アブラム・デ・スワーン著,大平章訳『殺人区画-大量虐殺の精神性』(2015→2020)

 

二十世紀、非戦闘員に向けられた集団的暴力は戦争の三倍以上の人命を奪ったと言われる。ホロコーストをひとつの頂点として、ホロドモールやポル・ポト派による虐殺、ユーゴスラヴィアルワンダの虐殺にいたる無数の悲劇はいかなる人びとにより、いかにして実行されたのか。権力者の命令で、あるいは自ら進んで大量殺戮に従事した人びとの置かれた状況と、彼らを殺戮へと駆り立てる方法を社会学的に分析する。

第1章 序論
第2章 普通の加害者と近代性―状況に条件づけられた合意
第3章 同一化と非同一化の広がる輪
第4章 人間の歴史における暴力の変容
第5章 ルワンダ―自己破壊的な破滅
第6章 集団虐殺の体制と社会の区分化
第7章 大量虐殺の四つの方法―事例の歴史
第8章 集団虐殺の犯人と人格の区分化
第9章 結論