業4 黒沢清  『女子大生・恥ずかしゼミナール』という名の映画(前篇)/『女子大生・恥ずかしゼミナール』という名の映画(後篇)/黒沢清・彼自身によらぬ  とっても恥ずかしゼミナール8 ニヤリとさせてくれる映画の面白さをめぐる一考察  とっても恥ずかしゼミナール9 構図と意味の一致を拒むキャメラのモラルについて  課外授業5 映画監督という職業  ウォーカーはどこを歩くのか アレックス・コックスの『ウォーカー』/コスタ=ガヴラスが忘れられる前に! 143  とっても恥ずかしゼミナール10 『ドレミファ娘』はヒール・キック・ムービーと呼ぼう  とっても恥ずかしゼミナール11 映画誌「突刊 映画王」にとりあえず期待してみよう  課外授業6 雑誌「映画王」  『悪魔の性キャサリン』/『事件』の完全映画化は裁判ドラマに終止符を打つ/アメリカ映画主義 遙かなるこだま、あるいはジョナサン・デミは一人か二人か/『ミクロキッズ』  とっても恥ずかしゼミナール12 物語を自然に語る映画を撮ることの困難さについて
  とっても恥ずかしゼミナール13 物語を自然に語る映画を撮ることの困難さについて(続)  課外授業7 映画の演出  マキノの『馬鹿野郎』/ヒッチコックから遠く離れて 『フランティック』におけるポランスキーの綱渡り・ 後期課程 遭遇と発見  1990-1995  『新ドイツ零年』/『パーフェクト・ワールド』/『君はどこにいるの?』/『シンドラーのリスト』/『水の話 プチ・シネマ・バザール』/『フィラデルフィア』/『リトル・ブッダ』/『ゴダールの決別』/『平成狸合戦ぽんぽこ』/特集上映「加藤泰/女と男、情感の美学」/『アブラハム渓谷』/第四回「国際学生映画祭」  1996-2001  映画論、映画評、そして映画製作 ここに映画あり 【座談会】万田邦敏×黒沢清×青山真治ジョン・カーペンター『ヴァンパイア/最期の聖戦』/大島渚『白昼の通り魔』『絞死刑』『帰って来たヨッパライ』/黒沢清との出会い/『アメリカの友人』 単純と混濁に引き裂かれた奇形の犯罪活劇/木下惠介二十四の瞳』/『バッファロー’66』  2002  覚悟のゴダール/『UNLOVED』と『害虫』をめぐる会話 万田邦敏×万田珠実×塩田明彦高橋洋との往復メール 高橋洋×万田邦敏・万田珠実/切断と継続 『恋人のいる時間』万田邦敏+万田珠実  2003-2004  同時代ベテラン作家たち、あるいは非「ニューシネマ」の強度/『ゲアトルーズ』 「聖なる映画作家」による通俗な愛の物語  2005-2007  オコっちゃま☆オコマリっちゃま/男/女には理解できない 「何か」への強迫観念/ロバート・アルトマン追悼  2008-2009  『秋刀魚の味』講演録/『UNLOVED』をめぐって 【対談】万田邦敏×中原昌也トウキョウソナタ “許容”が家族を再生させる/私の映画史 恋愛映画(外国映画篇)・ あとがき・ 万田邦敏監督作品・ 映画題名索引