宮沢章夫『東京大学「80年代地下文化論」講義』メモ

p.13. 極めて頻繁に参照。既読。

「おたく」の精神史 一九八〇年代論

「おたく」の精神史 一九八〇年代論

p.18. 桑原茂一 桑原茂一リンク】 音楽プロデューサー、スネークマンショー
中西俊夫リンクプラスチックス、MELON

p.35. 文化的ヘゲモニーと「かっこいい」

革命的な、あまりに革命的な―「1968年の革命」史論

革命的な、あまりに革命的な―「1968年の革命」史論

p.39. カントの「趣味判断」
トランスクリティーク――カントとマルクス (岩波現代文庫)

トランスクリティーク――カントとマルクス (岩波現代文庫)

判断力批判』において、カントは暗黙にこのテーゼとアンチテーゼに対処している。彼もまた、基本的に、趣味判断が一方で主観的(個人的)でなければならないということを認めながら、なおそれが普遍的でなければならないと考える。その場合、彼は普遍性と一般性を区別する。

p.64.『宝島』1991年3月24日号より「80'sニューウェーブな人々交遊図」解像度悪くて読めない。

p.82. 時代診断としては雑駁だが、宮沢は80年代YMOスネークマンショーピテカントロプス・エレクトスの試みに「不合理さ」を見出す。ピテカンが82-84年。その中間の83年に「合理を極めた施設」のディズニーランドがオープンした。見立てとしては面白い。
p.89.

p.91
考える水、その他の石

考える水、その他の石

p.91, 248p.123. クラフトワークYMOP-MODEL
電子音楽in JAPAN

電子音楽in JAPAN

p.181.新劇のカウンターとして「アンダーグラウンド演劇」

60年代に新劇ーべつの言い方をすると近代劇ですねーに対抗して「アンダーグラウンド演劇」を推し進めた世代に、たとえば唐十郎という人がいます。それから佐藤信。唐さんは当時、赤いテントを建てて、「紅テント」と称した。佐藤信のほうは、黒いテントを建てました。ほかにも鈴木忠志寺山修司…こういった人たちが、「アンダーグラウンド」として台頭したのが60年代です。

p.256

モンティ・パイソン大全 (映画秘宝コレクション)

モンティ・パイソン大全 (映画秘宝コレクション)

p.277
Mの世代―ぼくらとミヤザキ君

Mの世代―ぼくらとミヤザキ君

p.283. 当時のアクロスは。p.365.
東京ガールズブラボー 上巻 ワンダーランドコミックス

東京ガールズブラボー 上巻 ワンダーランドコミックス

巻末、岡崎京子浅田彰の対談。

岡崎「(ピテカントロプスなどについて)あたしにはちょっとシキイが高くて居心地が悪かったな。もっとどんくさいほうがいいのになとかおもってた」
浅田「ぼくが印象に残っているのは、あそこでヨゼフ・ボイス、ナム・ジュン・パイク細野晴臣坂本龍一立花ハジメっていうメンバーでパフォーマンスをやったこと。まかりまちがえば美術史に残るようなイベントが、あんなところで行われちゃったわけでしょ。それもハイ・カルチュアもポップ・カルチュアも区別なくね」

p.462

縮図・インコ道理教

縮図・インコ道理教

 宮沢章夫ラジカル・ガジベリビンバ・システムピテカントロプス・エレクトス周辺の演劇、あるいは音楽やお笑いなどの試みに80年代固有の文脈を読み取れることはできるのだろうし、本書はそれを目的として企画された講義を書籍化したものだろう。しかし、本書を読んでも80年代性は見えてこない。無論、演劇や音楽など80年代カルチャーに関する私の知識不足は否定しようがないが、それだけではない。個別の体験や文化史をフォローしたところで、時代に固有の文脈を抽出できるわけではない。これはマイクロ・ヒストリーにも共通するかもしれない。宮沢の諸々の試みが80年代文化を代表していたのは疑いようがないし、文化的影響も多大なるものだっただろう。だが、それが80年代性(60,70,90,00年代と比較しての時代性)を語るものではない。文脈の抽出は社会学的に行われるべきということだろうか。