電子、電磁場、クォーク―科学が扱うこれらの対象は、直接見ることも触ることもできない。にもかかわらず、それらは「存在する」といえるのか。それとも人間が世界を解釈するためにつくりだした道具立てにすぎないのか。科学によって、人間は真理へと近づくことができるのか?本書は、実験という営みのなかで操作・介入できる対象は存在するという観点を打ち出し、科学の本質をめぐる論争をまったく新たなステージへと導いた。科学哲学史を総ざらいしつつ、明快な筆致で問題の核心へと迫る。
第1部 表現すること
科学的実在論とは何か
基礎単位となることと原因となること
実証主義
プラグマティズム
共約不可能性
指示
内在的実在論
真理の代用となるもの
第2部 介入すること実験
観察
顕微鏡
思弁、計算、モデル、近似
現象の創造
測定
ベーコン的主題
実験活動と科学的実在論訳者あとがき
解説 『表現と介入』のどこがスゴイのか(戸田山和久)