蓮實重彦著『映画への不実なる誘い -国籍・演出・歴史』(2004)メモ

映画への不実なる誘い―国籍・演出・歴史

映画への不実なる誘い―国籍・演出・歴史

人類はいまだに映画の20世紀的な役割と機能を十分に理解するにはいたっていない。20世紀を代表するメディアについて、国籍・演出・歴史の3つの指標を通じ、その位置を明らかにする、蓮實重彦の映画講義録。

第1章 映画における国籍
  国籍という概念、その脆さ
 「日本映画」の揺らぎ
 成瀬巳喜男『鶴八鶴次郎』における翻案
  ほか
第2章 映画における演出
  映画は「男と女と階段」で成立する
 単純なショットの組み合わせ
 階段の意味するもの
 ほか
第3章 映画における歴史
  ゴダールの『映画史』――女性たちへの視線
 『映画史』の断片を持続によって回復する試み
 ゴダールとミュージカル
 ほか
あとがき

17『北野武 神出鬼没』"TAKESHI KITANO l'imprevisible"
20 ダニエル・シュミット監督『書かれた顔』"The Written Face"(1995)
「全編日本で撮られているにもかかわらず、スイス映画
22 成瀬巳喜男監督『鶴八鶴次郎』(1938)、ウェズリー・ラッグルス監督『ボレロ』"Bolero"(1934)の翻案
25 モーパッサン『脂肪の塊』の翻案、溝口健二監督『マリヤのお雪』
34 ミハイル・ロム
34 20年代ロシア・アヴァンギャルドの敗北から30年代の社会主義レアリスムの誕生へ
43 中国版『脂肪の塊』、朱石鱗監督『花姑女』(1952)
49 ジョゼフ・フォン・スタンバーグ監督『上海特急』(1932)
65 グリフィス「映画とは、女と銃である」「男と女とX」
65 ロベルト・ロッセリーニ監督『イタリア旅行』(1953)、アッバス・キアロスタミ監督『そして人生はつづく
74 吉田喜重監督『東京大学 学問の過去・現在・未来』
77 階段映画。成瀬巳喜男監督『女が階段を上る時』(1960)
78 ブライアン・デ・パルマ監督『アンタッチャブル』(1987)
78 マイケル・カーティス監督『ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ』(1942)
79 小津安二郎監督『風の中の牝雞』(1948)
86 アルフレッド・ヒッチコック監督『断崖』(1941)
89 アルフレッド・ヒッチコック監督『汚名』
148 フリードリヒ・ヴィルヘルム・ムルナウサンライズ』(1927)
152 カール・ドライヤー監督『裁かるるジャンヌ』(1928)
152 ロベール・ブレッソン監督『ジャンヌ・ダルク裁判』(1962)
157 ロバート・アルドリッチ監督『カリフォルニア・ドールズ』(1981)