堀啓子著『日本ミステリー小説史―黒岩涙香から松本清張へ』(2014)

江戸後期、大岡越前の裁判小説が人気だったように、日本人は元来、謎解きが大好きだった。だが、ポーの「モルグ街の殺人」にはじまるミステリーが受容され、国産の推理小説が定着するためには長い茨の道が必要だった。黒岩涙香による本邦初のミステリー、探偵小説でデビューした泉鏡花、『新青年』と横溝正史、社会派という新ジャンルを切り開いた松本清張や「日本のクリスティー」仁木悦子まで、オールスターで描く通史。

序章 ミステリー小説の誕生
第1章 ミステリー到来前夜の日本
第2章 最初の翻訳ミステリー
第3章 邦人初の創作ミステリー
第4章 ピークを迎えた明治二十六年
第5章 雌伏の四半世紀―ミステリー不遇の時代
第6章 捲土重来―盛り返してきたミステリー
第7章 探偵小説から推理小説
第8章 現代への潮流

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モルグ街の殺人事件

モルグ街の殺人事件

16 バーナビー・ラッジ, チャールズ・ディケンズ
55 成島柳北, 『花月新誌』
58 神田孝平
74 黒岩涙香, 『万朝報』
98 須藤南翠, 涙香のライバル
102 森田思軒, 同上
110 泉鏡花, 尾崎紅葉, 巌谷小波
166 岡本綺堂