本書は、聖の実践と理論をもとに、聖なるものに関する経験、制度および概念論を大きく通観する。学術的参照範囲は広く、これまで人文科学系の諸分野で言及されてきた関連成果の主要なもののほとんどを網羅。また宗教をとりまく現代文化の危機が表面化するなかで浮上した聖の問題を、哲学者の視点で考察する。
序論
第一部 聖なるものの実践
第一章 聖なるものの現象学
Ⅰ 「ヌミノーゼ」の体験
Ⅱ ヒエロファニー
第二章 聖なるものの象徴体系
Ⅰ 象徴言語
Ⅱ 解釈学的自由
Ⅲ 祭式遊戯
Ⅳ 聖なる時空間
第三章 聖なるものの文化人類学
Ⅰ 聖職者階級と聖職者の権力
Ⅱ 社会的なものの象徴的制御第二部 聖なるものの理論
第一章 聖なるものの性質
Ⅰ 聖なるものと俗なるもの
Ⅱ 禁忌と神秘
Ⅲ 清浄なるものと不浄なるもの
第二章 聖なるものの批判
Ⅰ 聖なるものへの異議申し立て
Ⅱ 非神聖化をめぐる議論
Ⅲ 文化の世俗化
第三章 聖なるものの変容
Ⅰ 再神聖化と現代性
Ⅱ 新しい神聖?結論
訳者あとがき
参考文献
原注
人名索引