青山真治、黒沢清、佐藤真、塩田明彦、篠崎誠、諏訪敦彦、高橋洋、万田邦敏・・・・・世界に飛翔した日本の世紀末映画の作り手たちに大きな影響を及ぼした批評家にして影の仕掛け人。その25年間にわたる全評論を網羅したこの大冊こそ、未知の映画と批評の姿をかいまみさせる大いなる道しるべである。
蓮實重彦、柄谷行人らの〈現代思想〉と映画を架橋して「ゴダールの宇宙」「キャメロンの時代」といった独自の概念を創造して映画の語り方の土台をつくった思想家にしてプロデューサーの全貌がここに。
序章 砦と映画
Ⅰ ゴダールの宇宙
ⅰ あるものはある
ⅱ ゴダール的問題とはなにか
ⅲ シネマと資本
Ⅱ アメリカのシネマと構造
ⅰ 「亡霊」としての50年代
ⅱ 「暗さ」の映画史
ⅲ キャメロンの時代
ⅳ 黒人映画は不気味につまらない
Ⅲ ヨーロッパからの脱出は不可能である
ⅰ ヨーロッパとはなにか
ⅱ 表象空間をめぐる闘争と哀歌
ⅲ アキ・カウリスマキと田中小実昌の哲学
Ⅳ 日本映画の「日本」はうっとうしい
ⅰ シネクラブ時代
ⅱ 日本映画の「黒と青」は「日本」映画を撮らない
ⅲ 「哀れで美しい日本」映画
Ⅴ スローなロックでいこう
ⅰ ヴィム・ヴェンダースの感動の映画たち
ⅱ 3枚のアメリカのLP
ⅲ エルヴィス・プレスリーは映画が好きだった
終章 アメリカ映画の現在 黒沢清との対話
主要人名索引
映画題名索引