シリーズ『自由への問い 3巻:公共性、4巻:コミュニケーション』(2010)メモ

公共性――自由が/自由を可能にする秩序 (自由への問い 第3巻)

公共性――自由が/自由を可能にする秩序 (自由への問い 第3巻)

自由=〈私〉と公共性=〈公〉は背反するものと考えられている.それに対して,自由が公共性を拓く可能性と,自由をもたらす秩序のあり方の両面を考えるべきではないか.

I 【対論】
 自由が/自由を可能にする秩序
阪口正二郎・北田暁大

II 【考察】自由が可能にする秩序とは
 異論の窮境と異論の公共性
阪口正二郎(一橋大学
 自由「濫用」の許容性について
毛 利 透(京都大学

III 【問題状況】公共性をめぐる問題の諸相
 プライバシー権とは何のための権利なのか
川岸令和(早稲田大学
 憲法九条と自由
青井未帆(成城大学
 政治過程における自由と公共
林 知 更(東京大学

IV 【構想】自由を可能にする秩序へ
 福祉国家の公序――日本国憲法は「最低限度の生活」しか保障しないのか
中 島 徹(早稲田大学
 暴力・リスク・公共圏――国家の暴力/社会の暴力と折り合うための技法
江口厚仁(九州大学

コミュニケーション――自由な情報空間とは何か (自由への問い 第4巻)

コミュニケーション――自由な情報空間とは何か (自由への問い 第4巻)

表現の自由言論の自由など,コミュニケーションやメディアと自由の概念とは不可分の関係にある.理論と歴史,そしてネット環境などアクチュアルな問題系から掘り下げる.

編集にあたって
対論 自由な情報空間とは何か
北田暁大・阪口正二郎

I 【考察】理論的分析から
 ポルノグラフィと憎悪表現
江 口 聡(京都女子大学
 メディアの存在論と自由
和田伸一郎(中部大学)
 功利主義と自由――統治と監視の幸福な関係
安 藤 馨(東京大学

II 【問題状況】メディア史からの/への問い
 制度としての自由
北田暁大東京大学
 論壇――「自由な討議空間」の歴史社会学
毛里裕一(東京大学大学院博士課程)
 広報・広告の公共性
難波功士関西学院大学

III 【構想】情報空間の変化と自由の新たな可能性
 公共放送としてのNHKの位置価――「視聴者第一主義」の未来
林 香 里(東京大学
 サイバーシティは「人を自由にする」か
若林幹夫(早稲田大学
 コミュニケーションにおける匿名性と自由
辻 大 介(大阪大学