武田徹著『日本ノンフィクション史―ルポルタージュからアカデミック・ジャーナリズムまで』(2017)

フィクション(小説)に対して、「非」フィクションとして出発したノンフィクション。本書ではその成立に大きな役割を果たした大宅壮一から説き起こす。従軍記や社会派ルポルタージュ、週刊誌ジャーナリズム、「世界ノンフィクション全集」、さらにテレビドキュメンタリーにも触れつつ、沢木耕太郎の登場で確立した戦後ノンフィクション史を通観。事実と創作の間で揺れる「物語るジャーナリズム」の行方とは。

第1章 ルポルタージュと従軍報告―大宅壮一とノンフィクション1
第2章 社会派ルポルタージュと新中間層の擡頭―大宅壮一とノンフィクション2
第3章 トップ屋たちの蠢動―梶山季之草柳大蔵の引力と斥力
第4章 古今東西森羅万象を描き出す―筑摩書房『世界ノンフィクション全集』
第5章 テレビの参入―ドキュメンタリー映画から『ノンフィクション劇場』へ
第6章 ニュージャーナリズムと私ノンフィクション―大宅壮一ノンフィクション賞沢木耕太郎
第7章 なんとなく、ケータイ小説まで―文学とアカデミズムの間に

石井光太論争