- 作者: ネルソン・グッドマン,Nelson Goodman,戸澤義夫,松永伸司
- 出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会
- 発売日: 2017/02/22
- メディア: 単行本
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20世紀アメリカを代表する哲学者、ネルソン・グッドマンは、美学、論理学、認識論、科学哲学の分野において多大な影響を及ぼした。グッドマンの主著である本書は、1968年の刊行以来、現代美学の記念碑的著作として読みつがれている。ここでグッドマンは、芸術の基本的諸問題を考察することから出発し、芸術における記号の一般理論の構築へと向かう。芸術がある対象を「再現」するとはどういうことなのか。再現と表現はどうちがうのか。絵画における遠近法とは、写実性とは何か。ホンモノと完全な贋作を見ることにちがいはあるのか。楽譜とは何か。ダンスは記譜できるのか。芸術と科学の真理は異なるのか。本書は、芸術における記号と記号システムの研究であり、われわれの知覚と行動、さらにわれわれの世界創造とその理解において、それらがどのように機能しているかを明らかにしている。この考察は、心理学、言語学、認識論、科学哲学などの領域を横断しつつ、われわれを、絵画、音楽、ダンス、文学といったあらゆる芸術形式の深い理解へと導いてくれる。
序文
序論
第一章 現実の再制作
1 指示
2 模倣
3 遠近法
4 彫刻
5 フィクション
6 トシテ再現
7 創意
8 写実性
9 記述と描写
第二章 絵の響き
1 対象領域の違い
2 方向のちがい
3 例示
4 サンプルとラベル
5 事実と比喩
6 図式
7 転移
8 隠喩の諸方式
9 表現
第三章 芸術と真正性
1 完璧な贋作
2 答え
3 贋作不可能なもの
4 理由
5 課題
第四章 記譜法の理論
1 記譜法の主機能
2 統語論的要件
3 符号の合成
4 準拠
5 意味論的要件
6 記譜法
7 時計と計数器
8 アナログとデジタル
9 帰納的な翻訳
10 図表、地図、モデル
第五章 譜、スケッチ、書
1 譜
2 音楽
3 スケッチ
4 絵画
5 書
6 投射可能性、同義性、分析性
7 文字
8 ダンス
9 建築
第六章 芸術と理解
1 絵と文
2 調べることと見せること
3 行為と態度
4 感情の機能
5 美的なものの徴候
6 価値の問題
7 芸術と理解
用語解説
概要
訳者あとがき
人名索引
事項索引