林田清明著『《法と文学》の法理論』(2015)

前著『《法と経済学》の法理論』において伝統的法学の論理と制度を批判的に検証した著者の新機軸! 法のテクスト性や物語性,社会文化的コンテクストに着目する《法と文学》の観点から文学作品を自在に読み解き,法の背後に潜む権力の問題,法と社会規範の関係性,法解釈の主体たる読者の位相,法的価値づけの根拠等,法の根幹にまつわる諸問題を鋭く問い直す。司法改革が進められて10年以上が経過した現在,あらためて求められる繊細にして強靭な批判的思考がここにある。

第1部 “法と文学”とは何か
 “法と文学”の諸形態と法理論としての可能性
第2部 “法と文学”と法
 法による文学規制と“法と文学”―チャタレイ裁判再考
 私的空間という装置と法―“法と文学”による日本プライバシー前史
 「理性と正義」の劇場としての法―夏目漱石『門』と掟
 文学的フィクションと法の現実―F.カフカ『審判』、A.カミュ『異邦人』、H.メルヴィル『ビリー・バッド』を素材に
第3部 “法と文学”と法的推論・法解釈
 ポストモダンと法解釈の不確定性
 法のナラティヴと法的推論―志賀直哉『范の犯罪』を素材に
 意味の所有権―“法と文学”の法解釈論・法的推論

5「法と文学」研究, J.B.ホワイトの著書を嚆矢とする一連の運動, 1973年
5 1920,30年代、リーガル・リアリズム
5 林田『《法と経済学》の法理論』

『法と経済学』の法理論 (北海道大学法学部研究選書)

『法と経済学』の法理論 (北海道大学法学部研究選書)

8 和田『法社会学の解体と再生』
法社会学の解体と再生―ポストモダンを超えて

法社会学の解体と再生―ポストモダンを超えて

13, 50, 33 棚瀬『法の言説分析』
法の言説分析 (MINERVA人文・社会科学叢書)

法の言説分析 (MINERVA人文・社会科学叢書)

23 田中『法廷にたつ言語』
法廷にたつ言語 (岩波現代文庫)

法廷にたつ言語 (岩波現代文庫)

30, 56 ドウォーキン『法の帝国』長谷川『解釈と法思考』
法の帝国

法の帝国

解釈と法思考―リーガル・マインドの哲学のために

解釈と法思考―リーガル・マインドの哲学のために

09, 151 バード『日本奥地紀行』
日本奥地紀行 (平凡社ライブラリー)

日本奥地紀行 (平凡社ライブラリー)

113, 151『ペルリ提督日本遠征記』
ペリー提督日本遠征記 (上) (角川ソフィア文庫)

ペリー提督日本遠征記 (上) (角川ソフィア文庫)

262 フォルジェ, ガダマー『テクストと解釈』

テクストと解釈

テクストと解釈

267 リーチ『アメリカ文学批評史』
アメリカ文学批評史

アメリカ文学批評史

298, 313, 12 ベネット『法廷における“現実”の構築―物語としての裁判』
法廷における“現実”の構築―物語としての裁判

法廷における“現実”の構築―物語としての裁判

306, 315, 29 カラー『文学理論』
文学理論 (〈1冊でわかる〉シリーズ)

文学理論 (〈1冊でわかる〉シリーズ)

317, 172 バルト『物語の構造分析』
物語の構造分析

物語の構造分析

329, 374 イーグルトン『文学とは何か』
文学とは何か――現代批評理論への招待(上) (岩波文庫)

文学とは何か――現代批評理論への招待(上) (岩波文庫)

336, 375 カラー『ディコンストラクション
新版 ディコンストラクション〈1〉 (岩波現代文庫)

新版 ディコンストラクション〈1〉 (岩波現代文庫)