入不二基義著『ウィトゲンシュタイン―「私」は消去できるか』(2006)

「すべて」と「無」は一致する。私は強力で特異だからこそ、無と化していく。独我論から私的言語論まで、正反対のものが折り重なる不思議な世界に分け入る。

序章 不二の法門に入る―補助線として
 この本のテーマ
 正反対の一致 ほか
第1章 独我論―「限界」としての「私」とは何か
 『論理哲学論考』―自らを消し去るべき本
 いわゆる独我論 ほか
第2章 無主体論―独我と無我は一致する
 いわゆる無主体論
 ウィトゲンシュタインの無主体論 ほか
第3章 私的言語論―「ない」ままで「あり」続ける「私」
 私的言語とわれわれの言語
 私的言語への接近とその不全 ほか